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サスペンス型ノンフィクション小説『アーク・ザ・エンプレス』最終章まとめ

ついに最終章まとめまでやって参りました👏
そしていつも皆様スキ♡、フォロー、シェア、コメント等をして頂きありがとうございます!!

果たしてその結末はいかに⋯?!
翔太の悪はまた逃れ、美咲は敗北するのか?
それとも美咲や子供たち、協力者たちの努力は報われるのだろか?
今回のキーワードを発表します!
『山中』
『押収』
『解放』
それでは最終章まとめ始まります!

『アーク・ザ・エンプレス』
最終章 あなたはこの船に乗りますか?


その後翔太が逮捕されてる間に何回か警察に呼ばれることがありその度に調書を取ったり、色々と聞かれることが多かった。

私のところに翔太の職場に翔太と連絡がつかないと何件か連絡が入り困っていると店長さんから連絡が入った。
職場の従業員にまで翔太の件で迷惑はかけられないと思い、問い合わせの連絡が来たら私の電話番号を伝えてもらい話をすることに決めた。
何人かの方は連絡をくれて今現在逮捕されてることを伝えその人達は翔太にお金を貸してる人や借金を背負わされてる人が大半だった。
本人が出てきたら電話させると話しをし納得してもらった。
中には翔太と結婚する約束をしてる人もいた。

一体この男は何人と結婚するつもりでいたのか。
そんなんだったら一夫多妻制の許可が下りてる所へ移住して欲しいと思った。
それにしても取ってる金額があいつの恐ろしさを物語っていたのだ。 

そんな時山中から電話が来た。
「今警察から電話が来たんですけど翔太さん逮捕されたんですか?俺明日警察に呼ばれたんですよ⋯。あと翔太さん絡みの証拠がある場合は隠蔽などはせず必ず全て持って来てとも言われました。実は断れなくて頼まれたこと結構色々やってしまって。」

私は翔太から山中には逮捕されたことを伏せろと言われていて入院していると伝えていた。
しかし警察は翔太の関係者の一番近い人間は山中だと分かっていたようで直接連絡が入ったみたいだった。
今回の逮捕は詐欺ではないと言ってたから、傷害と強要であれば山中は関係ないと私自身も思っていたからだ。
でも警察から連絡が行ったのであれば逮捕されたことを隠す必要性もないし、逆に山中自身が翔太の件で知ってることを聞けば話してくるのではないかとも思い話して聞いてみた。

「翔太に山中には言うなって言われてたから言わなかったけど、そう逮捕されたの。傷害と強要でね。山中は何を翔太にやらされてたの?言われてたことってなに?このままだと山中が悪者になっちゃうよ。」

「はい⋯。かなりあります。持ってる情報や証拠は全て警察に提出します。」

「どういう証拠や情報なの?あいつは20日間で出てくるみたいだけど、私は翔太に言わないって約束するから教えてくれない?」

「⋯。もう自分はこれ以上翔太さんがやった責任を押し付けられるのも嫌だし、翔太さんとは一切関わらないと決めたので連絡も取りません。美咲さんを信じて全部話します。」

山中の知ってることとはこうだった。
①消費者カードを30枚ほど渡され支払いや引き出しなどを頼まれてやっていた。
そのカードは名前はバラバラだったが、聞き覚えのある人も中にはいた。
1人3枚〜5枚ぐらいまでカードを作らされて人それぞれ契約した場所はバラバラだった。
契約を一緒に行ってくれと頼まれてその人と行ったりやり方を教えたりをした。
職場は翔太の会社を使い、そこで働いていた山中が電話対応に追われた。

②住所を言われてそこへお金を預かりに行ったり、渡しに行ったりした。
女性も男性もあったと話すが、名前は知らない人も何人かいてただお金のやりとりだけを頼まれていた。
中にはキャッシュカードを預かりに行ったり、そこからお金を下ろしてこいと指示を受けて下ろしたともあった。

③キャバクラへ一緒に行っていた。
呼ばれたりすればそこの指定されたキャバクラへ行く事が多々あった。
ただ席は翔太がVIPルーム、山中は普通のテーブルで2タイムほどいてすぐ山中は帰された。
会計が結構行ってる予想は出来たが見たことはあまりなかった。

