第六章3
「深田さんが手渡しで渡したとなれば証拠が薄いので被害届の受理は出来ません。内容も分かりますが、やはりちゃんとした証拠がある被害者がいないとこちらは動けません。一応記録には残しておきます。申し訳ありませんがお帰りください。」
私とふかやんは崖から突き落とされた気分になった。ここまで来たらやはり諦めきれない。
私は即色々と調べた。
ネットの中に管轄だと詐欺に遭ったと言っても相手にされなくてショックだったので県警本部に話したら管轄の警察署で被害届の受理をしてもらえたと書いてあった。
これだと思った。
ふかやんに話して、また県警本部にアポを取ってもらうよう言った。
もしかしたらこっちも県警本部に話せばまだどうにか出来るかもしれない。
ふかやんとは少しだけ話して解散した。
万が一翔太には本当にこのスーパーにいたと思わせるために少しだけ買い物して帰宅した。
帰宅してしばらくしたらふかやんからメールが来た。
「明後日県警本部とアポ取れたんだけど、みさちゃん来れる?また朝一なんだけど。どうかな?」
「とことんやってみよう。私も行くよ。」
即返した。
ここで事件として取り扱ってくれたら、翔太の悪事は止められる。本人さえ捕まってくれたら⋯。
洗脳されてる人を助けることが出来る。
どうしても張本人の存在を消さなければ洗脳は解くことは出来ないだろう。
捕まらない状態で洗脳されてる人に接近すれば全て水の泡になり終わる。
私とふかやんはどうにかして欲しい気持ちでトップにすがる思いでいた。
今日の出来事を昌次さんに電話で伝えた。
「やっぱり手渡しは無理なんだよなぁ。俺もそうだったし。証拠がなぁ⋯。とりあえずまた報告してくれ。」
また連絡しますと言って切った。
子どもたちにも夜話して伝えた。
もしかしたらこれでやっと解放されるんじゃないかと思い喜びで表情が緩んだ。
翔太が帰宅したのは翌朝の7時半過ぎだった。
しかし東京に予定があると言ってお風呂に入って用意してまたすぐに出かけた。
こんなタイミングが来てるからどうにかして欲しいと思いながら、神様お願いしますと心に言いながら子供たちを見送り私も家を出た。
しばらく車を走らせようやく着いた。
ふかやんはまだ来ていないようだった。
約束の時間になってもふかやんが来ない。
電話をかけたが出なかった。
違う方に停めたのかなと思い、中に入って受付の方に話をしたらまだ来ていないと言われた。
すると電話がかかってきた。
ふかやんだった。
「みさちゃんごめん。県警本部と間違えて違う警察署に来ちゃって話してきた。今向かってるからもう少し待ってて。ごめんね。」
「事故でもあったのかと思ったよ。大丈夫だよ。気を付けてきてね。」
しばらくしてふかやんが無事に到着し二人で中に入った。
受付に再度話をしたら担当の人が来るので待っててくださいと言われて待つことにした。
少し待って担当の刑事さんが来てくれた。
相談室に案内され、ふかやんが今までの経緯を話してくれた。
それを聞いた刑事さんは管轄にはもう一度話をしてくれることにはなったが、ここでは何も出来ないとキッパリ言われてまた絶望へ落とされた。
今回はいいところまで行ったのに、何でダメなんだろう。
やはり翔太の方が上なんだろうか。
ふかやんと駐車場で落ち込んだ。
どうにも出来ないこのもどかしさはどこへ持っていったらいいんだろうか。
また色々と考えて行こうと話しその場は解散した。
ショックのまま自宅へ帰宅した。
振り出しに戻された⋯そんな気がした。
まるで翔太に振り回されて、バカにされてる気がした。
やはりもう手立てがないんだろうか⋯
数日は落ち込み気持ちが一気に落ちてしまっていた。
しかしこの後私や翔太の今後を大きく左右する、ある人物から連絡が入るのだ⋯!
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