【銘柄分析】 レゾナック(4004)
今回は、レゾナック(証券コード:4004)について解説します。
レゾナックは、東証プライム市場に上場する機能性化学メーカーで、現在の時価総額は約3兆円です。
① 企業概要
レゾナック(旧:昭和電工)は、石油化学・無機化学・有機化学からエレクトロニクス材料まで幅広く手がける大手機能性化学メーカーです。
2020年に日立化成を買収し、2023年に現在の商号となりました。主力製品である垂直磁気記録方式のハードディスクや黒鉛電極、半導体用高純度ガスなどで世界トップシェアを誇ります。
現在は半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの4事業を軸に、次世代パワー半導体材料(SiC)や環境対応のケミカルリサイクルなどに注力しています。
また、半導体関連企業13社によるコンソーシアム「JOINT2」を構成するなど、後工程を中心とした半導体材料分野のイノベーションを強力に推進しています。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
② 株主構成
最新の有価証券報告書によると、レゾナックの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行で、2位の日本カストディ銀行と合わせると全体の4分の1以上を保有しています。
また、海外の機関投資家の保有比率も高く、国内外の機関投資家から高い関心を集めていることがうかがえます。

(同社の有報より引用)
③ 株主還元方針
レゾナックは、各事業年度の収益状況や今後の事業展開に備えるための内部留保を勘案し、配当を決定することを基本方針としております。
今期は年間65円(期末一括)の配当を予想しており、現時点の配当利回りは約0.4%です。なお、権利確定月は12月の年1回です。
④ 最後に簡単な企業分析
業績はボラティリティ高め
レゾナックの業績は、旧・昭和電工時代の2018年12月期に、中国の環境規制に伴う黒鉛電極の特需により過去最高益を達成しました。
しかし、その後は特需の剥落に加え、2020年のコロナ禍による市況悪化が重なり、同12月期には営業赤字に転落しています。
2021年12月期以降は、旧・日立化成の連結化により売上規模は大幅に拡大したものの、依然として半導体・電子材料やケミカルなどの市況に左右されやすく、総じて業績のボラティリティは高い傾向にあります。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
一方で、同社は近年、半導体・電子材料をコア事業と位置づけるとともに、非コア事業の売却による事業再編を断行することで、高付加価値な製品を提供する「機能性化学メーカー」への変貌を遂げつつあります。
足元では、かつての主力であった石油化学品事業を「クラサスケミカル」として分社化し、年内の上場に向けた準備を進めています。
「AI関連銘柄」として株価は5倍超に急騰
レゾナックの株価は、旧・日立化成の統合後も冴えない状態が長く続いていました。しかし、非コア事業の売却や半導体・電子材料へのシフトといった「選択と集中」を徹底したことで市場の評価は一変しました。
前期の利益水準(EPS)自体は最高益を記録した2018年12月期の半分未満に留まるものの、事業再編によるコングロマリット・ディスカウントの解消がマルチプル(PER)の拡大を牽引。
足元では「AI関連銘柄」として過去1年で5倍以上も急騰するなど、市場から極めて高い成長期待が寄せられています。
財務体質は一定の健全性を維持
レゾナックの財務体質について、自己資本比率は33.2%、ネットD/Eレシオは101.2%と、一定の健全性を維持しています。
日立化成を買収した2020年12月期には一時的に財務健全性が悪化しましたが、その後は自己資本比率やネットD/Eレシオといった各指標に改善傾向が見られます。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
キャッシュフローは安定的な拡大基調
レゾナックのキャッシュフロー(CF)は、旧・日立化成を買収した2020年12月期に大きな転換点を迎えています。
当時の買収額は1兆円に迫る規模であったため投資CFが急拡大した一方、同規模の借入金等の調達によって買収費用を賄いました。
その後のキャッシュフローは安定しており、本業の稼ぎを示す営業CFは、買収前と比べて2倍以上の水準にまで拡大しています。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
配当は統合後に据え置きが続く
旧・日立化成との統合後、レゾナックは成長投資や財務基盤の強化を優先していることから、配当は長らく年間65円での据え置きが続いています。
近年の株価急騰にともなって配当利回りは低下しており、現時点ではインカムゲインを主目的とした投資銘柄としては不向きであると言えます。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
株価急騰に見合う利益成長を遂げられるか
レゾナックは、半導体・電子材料への「選択と集中」によってコングロマリット・ディスカウントを解消し、「AI関連」のグロース銘柄として市場から高い期待を集めています。
実際、今期の第1四半期決算では、AI等の先端半導体向けに後工程材料の販売が大きく拡大。大幅な増収増益を達成し、上期業績の上方修正を発表するなど足元の業績は極めて堅調です。
現時点で通期予想は据え置かれているものの、旺盛なAI半導体需要の継続によるさらなる上振れへの期待は、すでに株価へ織り込まれつつあります。
一方で、今期の堅調な業績予想をもってしても、統合後の利益水準は過去最高(2018年12月期)の7割程度に留まるのが現状です。
現在の力強い上昇トレンドを維持し、市場の熱い期待に応え続けられるか。今後の四半期決算で示されるであろう着実な利益成長に、引き続き大きな注目が集まります。
※本記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。投資に関する決定は読者ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。