④弱いところにつけ込まれ反抗もできない。
(完全に洗脳されてたと私は見た。)
翔太の職場で働かせられた山中は給料はなく、ただ給料明細だけをもらいクレジットで生活をしていた。
クレジットは翔太が支払っていたそう。
「使いすぎ。」「キャッシング下ろしてこい。」
「ショッピング枠やキャッシング枠を増額しろ。」
などと言われて、以前不倫していたはるかの引っ越しの家電や家具も全て山中が支払ったとも言っていた。
反抗すると圧をかけられ怒鳴られ脅される。
「もうお金渡さないよ?」「嫌だったら言うことを聞け。」「親にバラすぞ」
親には迷惑をかけたくなかった山中は従うしかなかったと言っていた。
翔太の職場で働く前も山中は仕事をしていたが、全てお金は管理されお給料もなく自由もなくただこきを使われていた。
④独身設定に付き合わされ、口止めをされる。
不倫女のはるかや他の女性達、キャバクラ関係者一部の人達には独身や離婚調停中などの嘘に付き合わされてきた。
「本当のことは絶対はるかに言うな。」
「美咲に絶対言うな。」
「俺のことは話すな。」
「言ったらどうなるか分かってるよな?」
などと言われどうにも出来なかった。

ざっくり言うとこんな感じだった。
山中は山中でどうしようも出来ないループを何十年と居続けたことになる。
やはり山中も完全に洗脳されていたのだ。

翔太は近くにいる人間は本当に駒のように利用し、奴隷の様に扱う。
それがこの全てだった。

「この話は全て警察に明日呼ばれたので話してきます。それと持ってるカード類も全て持っていきます。」

「私も人のこと言えないけどそれ洗脳だよ。全て従わなければと思うのと、何かあったらすぐ翔太に言わなきゃって思うのは思考回路を乗っ取られてるからなんだよ。辛かったね。全部警察に話してもう翔太からは離れた方が良い。あいつと一緒にいても利用されるだけだし、山中も同罪になっちゃうよ。だからやめた方がいい。まだ逮捕されて翔太はいないから何かあったら電話して。」

「もう絶対関わりません。明日警察終わったら電話します。」
山中との電話が切れた。

真理奈と留美子さんに山中から来た電話の内容を報告した。
2人は警察は逮捕は傷害と強要だけど、それとは別に詐欺を追っているんじゃないかと言っていた。
これで山中の携帯が押収されれば詐欺を追っているのが分かるとも言ってたのだった。

翌日山中から報告の電話が来た。
夜の7時を回っていた。
山中は被疑者扱いとなる可能性が高いが起訴になるかどうかはまだ分からないといわれたそうだった。
その後何度も山中は警察に呼ばれ取り調べを受けたようだった。

そして翔太が保釈される日にちの前日の午後。
翔太に付いてる国選弁護士からわたしに電話が来た。
「明日釈放が決まりました。ただし処分保留という形での保釈になるそうです。お迎えに行っていただきたいのですが13時に警察署に行ってもらえますか?あと翔太さんが自分のバックも持ってきてほしいとの言付けです。よろしくお願いします。」

「分かりました。」

とうとう来た⋯。
明日保釈されてしまう。

それと同時に警察からも電話がきた。
「美咲さんとお話をしたいと県警の方が言っておりますのでお迎えの1時間前に来られますか?」
「分かりました。伺います。」

何を話すのだろう⋯?

そして夜ー。
山中から電話があった。
「すみません。今警察の人がうちに来て家宅捜索入ってるんですがこのまま携帯は押収すると言われたので連絡が取れなくなります。何かあったらお母さんの携帯から電話入れますので。警察の人が美咲さんになら目の前で電話して話してもいいと言われたので電話しました。よろしくお願いします。」

山中の携帯も釈放前日に押収された。
やはり警察は詐欺を追っている。
真理奈と留美子さんの言う通りだった。

2人に連絡し話した。
いよいよ明日翔太が戻ってくる。
また地獄が始まる。また帝国が始まるんだ。
でももしかしたら警察がこれだけ動いてくれてるなら捕まるのは早いかもしれないとも思いながら子どもたちとたくさん話して頑張ろうねと励まし合って寝た。
翔太の迎えの当日の朝。
車の中で翔太に怒鳴ってしまいそうになると思い子供たちにお迎え付き合ってほしいとお願いした。
蓮は体調が良くないようで自宅で待ってると言っていて、敬斗と莉子は付き合ってくれることになった。

ナビをセットし警察署へ向かう。
しかしセットしたナビの場所が間違ってしまっていて到着したのは約束した時間より少し過ぎてしまった。
余程私自身あいつに会いたくないんだと感じた。
無事に到着し翔太のバックを持ち、子どもたちは車で待機してもらって私は警察署の中へ向かった。

