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第七章3

「奥さん一応現場検証の立ち合いしてもらっていい?写真も撮りたいんだけど。」
鑑識の人と警察官に言われて廊下、リビング、浴室の立ち合いと写真を撮った。

浴室のズタズタに切り裂かれた網戸を見て怖くて仕方なかった。
一応2階の寝室も立ち合いをしたが、蓮も一緒に立ち合いをした。
蓮にも話を聞きたいと言ってパトカーの中へ呼ばれて行った。

気付けば自宅の周り全てにパトカー、覆面で取り囲まれている状態だった。

この時にも翔太の話は警察官には話した。
内容証明がたくさん来ていて、金銭トラブルがすごいこと悪いことをしているのではという疑問があることを伝えた。
しかし警察官の人に笑って返された。
「そこまで悪いことしてるなら今頃もう逮捕してるよ。考えすぎなんじゃないの?」
信じてもらえなかった。

一通り終わり警察関係者の方は全て帰った。

するとインターホンが鳴り画面を見ると山中が映っていた。
それとモニターが点滅していることに気がついた。

それは私たちが家を出た1分後に誰も映ってない状態の記録が残されていた。
自宅に誰かいるかの確認を犯人の人たちはしたのであろう。
蓮は2階の寝室にいた為、インターホンは聞こえていなかった。
誰もいないと思い侵入し、まさかの蓮がいたからヤバいと思って出ていったのかなとも思った。

山中に翔太はどうしたのかと尋ねた。
「警察の現場検証は終わったんですが⋯。会計してないとかでまた戻ってしまって。俺に先に戻ってろと言われたので自分だけ戻ってきた様な感じなんです。」
私が怒りをあらわにしていたからなのか、少し困った表情をしてオドオドしながら答えた山中。

「でもすぐ戻ってくると思います。会計終わったらすぐ帰るって言ってたので。」
慌てて修正しだした。

すると山中の携帯に翔太から着信が入った。
どうやら襲撃された車を自宅へ持って帰ってほしい、ブルーシートを買って貼っておいて欲しいとのことだった。

山中は車で行くと乗って帰ってこれないと言い出したので、私が送っていくことになった。
「翔太に伝えて。お前が今やるべきことはシャンパン開けることじゃないと。」

「⋯はい。分かりました。」

山中を降ろし、私は帰宅した。

そもそも大丈夫の一言もなければ、子供の心配もなし。
やはり私たちのことはただの駒なんだとハッキリわかった気がした。
頭に血が上って帰ってきたら怒鳴ってやろうと思ったが、全く帰ってこなかった。
山中が乗ってきた翔太の車は凄かった。
ガラスが車内に散乱してあった。
写真を撮って、子供たちと話していたら朝方5時を指していた。
なかなか寝付けずにみんないたが、いつの間にかみんな眠りについた。

翌朝8時すぎに起床するとソファを見ると大の字で寝ている山中を発見した。
翔太はまだ帰ってきてなかった。

外の窓から翔太の車を見てブルーシートに囲まれたあの高級車が昨日の出来事をまた思い出させた。

程なくして翔太は帰宅した。

「いやー。違う席のお客さんに気に入られちゃってなかなか帰してもらえなくて。盛り上がっちゃってさー。車見た?あれ絶対物取りだよな。あー。疲れた。着替え出しといて。風呂入ってくる。クタクタ。」

こんな奴が目の前にいたら誰だって殺意湧くと思う。
言葉にならない怒りがものすごい勢いでやってきたが我慢して堪えた。
我慢しないと理性は飛びそうだったから。
頭にくる度にまだ理性は飛ばず正気のままでいられるから大丈夫と言い聞かせて鎮める。
そうでないと、この男を目の前から滅殺したいと思ってしまうからだ。

深呼吸をし
「着替えここに出しておくから。」
と伝えた。
「はーい!〜♪」
こんな状況なのによく鼻歌を歌えるものだ。

携帯を探りたかったが、山中がいたから見れずにいた。

この日は山中は自宅に付きっきりでいた。
お陰で頭がおかしくなりそうだったから姉の家に子供を連れて出た。

昨日の出来事を話すと姉も怒りをあらわにしていた。
「子供が怖い思いしたのにね。何ていうのかな?何だかこっちからしてみるとありえないと思うことがあの人にとってみたら普通なんだよね。自分が先だろうし、自分しか可哀想じゃないから。他の人がどうなろうと関係ない。そこがまた腹が立つんだよね。蓮のメンタルが心配だよね。」

その通りだった。
しばらくここにいたら?と言われたが、子どもたちがそれを聞いていて
「ダメ!みんなで一つでも多くの証拠を撮り溜めて一番あいつが苦しい方法をするんだ。そう簡単に人生終わりにされたらたまったもんじゃない。俺は大丈夫だよ。俺たちにしてきたことは絶対に許せない。」
蓮は強く言っていた。
莉子と敬斗も深く頷いた。

帰宅するとブルーシートの高級車がなくなって、代わりにレンタカーが来ていた。

数日してもしばらく珍しく大人しく家にいることが多くなったブルーシート男。

夜に突然インターホンが鳴った。
莉子が画面を見ると若そうな男性だった。
山中かな?といいながら莉子がはい?と出るとあれ?間違えましたと言って帰って行った。

少し経ってまた同じ人がインターホンを押してきた。
今度は私が出た。

「はい。どちら様でしょうか?」

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