第五章5
私はイライラしながら帰宅を待っていた。
子どもたちは先に寝た。
いくら何でも、呑気に朝帰り出来ないって。
自分の親のことだよ。
気になるでしょうよ⋯。
一番わがままを言って困らせたのは俺だったって言ってたのも嘘か。
いても立ってもいられずソファーで横になろうかなと思ったとき帰ってきた。
「は?なんで起きてんの?先に寝てろよ。」
逆ギレされる私。
「あんたさ早く帰るって言ってたよね?お義母さんのこと気にならなの?」
「うーん。よく俺わかんないからそっちでやって。てか寝ろよ。そんなの言いたくてこんな時間まで起きてたの?気持ち悪いわ。」
我慢してたけどあたしは爆発した。
「あんたのお姉さんに昌次さんは電話して心配して話聞いてたよ!それなのにあんたは何してんの?お姉さんに電話した?お義母さんに代わって話ししてあげたの?人の命なんだと思ってんの?!気持ち悪いのはお前だよ。いい加減にしろ。人がどんな思いで病院行って泣いて帰ってきたと思ってんだよ。お前が一番迷惑かけてきたんだろ!だったら親孝行してやれよ!自分優先し過ぎなんだよ。何でもかんでもそっちでやってだの頼むよとかさ。お前がやるべきことだろうが。」
「俺はさ金稼ぎに行ってんの。遊んでるわけじゃなくて忙しいの。お前ら金かかってるから貧乏暇無しなの。俺なんて全然使ってないのにな。それにお母さんにはお小遣いあげてるから親孝行散々してやってるし。お金あげとけばあの人は喜ぶんだよ。俺に似てるから。お前は他人だろ?うちの身内に顔突っ込んでくるなよ。そういうところが嫌われるんだよ。感情ぶつけすぎ。ウザい。大体お母さんが病気になったのはお前が原因なんじゃねーの?お前が全部悪いんだよ。頭来たからまた出てくる。」
逆ギレして出ていった。
私のどこが悪いの?首突っ込みすぎ?
心配して何が悪いの?
やっぱりこいつ頭おかしいと思った。
話が通じない。
そこから一定の期間口は聞かなかった。
と言うか私が必要なこと以外は話さず無視していた。
翔太は機嫌取りしてきたが、無視した。
さすがに今回の件は許せなかった。
一人の人間としてありえないと思ったから。
しばらくして手術の日にちが確定した。
その日はお姉さんと昌次さんの奥さんと私で立ち会うことになった。
結構手術の時間もかかった。
取り切れるところは取れたと聞いて、お義母さんのところへ行った。
お姉さんの旦那さんも、昌次さんもお見舞いに来たのにあいつは来なかった。
挨拶して帰る時に翔太に電話したらガチャガチャうるさいところにいるようだった。
「手術終わったん?今パチンコいるから聞こえないからあとでいいよー。」
は?
パチンコ?
そういえば私が胸のところに良性腫瘍が見つかって手術するとなった時も手術中に翔太がパチンコ行ってくると言っていなくなったと私の両親が怒ってたことあったなぁ。
手術終わった後に顔出して、これから飲み会とかふざけたこと言ってそそくさと帰ってったなぁ。
お酒飲めないのに飲み会か。
そんな奴だから人の苦しみや心配になる気持ちなんてないんだろう。
そこから数回だけ無理矢理翔太をお義母さんの所へ行くよう促し行かせた。
それから少し経ってお母さんは亡くなった。
まだ61歳だった。
葬儀の時もみんなが悲しんでる中、翔太は
「お焼香って何?あれ舐めるん?」
「もう疲れたからタバコ吸いたいー。」
「一年忌ってなに?」
だの恥ずかしいことばかりを口にしていて、私は穴があったら入りたい気持ちになった。
この人は一般常識はないんだろう。
世間を知らないんだろう。
そんな人間に私は洗脳され、言うことを聞いていた。
恥だと思った。
翔太の決まり文句はいつもこの3つだった。
「文句言うならカード返せ。」
「生活費入れてやらないからな。」
「この家出ていけよ。」
昌次さんの存在は私の中ではありがたかった。
翔太を一番よく知る人物で、私や子供は身内だからと守ってもらった。
翔太の一件全てを改めてもう一度全部話した。
それを聞いた昌次さんはうちの管轄の警察に相談に行くと言って行ってくれたのだ。
ただやはり身内のトラブルとみなされ、警察は相手にしてくれないようだった。
ただ記録には残してくれるようだった。
また違う被害者がいてくれればと思いながら時を待った。
やはり一筋縄ではいかないか⋯
しかし次の日意外な人が自宅へやって来る。
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