社会不適合者がパワーリフティングに救われた話
1.私は社会不適合者である
私は典型的な社会不適合者で、幼少期から学校や集団にうまく馴染めませんでした。
小学校1年生から野球を始めましたが、チームの雰囲気に合わず人間関係もうまくいかなかったのを覚えています。
学校生活も同じです。協調性があるタイプではなく、ルールを守ることが苦手でした。周りの大人や学校の先生に好かれるような「優等生」ではなかったです。優等生のように振舞おうとすると、自分が自分でなくなるような感覚がありました。
追い打ちをけるように大学受験にも失敗し、浪人もしました。
スポーツで結果が出ない。
人間関係もうまくいかない。
受験にも失敗する。
そんな負のスパイラルに陥る自分にかけられる言葉も、
「そんなんじゃ社会でやっていけない」
「将来は低収入の派遣社員だな」
「お前は足りない」
といった内容ばかりで
「社会に馴染めなくても生きていけるよ~」
といった希望のある言葉をかけてくれるような大人は周りにはいませんでした。
2.パワーリフティングとの出会い
集団に馴染めず、人付き合いも苦手だったため、時間を持て余していました。そんな悶々とした気持ちを吹き飛ばしたい一心で筋トレを始めます。
筋トレを始めて数年が経ったある日、ジムでパワーリフターを見かけます。
一見普通の体格の男性がデッドリフト200kgを軽々と持ち上げていたのです。
その光景に衝撃を受けました。
すでにパワーリフティングという競技の存在は知っていたものの、最初から「自分には向いていない、選ばれし者だけのスポーツ」と決めつけていました。
私は手足が極端に長く、筋肉もつきにくい体質で重量を持つセンスなんてない。挑戦しても失敗して、恥をかくだけだ。
ですが、そのパワーリフターは私にこう言いました。
「筋肉がなくても、重量は持てる。」
「すでにお前は強い」
その言葉は、自分の中の常識を大きく変えました。自分にも可能性があるかもしれないと思い、BIG3の練習をはじめます。
3.パワーリフティング競技の魅力
そこから私は、少しずつパワーリフティングにのめり込んでいきました。
パワーリフティングは個人競技です。協調性がなくても、自分のペースで練習することができます。
思えば昔からコンプレックスの塊のような人間でした。不器用で何やっても人並みにできない。ポンコツと言われ、周りと比べて落ち込む。
そんな自分でも、パワーリフティングの世界では楽しく挑戦することができています。手足の長さを生かし、デッドリフトは簡単に200kgオーバーを達成することができました。
また、強い選手も初心者も関係なく、全員がプラットフォームに立ち、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト各1分×3試技、平等に試技の機会が与えられます。
そして、パワーリフティングの魅力はもう一つあります。
それは、過去の自分との比較で、数字として記録が残ることです。そこに他人との比較は必要ありません。パワーリフティングに限らずフィットネスの楽しみ方は人それぞれで、強い人と比べて落ち込む必要も、誰かより優れていることを証明する必要もありません。
4.おわりに
パワーリフティングに出会ったことで、「社会にうまく馴染めなくても楽しめる場所はある」「他人と比べて落ち込む必要なんてない」ということを学びました。
フィットネスは、見た目を変えて周りから評価されるためにあるのではありません。
私は今でも、社会に馴染めるわけでも、要領よく生きられる人間ではありません。人間関係や仕事で悩むこともあります。
それでも、パワーリフティングという世界には、自分がありのままでいていいと思える場所がありました。
パワーリフティングで結果を出しても基本的にお金を稼げるようになるわけではありません。なんのためにやってるの?と言われることもあります。
それでも私は、過去の自分より強くなり、日々の鬱憤を晴らしてきました。
これからも他人からの評価ではなく、自分自身のために。
パワーリフティングを楽しみながら、重量というロマンに酔っていたいと思います。