早速相談室へ通されて、初めて見る刑事さんが2名入ってきた。

「どうしてもお話をさせていただきたくて早めに来て頂きました。県警の村松と申します。旦那さんはもう着替えて隣の部屋で話をしている所です。今回は色々とご協力いただきましてありがとうございます。奥様の情報本当にすごかったです。助かりました。今回は傷害と強要の件は一旦処分保留と言う形をとって我々も総力を上げて詐欺を追って捜査をしています。出来れば今まで通り奥様にもご協力してもらいたいんです。また同じ状況に留まるのも⋯お気持ちは十分にお察しします。でも必ず逮捕したい気持ちは我々警察も同じ気持ちなんです。翔太さんにバレない程度で構いませんので、お金の流れや行動パターンなどの捜査のご協力をお願いしたいんです。奥様のご協力がどうしても今後必要となってくるので⋯。」

警察の人の本気度はとても伝わってきた。

「今度こそ捕まえてもらえるのであれば子どもたちや協力してくれてる人たちとまた頑張ってご協力させていただきたいです。ただ一つだけ質問いいですか?」

「もちろんです。何かありますか?」

「私や子どもたちは翔太に生活を見てもらうこともあるのですが⋯。それは私は共犯となるのでしょうか?状況を知りながら一緒にいるとなると気持ち的にはそっちも心配になってしまって⋯。ここで私がお金一切いらないとなれば翔太は怪しむと思うんです。」

「そこのご心配はしなくて大丈夫です。きちんとした婚姻関係があり、家族で住んでいる状況なので共犯とはなりません。安心してください。」

「必ず捕まえてください。その言葉を信じて私は待ちます。」

「必ず捕まえます。ただいつとかハッキリした日にちがいってあげられないのが苦しいところなんですが、そんなに待たせずにとだけ伝えておきます。信じて待っていてください。その代わり危険な目はやめてくださいね。翔太さんは勘が鋭いところもありますので。そのバックは翔太さんのものですか?」

「よろしくお願いします。そうです。昨日翔太の弁護士の先生から電話がありまして、その時に持ってくるように言われたので持参しました。」

「翔太さんに立ち合いをしてもらって中身の確認はします。とにかくバレないよう無茶はしないでくださいね。無理は禁物ですから。では隣の部屋へ入ってください。もう話も終わって待ってると思いますから。」
面談室を出て隣の部屋の前に立ちドアノブに手をかけたまま止まった。
(これを開けたらすぐそこにいるんだ。すごく憂鬱だ。とにかく逃げたい。けど負けたくない。)
気持ちが入り混ざって中々扉を開けられなかった。
深呼吸をしドアを開けた。

目の前には20日ぶりに見る翔太が座っていた。
私の目を見て
「よぉ。子どもは?」
「来てる。車の中にいる。これバック言われたから。」
先程話をした村松さんがそのバックに目を向けた。
「これ翔太さんの?中一応確認させてくれる?」

「捕まる朝に見せましたけどね、どうぞ。」

中にはキャバ嬢に買ったとみられる高級ブランドの領収書、飲み屋の領収書などが出てきた。

「財布の中もいい?」
村松さんが財布を指さして、翔太は開けて渡した。
「他人名義のキャッシュカードが入ってるぞ。これは返せないな。」

「これは頼まれて引き出してお金渡したんですよ。忙しくて下ろしに行く時間がないとかで。こんなんだったらバック持ってきてもらわなきゃよかった。中身確認しろよ。」

翔太は顔は笑っていたが、目が笑ってないことに気が付いた。
私に対して怒っているのも察した。
でもそれを村松さんも察してくれたようで
「お前が持ってきてって奥さんに言ったんだろ?奥さんはそれを聞いて持ってきただけなんだからそんなの責めるところ違うだろう。」
とガツンと言ってくれた。

「まー確かに。俺が頼んだんで仕方ないっすけど。気が利かないんですよ。こいつ。」

このまま帰ってやろうかと思った。
自宅からここまで一時間ちょっとかかる道のりを指定された時間に来て迎えに来てやったのにと怒りがこみ上げたが我慢した。

その他人名義のキャッシュカードは押収され、押収品として自分の名前を書いていた。

帰る前に念を押して警察に翔太は聞いていた。
「俺もう捕まらないですよね?朝から警察とかマジ勘弁なんで。子供もいますし。例えば詐欺とかの疑いとかかけられてないですよね?お金の貸し借りはありますよ?でも正直に俺全部話しましたから。」

