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【制度解説】別表7とは?訪問看護における算定の特例と運用の実際

この記事はどんな人向けか、どう役立つか

この記事は、訪問看護ステーションの管理者や中堅スタッフ、制度運用に関わる実務担当者に向けて作成しています。訪問看護の報酬算定において重要な位置を占める「別表7」について、制度的根拠や運用上の注意点を整理し、現場の判断や対応に役立つ情報を提供します。



別表7とは?

「別表7」は、訪問看護において医療保険による訪問看護療養費を算定する際の特例対象者を定めたもので、厚生労働省が定める「訪問看護療養費の取扱いについて」(以下「通知」)の別添資料として位置付けられています。

この別表は、訪問看護ステーションが医療保険での訪問を行う際に、特に留意すべき対象者を列挙したものであり、該当者については要介護認定の有無にかかわらず医療保険での訪問看護が可能です。


法令上の位置づけと通知名

別表7は、以下の通知に添付される形で運用されています。

  • 根拠通知:厚生労働省保険局医療課「訪問看護療養費の取扱いについて」(事務連絡)

  • 関連法令:健康保険法第86条、療養担当規則


別表7の対象者(令和6年度時点)

以下は別表7に該当する主な疾患や状態です(令和6年度通知に基づく)。これらに該当する場合、医療保険での訪問看護が可能となります。

以下は令和6年度の通知に基づき、別表7に該当する疾患・状態として厚生労働省が定める20の項目です。

  1. 末期の悪性腫瘍

  2. 多発性硬化症

  3. 重症筋無力症

  4. スモン

  5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

  6. 脊髄小脳変性症

  7. ハンチントン病

  8. 進行性筋ジストロフィー症

  9. パーキンソン病関連疾患(パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、線条体黒質変性症)

  10. 多系統萎縮症

  11. プリオン病

  12. 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

  13. ライソゾーム病

  14. 副腎白質ジストロフィー

  15. 脊髄性筋萎縮症

  16. 球脊髄性筋萎縮症

  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)

  18. 後天性免疫不全症候群(AIDS)

  19. 頸髄損傷

  20. 人工呼吸器を使用している状態


訪問回数の制限と例外

原則として、医療保険での訪問看護は週3回までとされていますが、別表7に該当する利用者については、必要に応じて回数の制限を超えて訪問看護を行うことが可能です。

また、厚生労働省の通知により、状態の急変時やターミナル期など、特段の理由がある場合には、主治医の指示と訪問看護指示書のもとで、週4回以上の訪問も可能となります(いわゆる「頻回訪問」)。


介護保険との関係性

介護保険制度において要介護認定を受けている利用者であっても、別表7に該当する場合には、原則として医療保険が優先して適用されます(優先適用の原則)。

これは、要介護者であっても、疾患や状態により医療的な管理・処置が優先されるべきと判断される場合、介護保険による訪問看護ではなく、医療保険による対応を行うべきとされているためです。


医師の指示書との関係

別表7に該当する場合であっても、医療保険で訪問看護を実施するためには、医師による「訪問看護指示書」が必須です。指示書の記載内容には、疾患名、必要な看護内容、訪問頻度、使用する医療機器等が明記されている必要があります。

また、頻回訪問を行う場合には、その必要性が明確に指示書に示されていることが求められます。


留意事項と運用上のポイント

  • 別表7該当者は、基本的に医療保険が適用されるが、状態の変化により介護保険に切り替える判断も必要となる。

  • 定期的に主治医やケアマネジャーとの情報共有を行い、制度適用の見直しを行うことが望ましい。

  • 医療保険と介護保険の「区分支給限度額」や「居宅サービス計画」との整合性に注意する必要がある。


まとめ(要点整理)

  • 別表7とは、医療保険での訪問看護が可能な特定の状態・疾患を定めた一覧表。

  • 厚労省の通知「訪問看護療養費の取扱いについて」に基づく。

  • 別表7該当者は、要介護認定の有無に関わらず医療保険での訪問が可能。

  • 医師の訪問看護指示書が必須。

  • 週3回以上の訪問も、一定条件下で可能。

  • 介護保険よりも医療保険が優先適用される。

  • 運用にあたっては状態変化や制度の整合性に注意が必要。


参考資料

  • 中央法規『訪問看護実務相談 2024年版』

  • 厚生労働省「訪問看護療養費の取扱いについて」事務連絡

  • 健康保険法・療養担当規則


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