変われない理由を集めるほど、世界は複雑になる。
『世界はシンプルである。』
「嫌われる勇気」という名著の中で、私が最も衝撃を受けた言葉だ。
初めて聞いたとき、素直に受け入れることはできなかった。
仕事、人間関係、家族、お金、将来への不安。
現実には、悩みはいくらでもある。
私自身も、若い頃は世界がとても複雑に見えていた。
人と話すのが怖い。
人から評価されるのが怖い。
自分だけが取り残されている気がする。
このまま生きていけるのだろうか。
そう考えているうちに、世界全体が敵のように見えてくる。
でも今は、少し違う見方をしている。
若かったあの頃、本当に世界は複雑だったのだろうか。。。
世界の見方は自分で決められる
『嫌われる勇気』では、
人は客観的な世界そのものではなく、
自分が意味づけした主観的な世界を見ている
と考える。
例えば失敗した過去に対して
「自分には才能がない証拠」とも見れるし
「今後に生かしていくための材料」とも見れる。
出来事そのものは同じでも、どう解釈するかは変えられる。
大事なのはココだ。
私たちが見る世界は、その出来事をどう解釈したかによって決まる。
何が起こったかだけで、人生が決まるわけではない。
どう解釈するかが重要であり、その解釈は自らの手で選べるのである。
ここに、人生の舵取りを自分に持たせるヒントがある。
変わりたいのに変われない理由
「変わりたい」という気持ちはあるのに、
人がなかなか変われないのはなぜだろう。
これは私自身にも言えることである。
『嫌われる勇気』では、次のように説明されている。
あなたは変われないのではなく、あなたの中に「変わらない方がいい」という目的があるだけだ。
人は、多少ガタが来ていても乗り慣れた車の方が安心して運転できる。
そろそろ新しい車に乗り替えた方が良いと分かっていても、見通せない将来の不安が気になって乗り換えられないのだ。
変わらないことへの不満と、変わることへの不安。
あなたは、前者を自らの意思で選んでいるのだ。
そう、あなたは『変わらない方がいい』という目的を満足しているのである。
ズキーン。
私は胸を射抜かれたような気持ちになった。
そうだよ、変われないんじゃない。変わらないだけなんだ。
やろうと思えばできるさ。
でも後回しにしてしまう。
そして、やれない自分に自己嫌悪を抱いてしまうんだ。
でも行動を起こさず自己嫌悪に耐えられなくなると、
世界はどんどん複雑に見えてくる。
少し話がそれるが、自己嫌悪や劣等感そのものは悪くない。
「もっとできるようになりたい」
「今の自分を少しでも変えたい」
そう思えるから、人は努力できる。
劣等感があるからこそ、動物は進化するし、人間は文明を築けるのだと思う。
話を戻すと、問題は『劣等感そのもの』ではなく、『劣等感を持ちながら行動しない状態が続く』ということだ。
本の中で、これは劣等コンプレックスという言葉で説明されている。
行動しないまま自己嫌悪が続くと、人はその状態に耐えられず
行動しない自分を正当化して守るために「できない理由探し」を始めるのだ。
過去に傷ついたから。
親との関係が悪かったから。
トラウマがあるから。
頭が悪いから。
偏差値の高い学校に入れなかったから。
「過去がこうだったから、自分はこうなった」
そう考えている限り、人生の主導権は過去に握られたままになる。
私が変われないのは、世界が複雑だからではなく、
変われない今の自分をただ正当化したいだけかもしれない。
この考え方を認めることは自分の弱さを認めることでもある。
でも、考え方はとてもシンプルになる。
やるか、やらないか。
それを選ぶだけだ。過去や環境がどうであろうと。
できない理由を集めると世界は複雑になっていく
若い頃の私は、できない理由をたくさん集めていた。
人間関係が怖い。
評価されるのが怖い。
才能がない。
過去に失敗した。
だから自分には無理だ。
自分が行動しない理由を作るために、世界を複雑に見ていた。
他責にすれば、自分ではどうにもできないと行動できない理由が立つ。
自責に向かえば、努力しても意味ないと行動出来ない理由が立つ。
でもこの考え方って、行動することが大変だと思ってる発想。
だけど、出来ない言い訳をひねり続けて悩み続けることの方がよほど大変じゃないか。
では、どうすればいいのか。
世界をもっとシンプルに見ていこう。
シンプル① 変えられることだけを見る
この世界には、自分に変えられることと、自分には変えられないことがある。
他人の評価は変えられない。過去の出来事も変えられない。生まれた環境も変えられない。
でも、自分の行動は変えられる。
今日何をするかは選べる。過去にどんな意味を与えるかも選べる。
悩むべきことは、変えられないことではない。
自分に変えられることだけを考えればいい。
これだけで、世界は少しシンプルになる。
シンプル② 昨日の自分に勝てばいい
人は平等のようであって平等ではないと思う。
生まれた環境も違う。才能も違う。体力も違う。運も違う。
だから「努力すれば何でもできる」とは思わない。
ただ、それでも大事なのは、
何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか
なのだと思う。
無いものばかり見ていると、できない理由探しになる。
でも、今あるものをどう使うか考えれば、行動に移れるかもしれない。
そして行動の量と成功のしやすさには確かな相関があるはずだ。
だとしたら、どう考えたらいいか答えは明らかじゃないか。
与えられている物に執着した所で現実を変えることができるだろうか。
もう1つ大事なのは、他人に勝つ必要はないということだ。
他人と比較をするから、与えられているものを気にしてしまうのだ。
比べる相手は他人ではなく、昨日の自分だ。
他人と競争すると、他人が敵になってしまう。上下関係を意識するようになる。
そうなると、自分より幸せな人を祝福できない。自分より不幸な人を手助けできない。結果、世界が敵に見えてしまう。
つまり、世界が複雑になってしまう。
もっとシンプルに考えたらいい。
昨日より今日の自分が少し前に進めばいい。
今日より明日の自分が少し良くなればいい。
ただそれを続けるだけでいい。
周りがどうであろうと関係ない。
私自身が納得できるように行動し、
少しずつ亀のように進んでいけばいい。
世界はシンプルである
この言葉は、現実の問題を軽く見る言葉ではない。
人生には、どうにもならないことがある。
努力だけでは越えられない壁もある。
過去の傷が、簡単に消えるわけでもない。
それでも、世界をどう見るかだけは選べる。
自分の心を守ってあげられるのは最終的には自分しかいない。
過去にどんな意味を与えるかは選べる。
他人と比べるのか、昨日の自分と比べるのかも選べる。
若い頃の自分に声をかけられるなら、私はこう言いたい。
世界全体が敵に見えているかもしれない。
自分だけが取り残されているように感じるかもしれない。
もう変われないと思っているかもしれない。
でも、自分が世界を複雑に見ているだけなのかもしれないよ。
何が正しいかにこだわらなくていい。だって正解なんてないから。
大事なことは、自分が前向きに変われるようになるために
どういう考え方をしたらいいか、なんじゃないかな。
『嫌われる勇気』での一説。
世界はシンプルである。
人は、今この瞬間から変わることができる。
変わるか、変わらないか。
見通せない道に一歩踏み出せるかどうか。
つまり、これは『勇気』の問題なのである。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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