「だったら今保釈なんかしないよ。悪いことはしないようにな。よいお年を。奥さんも気をつけてお帰りください。」

私は頭を下げ、翔太は段ボールを抱えながら私の車へ乗り込んだ。

「いやー。外出られらた。タバコ持ってきた?そこのコンビニ寄ってくれ。一旦携帯取られちゃったからまずは機種変したいから携帯ショップ連れてってくれ。」

「分かった。」

翔太は後ろを振り向き子どもたちに向かって笑いながら話しかけていた。
「パパ捕まっちゃってた。間違えて逮捕されちゃってただけだから。でももう出てきたから大丈夫だからね。心配したよね?会えなくて寂しかった?」
「全然淋しくもないし心配してないから大丈夫。」
莉子が苦笑いで対応していた。
顔は笑っているが目が笑っていない。
冷酷な顔をしていた。

コンビニに着くと、外でタバコを吸うからコーヒー買ってきてくれと頼まれて私は店内へ入った。
コーヒーを買って翔太へ渡した。
「悪かったな。そうだ!旅行でも行くか。飯でもいいし。常に夜はいるようにするから。」

いいことばかり並べて言ってくる翔太に呆れた。昔の私だったら簡単に喜んですべて許していただろう。
しかし今はもう昔の自分とは違う。
とっさに「もう離婚してよ。」と心の声が出てしまった。

「いやー。勘弁!マジで冗談きついって。誤認逮捕だったんだって。処分保留って聞いたろ?あれ証拠がないってことなんさ。週に一回は飯とか旅行行こうよ。さすがに悪いことしたから。」

「行かないし、連れてってもらわなくて結構。散々尻拭いはこっちがやって。職場の件もそう、あんたにお金を貸してるって人からの話も全て私と店長さんがやったの。あんたいい加減にしなよ。」

「とりあえず携帯ショップ行こう。その後床屋にも行きたいから予約して。もう一本吸ったら車行くから先に乗ってて。」

私は静かに車に乗った。
「あいつの態度ムカつくー!」
私は服を口に被せて叫んだ。
「ママ!大丈夫!うちらいるから!後で話し聞かせて。あいつの言ったことは聞き流しときな!」
莉子が励ましてくれて、隣の敬斗は大笑いしていた。
「あいつすごいよ。手のひらひっくり返したようにいいこと並べていってる。分かりやすいなぁ。とりあえずお母さんの機嫌取ればどうにかなると思って口だけで丸め込もうとしてるのよく分かるよね。」
敬斗があまりにも大笑いするからいつの間にか私も笑ってしまってた。
本当にそうだった。

また今日から戦いの日々が始まるー。

車に乗り込む翔太。
「もう一件コンビニどっか寄ってくれ。口座が使えるか調べたいんだ。何個かは調べるために凍結したって言ってたんだけど全部ではなさそうな気がして。」

私はすぐ近くのコンビニにまた停車した。
翔太は走って店内へ入りATMに向かった。

私はその間に子どもたちと話しながら真理奈と留美子さんに軽く状況と保釈されたことをメールで送信した。
「絶対あいつ夜出かけるよ。家にいられるわけがない。旅行?食事?都合のいい時だけ家族って使わないでほしいよ。」
莉子は私の話を聞いていてあいつは口だけなのをよく分かっているようだった。

「私も夜出かけると思う。出かけたらゆっくり話そう。」

そんな話をしていたら翔太が戻ってきた。
「一つだけ凍結されてない口座があった。家とか子ども関係の口座だからなのかな?少しだけお金入ってたから下ろしてきた。俺の口座見ても被害者なんかいないのに意味ないよな。バカだねー。警察も。床屋予約してくれた?そういえば山中はきてる?俺DV男の被害に合ってる知り合いがいて仲裁に入ったんだけど余りにも頭にきて殴っちゃったんだよ。それで傷害なんだよね。その子に慰謝料として金請求したら強要とも言われて逮捕。正当防衛張ったんだけどね。無理だったわ。」

「床屋はネットで予約しておいた。山中は全く連絡が取れなくなって家にも来てない。電話しても繋がらない。」

「分かった。えー。山中何やってんだよ。シカトかな。家知らないんだよな。お前覚えてる?」
「昔2回ぐらいしか行ったことないから知らない。あれだけ長く一緒にいたのに家知らないの?」
「覚えてない。どうしよう。山中にやってもらいたいこと結構あったのに。あのクソガキ。」

