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kiuchi
苦しみを味わい切った人ほど、しなやかに生きられる。
20代の頃、いいとこどりしたいとばかり考えていた。
恥ずかしい話だが、創作系のコンテストで、大きな賞をとってリッチになり名誉欲を満たす。
そんな夢想を続けていたのだ。
現実は厳しい。
社会に背を向け夢に逃げていた僕は、選択肢をどんどんなくす。
気づけば数年、家族以外の人間とは合わない日々が続いていた。
昼夜が逆転し、未来への不安で叫びたくなる。だが、何をすればいいかわからない。
地獄のような毎日だった。
もし今の僕が、当時の夢見がちが僕に一言伝えるとしたら何を告げるのか。
「ネガティブなことも、しっかり味わった方がいいよ」と伝えるにちがいない。
一発逆転を狙う人ほど、苦しみとの対峙が苦手だ。
こういう状態になると他責傾向が強まる。
しかし、改善すべきは外側ではなく内側なのだ。
強い憧れは、自分の劣等感の裏返しであることも多い。
30代、僕はライターになり依頼された仕事をすべて請け負った。
20代の頃なら「こんなの自分以外の誰かがやればいいのに」と思っていただろう。
しかし、本気で生きるようになると、そんな甘えは自然と捨てれていた。
現実を受け入れる。
これがいかに大切なことかを身を持って知った。
あなたの前にやってくる課題は、あなたを成長させてくれる女神だ。
苦しみを味わいきった先に、しなやかさが生まれる。
逃げなかった瞬間が積み重なり、あなたの中で根を張るだろう。
