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妻と「戦友」になる前に、話したこと

ここ3か月、22時に退社することも珍しくなかった。

自宅までは80分くらいかかる。夕食を食べて帰ると、家に着くのは24時近くだった。

そして6月27日、金曜日。最後の引き継ぎ打ち合わせを終えて、仕事納めをした。

残件リストをまとめ、最新ファイルの場所を共有し、取引先にも連絡窓口の引き継ぎを連絡した。完璧ではないかもしれないが、ひとまず何とか形にはなったと思う。

来週から、育休期間に入る。

仕事とは違う。プレッシャーの種類も違う。けれど、そこには育児という、また別の大変さが待っている。

正直、ここまで来るのにすごく疲れた。
でも、少しホッとしている。

仕事で役に立つ。成果を出す。誰かに必要とされる。そういうものが、いつのまにか自分の支えになっていたのだと思う。

けれど、育休に入れば、その物差しはいったん横に置くことになる。

赤ちゃんにとって、こちらの肩書きも評価も関係ない。
ただ、そばにいて、抱いて、応える人でいられるか。

問われるのは、たぶんそれだけだ。

その時間をちゃんと迎えるために、育休前に妻と一度、きちんと話すことにした。

妻が入院する前に

来週、出産のために妻が入院する。
帝王切開となるため、妻は1週間近く治療に専念することになる。

その間、上の子はママと面会できない。
しばらくは、パパと二人で過ごすことになる。

一旦、家族が二つに分かれる。
それは、やっぱり寂しい。

だから、妻が入院する前に話しておきたかった。

妻と下の子が自宅に戻ってきてからの、家事と育児の分担を。

気持ちではなく、分担まで決めた

最初に確認したのは、家事や育児を「どちらかの仕事」にしないことだった。

育休を取る以上、家のことも子どものことも、妻の仕事に自分が加わるのではない。
二人で回す生活そのものだ。

ただ、「二人で頑張ろう」だけでは、たぶん足りない。

そこで、赤ちゃんの世話、上の子の朝と夜の対応、保育園、食事、洗濯、掃除、手続き、妻の産後ケアまで、思いつくものを一度書き出した。

やってみると、家の中には名前のついていない仕事が多いことに気づく。

哺乳瓶を洗う。消毒する。ミルクの在庫を見る。オムツを補充する。保育園の持ち物を確認する。書類を出す。妻が横になれる時間を作る。

一つひとつは小さく見える。
でも、積み重なると生活そのものになる。

主担当と副担当を決めてみて分かったのは、分担とは「半分ずつに割ること」ではないということだ。

誰が気づくのか。
誰が動くのか。
迷ったとき、どちらが先に拾うのか。

そこを曖昧にしないためのものだった。

ChatGPTも使いながら、話し合いは2時間ほどでまとまった。

下表は、我が家の分担表だ。
事前に話し合い、お互いに納得した内容である。

これをコンビニのネットプリントでA3カラー印刷し、壁に貼り付けた。

夫の仕事割合が少ないのか、多いのか。
見る人によって、いろいろな意見があるかもしれない。

ただ、正解はたぶんない。

家庭の状況も、子どもの年齢も、妻の体調も、仕事の事情も、それぞれ違う。大事なのは、外から見て均等に見えることではなく、当事者同士が納得して始められることだと思う。

ざっくりした考え方は以下になる。
・体を動かさなくて済む事は妻、それ以外が夫。
・上の子は平日に加えて土曜日も保育園にする。上の子との散歩も含め全てパパが対応。
・上の子がママ離れしないように寝かしつけはあえてママに任せる。絵本読みで触れ合う。
・産後一ヶ月経過したら、また分担表を見直す。
・食事準備と掃除は手を抜く。むしろ外注してプロの技を見ながら盗みたいと思っている。
・哺乳ビンの乳首形状が下の子に合うことを確認してから、哺乳ビンを多めに揃え、一度に洗浄出来るようにする。

当然ながら、赤ちゃん相手に予定どおり進むとは思っていない。
それでも、何も決めずに行き当たりばったりで始めるよりは、ずっといい。

完璧より、倒れずに続ける

最後に決めたのは、「完璧にやらない」ということだった。

家が多少散らかっていてもいい。
料理が手抜きの日があってもいい。
予定どおりに進まなくてもいい。

食事は惣菜や冷凍食品に頼っていい。
買い物はネットスーパーでいい。
掃除も、産後すぐに全部きれいにしようとしなくていい。

むしろ、「やらないこと」まで決めておくことが大事だった。

優先度Aは、必ずやること。
優先度Bは、放置し続けると困ること。
優先度Cは、余裕があればやること。
優先度Dは、産後すぐには無理に追わないこと。

そうやって分けておくだけで、少し気持ちが楽になる。

理想の育児を目指して、夫婦のどちらかが倒れるくらいなら、最初から基準を少し下げておいたほうがいい。

子どものために頑張ることは大事だ。
でも、親が疲れ切ってしまえば、結局そのしわ寄せは家庭に戻ってくる。

だから今回の育休では、「ちゃんとやる」よりも、「倒れずに続ける」を優先したい。

妻と「戦友」になる準備

話し終えたあと、ようやく出産後の生活を迎える準備が少し整った気がした。

もちろん、表を作ったからといって、すべてがうまくいくわけではない。
むしろ、予定どおりにいかないことのほうが多いと思う。

それでも、始まる前に一度、二人で同じ方向を向こうとした。
そのこと自体が、今の自分には心強い。

夫婦は、最初から完全に同じ方向を向いているわけではない。
育ってきた環境も、当たり前だと思う基準も違う。

だからこそ、黙っていて伝わることは、思っているほど多くない。

育休は、子どもと向き合う時間であると同時に、夫婦が向き合い直す時間でもあるのだと思う。

会社での数か月は、長い人生の中で取り返せるかもしれない。
でも、子どもが小さい今この時期は、二度と戻ってこない。

出遅れる怖さは、まだある。
会社の席を離れる不安も、消えたわけではない。

それでも、今は目の前の家族と過ごす時間を選ぶ。

そのために、妻と「戦友」になる準備をした。

完璧な作戦ではない。
きっと予定どおりにもいかない。

夜中に眠れない日もあるだろうし、決めていた分担が崩れる日もあると思う。

でも、崩れたときに一人で抱え込まないために、先に話した。
立て直すための土台を、二人で作った。

この数か月、そのことを何度も思い出しながら、家族で乗り越えていきたい。


夫婦で何を話しておくかは、家庭の数だけ違うと思います。
あなたの家では、育休前や出産前にどんなことを話しましたか。
よければコメントで聞かせてください。


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