しばらく沈黙が走る中携帯ショップに向かった。

(こいつは山中が携帯押収されたこと知らないんだ。しかも家知らないって山中よかったねー。逮捕された理由はDV男を殴って傷害?慰謝料請求して強要?ウソばっかり。こいつはどこに行っても同じことをするだけ。やはり野放しはダメだ。)

しばらく走り携帯ショップに到着した。
「少し時間かかるかもしれないけど待機してて。その間に今日の夜飯行くから場所話し合って決めておいて。」
翔太は中へ入っていった。

「なんでうちらがパシリに使われなきゃいけないわけ?一回帰って自分の車で行けばいいじゃんね。」

「飯とか都合のいいこと言ってるけどその場しのぎの話だろうしな。信用出来ない。」
莉子と敬斗がプンプンしている。

「でもあいつは助手席に乗って携帯をいじると思うから莉子と敬斗にロックのパスワード見てほしいの。私には見えないように解除したりするんだろうから。夜も呼ばれたとかなんだかんだ理由付けて絶対出かけるからそうしたら行ってきなって出すことにする。警察の人にも俺捕まらないですか?って聞いてたよ。詐欺とかでって。だったら釈放しないよって警察に言われてもう安心したんだと思うよ。でも詐欺を追って捜査してるから協力して欲しいと私には言ってきたの。だからもう少しみんなで頑張ろうね。いつもありがとう。」

「分かった。でももし何か酷いこと言われたり、された時には警察に通報するからね!そこまでして我慢はもう必要ないんだから。」
莉子が私の後ろの席に来て肩を叩いてくれた。

真理奈と留美子さんも絶対あいつ夜いないよってメールで言っていた。みんな分かっている。
あいつが口だけ人間なのは。

メールしながら子どもたちと話して夕飯何作ろうかと相談していたら翔太が出てくるのが見えた。

「機種変更で1台は少し時間がかかって、もう1台は1時間以上かかるみたい。だから床屋のあとでいいや。とりあえず予約の時間になっちゃうから床屋向かってくれ。」

ロック画面を後ろから見てもらいたかったと悔しい思いをしながら一旦床屋へ向かった。

床屋へついて翔太が終わるのをまた待機した。
気付けば外は真っ暗になっていた。
年末近いからもう今年も本当に終わりだ。

そして床屋が終わるのを待っていようとしていたら店員さんがこちらへ向かってきた。
「突然申し訳ありません。あの1台目の機種変更は終わってるそうなので取りに行ってきてもらいたいとのことです。そしたらまたこちらに戻って待機しててほしいとご主人様からの伝言で。」

「わかりました。お手数おかけ致しました。」

頭を下げる車をまた携帯ショップへ戻る。
店内に入り顔見知りの人が私に気づいてくれて旦那さんの携帯ですよね?と言われた。
まだ出来上がってないらしく、もう少し時間がかかると言われてしまった為また床屋へ戻った。

翔太は終わったらしくすぐに出てきた。
「携帯は?」
「まだ時間かかるっていうから戻ってきた。戻るから受け取りに行ってきて。」

翔太を携帯ショップへ連れていきショップの袋をぶら下げて戻ってきた。

「あと1台はまだ時間かかるみたいだから俺色んな人に電話しながら戻るから後で取りに行ってくれ。あと山中にも電話してみて。」

翔太を携帯ショップで降ろし、私たちは自宅へ向かった。
途中翔太から電話が来て歩いてる様子だった。
「もう一台の携帯が出来上がったみたいなんだ。取りに行ってくれ。俺まだ中間辺りにいて帰れないから。よろしく。山中は?連絡ついた?」
「取りに行ってくる。私でも大丈夫なの?山中は連絡付かない。」
「嫁が取りに来るって話してあるから大丈夫だよ。俺も電話したけど電源入ってないんだよ。バックレかなー。明日まで待ってみるわ。あと、夜飯行こうって言ってたんだけど飲み屋関係者が俺の出所祝いパーティーをもう計画してくれてたらしくてさ。行かなきゃなんだけど、飯後でもいい?さすがに断れなくて。」

