DX戦記~Windows95から30年目のデジタル敗戦
1995年のWindows 95の発売から、2025年の現在まで30年が経過しました。この30年間で、ITはビジネスにおいて「使うか否か」ではなく「前提」へと変わりました。
しかし、いまだにネ申帳票、プリント・ハンコ・スキャンといった、前時代的な業務手法を組織内で手放せない人々が残っています。
この層の多くは、IT革命が叫ばれた当時、50代なら20代、60代なら30代という、これからを担うべき若手・中堅でした。
彼らは若かったにもかかわらず、その後の30年間にわたりITを積極的に受け入れる機会を拒否し続けてきました。つまり、彼らは単にITリテラシーが低いのではなく、根本的に「ITが嫌いな人々」なのです。
「IT嫌い」に合わせたシステム設計の罪
現在の多くの日本企業のシステムは、この「ITが嫌いな人々」に過剰に合わせて設計されてしまっています。
その代償として、組織全体に極めて非効率的なプロセスが残存します。たとえば、統一性のない伝票をスキャンし、OCRでデータ化しても、結局は「ITが嫌いな人々」が印刷して手書きで修正を加え、それをまたスキャンして再OCRにかけるという、理解不能な非効率業務がまかり通っています。
組織のITシステムが、ITを嫌う人に最適化された結果、相対的に非効率な組織となっているのです。
組織は、「ITが嫌いな人々」を保護するために非効率を許容する時代を終わらせなければなりません。
対策:「IT嫌いな人々」のキャリアを分ける
まず、「ITが嫌いな人々」にITシステムを使わせることは、あきらめましょう。
もはや「ITが嫌いな人」の存在を前提としたシステム設計をしてはいけません。
そのために、必要な事は「ITが嫌いな人」と、「それ以外」で、役割とキャリアパスを明確に分離することです。
これは差別ではなく、適材適所の徹底です。自動車免許を持たない人間に運転を任せないのと同じ論理です。
具体的な方策:
システムを「IT嫌い」の手に触れさせない: 経営システムをデジタル活用前提で再構築し、その業務に「ITが嫌いな人々」を配置しない。
適材適所への再配置と制約: 「ITが嫌いな人々」は、ITシステムへの関与が極めて限定的か不要な非IT依存の業務で存分に力を発揮してもらう。
効率性の追求: これまで「ITが嫌いな人」に合わせていた複雑なプロセスを廃止し、最短で成果を出せるシンプルなシステム設計に切り替える。
Windows95の登場から30年。前に進むため、「ITが嫌いな人々」に合わせた設計の罪に、今こそ終止符を打ちましょう。