「こっちは大丈夫。行ってきて。じゃあ取りに行ってくるから。」

私は莉子と一緒に携帯ショップへ向かった。
向かう道中で翔太を見かけることはなかった。

ショップに到着し中へ入りまた先ほど話した店員さんが気付いてくれて携帯を渡してくれた。
その時に自分の細かいパスワードが記載されている紙も渡された。

お礼を言って車に戻った。
私が受け取ったのはメインの携帯ではなく、2台目の方だった。
もちろんパスワードはまだ設定されていなかった。

必要そうなものは全て見たが特にこれと言って必要そうなものはなかった。
ただSNSのパスワードやIDは先ほどの上に記入してあったからそれだけは写メを撮った。

自宅へ戻るとまだ翔太は帰っていなかった。

蓮が上から降りてきた。
あいつは?と不思議そうに聞いてきた。
事情を話すと
「絶対同じことまたやるよ。野放しはだめだよ。俺たちも協力するから頑張ろう。」
と支えてくれた。

寒いから今日は温かいものを作って食べようと話していたら鍋でいいんじゃない?と莉子が言った。
鍋を作り煮込んでいると翔太が帰ってきた。

「また鍋?!でも留置場の飯よりいいや。」
「出かけるんじゃなかったの?」
「腹減ったから飯は食って出かける。その前に汚いから風呂入りたいから湯船溜めてきて。」

「敬斗ー!風呂の準備!莉子ー!パパの着替え用意して!」

また殿様の日常が始まった。

その後も色んな人に
「国税が動いてるから貯金しないほうがいい。」
「税務署がうるさいから他人に預けたほうがいいとうちの顧問弁護士が言ってる。税理士が言ってる。」
などと言って続けてお金を取っていた。
携帯のロック解除はなんなくクリア出来た。
2台とも押収された携帯と同じパスワードだったからだった。
私はその電話の録音や写メなども全て真理奈や留美子さんに転送し警察へ細々届けてもらった。

特に出所してから洗脳を濃くかけられてたみきちゃんという女性は本当に翔太の言いなりになっている様子でこちら側はどうにもすることが出来なかった。
お金が入ればすぐにキャバクラへ行く。
豪快にシャンパンを沢山入れて全てバケツに流して終わり。そんな状態だった。
前と変わらない生活が始まったと思ったが、段々と夜も家にいることが多くなってきた。

お金が思うように入らなくなってきたのだ。
以前姉に翔太のお金の流れが止まれば翔太は終わるって聞いていたのを思い出した。

警察がこれで来てくれればと思うがそうは簡単にはいかなかった。
嫌な思いをしながら年が明けた。
新年早々翔太以外の私と子どもたちは見事に大風邪を引き寝正月を迎えたのだ。
私は咳と鼻水と微熱で、子どもたちは咳と熱だった。
年明け早々コロナウイルスの検査やインフルエンザの検査をしても陰性でただ咳止めと鎮痛剤をもらって帰るを繰り返していた。

2週間ほど経ちようやく治り始めてきた。
すると翔太にこんなことを言われた。
「美咲の口座教えてくれる?いつものネット銀行のやつ。」
「何に使うの?怖いんだけど。」
「貸してたお金を返してもらうのに俺口座凍結されちゃってるからお前の中に振り込みしてもらってそれを下ろしてきてほしい。それとそこのお金から振り込みもしてもらいたい。」
と言われたのだった。

ここで私が断るときっと翔太は気付く。
こういう時に限って何故か勘が鋭いのだ。
私は怪しまれたくない一心で口座を教えた。
この一連の流れは真理奈や留美子さんにも伝えてそれぞれの警察へ電話をしてもらい話はしてもらっておいた。

動けるようになってきた私は、久々に買い出しへ出かけることにした。
この時にはすでに翔太はお金がなく、家族カードも使えない現金もない状況だった為私が貯めていた貯金から切り崩していた。
翔太から電話がかかってきた。
「もうママの口座にお金が入ってると思うから振り込みしてくれ。3ヵ所ぐらいあるんだけど。頼む。」
「分かった。」
と伝えネット銀行を見てみると⋯
「何?!この金額⋯。」
120万も振り込まれていた。
依頼主の名前を見ると『オカネダヨ』だった。
わざと私には分からないように名前を変えさせたんだと分かった。

120万の内訳は翔太のクレジットカードなどの振り込み、翔太の職場の支払いであっという間に振り込まれた120万円は終わったのだ。
数日後子どもたちとショッピングモールへ行き、帰り道に翔太から電話が来た。
「またオカネダヨって人から返済されてると思うから引き出して現金持ってきて。あとどれぐらいで着く?」
「30分ぐらいで着くよ。」
「分かった。」
また振り込みされていた。今度は40万円だった。
それを引き出して自宅へ帰宅した。
翔太は私の帰りを今か今かと待っていたようでその現金を渡したらすぐに出かけていった。
あの出かける格好からしてキャバクラ!
と核心ついた私は翔太が出かけて1時間後にSNSをチェックした。やはりその通りだった。
すごい数のシャンパンを入れていた。
やはりお金が入るとすぐに持ってキャバクラへ行く。
完全にキャバクラ依存症だと思った。

翌日お金を返せと言ってる人たち何人かの人と電話をしていた。
「消費者のカードは山中が持って逃げた。」
「山中が預かったお金を管理してるから俺は知らない。」
「俺は捕まってたからどうにも出来なかったから罪はない。」
そんなことばっかり言っていた。
翔太は山中を悪者に仕立て上げ、責任を押し付けているようにしか私には聞こえなかった。

何度か翔太にバレないようこっそり山中に電話をかけたが電源が入っておらずまだ携帯は押収されたままのようだった。

見知らぬ消費者のカードが3枚と封筒に現金20万円が入ったものをカウンターの上に置いてあったのを見た。
どこかで翔太が預かって来たんだろうと思った。
その時に翔太に頼まれた。
「このカードの返済やってくれない?山中がバックレちゃったから俺一人じゃ無理だから。頼むよ。」
「私がやるの?あなたが管理するんでしょ?」
「そうなんだけど。山中いないから俺だけじゃ大変なんだよ。空気読んでよ。」
怒鳴られた。
とりあえず返済近くになったら言ってと言ってわざと誰でも見れる場所へ置いておいたのだった。

夜になり莉子と敬斗が夕ご飯を作ってくれるというからお願いして、私はお風呂掃除と2階の寝室の布団直しに行ったり来たりしていた。
すると翔太がリビングで電話をしていたらしく莉子から動画が送られてきた。
2階でそれを聞くと
「じゃあお店まで取りに行ってあげるよ。大金持ってるの怖いだろうから。じゃあ出るとき連絡するよ。」
私たちの寝室の下は洗面所になっている。
洗面所で水が出ている音がしているから出かけるんだろうと思った。

真理奈と留美子さんにメールして翔太の行動の報告を上げた。
絶対そのお金を持ってキャバクラへ行くとも思っていた。

私が下へ降りると、翔太は鼻歌を歌いながらリビングへ入ってきた。
「ママちょっと金貸してる人のところに呼ばれて行ってくるから。少し顔出したり呼ばれたりしてるけど、そんなに遅くならないからね。」
ルンルンで出かけていった。

車がいなくなるのを見張って家の鍵を閉めた。

蓮が2階から降りてきた。
「はぁ。一体いつになったら警察は逮捕してくれるんかなぁ?」
莉子がボソッと言った。

「あいつ本当に俺たちのこと奴隷だと思ってるよ。お母さんが犬の散歩に行ってる間、犬の毛が抜けてすごかったから掃除機頼まれたじゃん?そしたらあいつ電話しながら下降りてきて俺になんて言ったと思う?」
敬斗が怒っていた。
私たちはなんて言われたの?と聞いた。

「『あっ。ヘルパーさん!いつもありがとうございます。ここのお掃除もよろしくお願いしますね。』って言ったんだ!息子をヘルパーさん呼ばわり。そんな父親いないよ。日本語間違ってるし!」
みんなそれぞれがいいように利用され、奴隷扱いされて怒りと悔しさと憎しみと苦しみが入り交ざり爆発寸前であった。

みんなで夕食を食べお風呂を済ましてゆっくりしていた。
(私もこのままだと殺してしまいそうになる。早く捕まえに来てほしい⋯)
そんな風に思いながら毎晩ご先祖様にお願いしながら就寝した。

翌朝、寒くて目が覚めた。
隣に珍しく翔太がいびきをかいて眠っていた。
布団を全部持っていかれて寒くて仕方なかった。
莉子の布団に潜り込んでふと翔太の携帯が光っている。
キャバ嬢かなぁ?と思いながら見てみると見知らぬ番号が表示されていた。

翔太の携帯が切れたと思ったら今度は私の携帯にも電話が鳴った。
出ようと思ったがすぐに切れた。
その瞬間玄関をすごく大きな音で叩かれた。
「ドンドンドンドンドン!!!おーい。田川さん?」

慌てて起きて玄関へ行き鍵を開けた。
そこに立っていたのは警察だった。
それも20人を超える人数であった。

「美咲さん?朝早くにごめんね。県警本部です。」
見たことない刑事さんだった。
「翔太帰ってきてる?案内して。」
慌てて2階へ誘導し翔太が寝てるところを警察が叩き起こした。

「おい。おはよ。警察だよ。ちょっと下降りてきて。早くしろ。」
「え?!警察?!なんで?!」
翔太は寝ぼけているのか訳が分かってなかった。
2階の廊下を見渡すと以前話をした刑事さんもいて、釈放する前に話をした刑事さんたちもいた。
みんな私に深く頷いた。私は一瞬で分かった。
「"詐欺"で捕まるんだ。」
力が一気に抜けて腰が抜けてしまった。
以前お話した村松さんに支えてもらった。
「大丈夫てすか?詳しい話は担当の者から説明しますが、証拠が集まったので今日ご主人を詐欺で逮捕します。今回の逮捕は長期戦になると思います。ここまでお待たせしてすみません。今後のことはゆっくり考えて、出来れば離婚した方が良い。もうずっと辛い思いされてきたんだから。お子さんたちと自由に生きていってください。一旦ここで待機してて下さい。」

真理奈、留美子さん、昌次さんに警察が来て翔太逮捕されると連絡した。
私と子どもたちはようやくこの船から降りられた。
苦しい地獄から解放されたのだ。

ーー私の14年に及ぶ戦いは終わりを迎えたーー

翔太が手錠をかけてもらってるところを見て終わりにしたかったが逮捕は車の中で行うようでみれなかった。
連れて行かれる翔太は私を見てこんな事を言った。
「まーた誤認逮捕だからすぐ出てくるよ。待っててねー。じゃーねぇー!」
私が翔太の声を聞いたのがこれが最後で、これ以降声も顔も見ていない。

翌日「"金銭に不幸を招く菌"と嘘か。被害総額数億円か」
「トランプ占いで数億円の被害か」
などとの謳い文句の見出しで始まった新聞、ネットニュース、地上波のニュースにも取り上げれた。
逮捕当初本人は否認しているようだった。

この逮捕によって住んでいた家を出る為引っ越しや離婚などを忙しく駆け回り新しい生活を始めて慣れ始めたところである。

あの人は現在もまだ追起訴などの裁判を行っていると見に行ってる人から情報を聞く。
詐欺をしていたことを認めているとも聞いた。
だが私と子供達は一度も裁判や面会には行ってない。

もう逮捕されたから私の任務は終わったと思っているのと、きっとあいつの顔見たら感情が爆発して殺してしまうと思っている。
あいつの肩代わりの支払いが私に押し寄せてきたり、借金させられていたもの、私のクレジットカードを利用して高い買い物をした時の支払いなど⋯。
洗脳されてたから仕方ないと言われればその通りかと思います。
洗脳が解けても離婚しても手元に残ったのは借金や支払いの山でした。
この憎しみはどうにも消化はできない。
何度も星になりたいと思いました。

今も生活に追われ苦しい状況は変わりません。
でもその代わり離婚をし、あいつが目の前からいなくなった開放感と自由を手に入れました。

狭い家に子どもたちと犬とみんなで肩を寄せ合い懸命に一日一日を生きている。

この経験を通して洗脳の怖さ、詐欺の辛さを少しでも共感してくれる人がいること。
予防としてあなたの近くにいる人は大丈夫?と言う意味でもあり、一つの物語として書きました。

翔太は逮捕され幕を閉じました。
長い私のお話にお付き合い頂いてありがとうございました。


ここにて
『アーク・ザ・エンプレス
ーあなたはこの船に乗りますか?ー 完』

無事に最終章まとめ完結致しました。
この小説を読んでいただきありがとうございました。
スキ♡、フォロー、コメント、シェアお待ちしております🤗✨

翔太が逮捕されもうすぐ一年が経ちます。
逮捕された後も苦しい時間を過ごして来ましたが、最近ようやく私と子供たちは少しずつですが日常を取り戻しながら過ごしています。

この話しを書籍化にしたいと思っております。
ですがどうやったらいいのか未だに進むことが出来ずにおります。
アドバイスや何か書籍化に出来る方法など分かる方がおられましたらコメントやメッセージにてご一報頂けると幸いです。

そして次号2026年を迎えた私と子どもたちをお話したいと思います。

これからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願い致します🙇‍♀️


         翡翠🌼

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