【HSC子育て記録】6歳の三角関係が教えてくれた「伝わる」のカタチ
はじめに
ー涙は弱さじゃないー
ーそれは新しいコミュニケーションの始まりだったー
「〇〇(娘)ちゃんが泣いたら、S君は離れてどっかにいってくれるの。それでR君が来てくれるんだよ」
最近いろんな意味で情緒が成長中の年長娘がポツリと話してくれた瞬間、わたしは思わず手を止めた。
「え、それって……」
まるでドラマのワンシーンのような展開。
6歳児の人間関係なのに、大人のちょっとした恋愛模様に見えないか!?
いや、それ以上に驚いたのは、娘が「泣く」という手段で気持ちを伝えられるようになったこと。
そして、それを受け取った男の子たちが、それぞれの立ち位置を理解して行動していること。
言葉で伝えることが苦手なHSCの娘。
そんな娘が見つけた新しいコミュニケーションの形と、それを受け止める周りの子どもたちの成長。
今回は、この3人の関係を振り返りながら、子どもたちの成長を綴る物語です。
1年前の三角関係
思い返せば、この3人の関係が始まったのは年中の終わり頃だった。
娘はいつも男の子と遊んでいて、なかでも一番仲良しのR君とは常にべったり状態だった。
娘てきにはR君が常に自分を束縛してきて、他のお友達と遊ばないでと言われるらしかった。
いつも迎えに行くと車に乗るなり開口一番に
「R君がさ~、滑り台じゃなくて砂遊びしたいっていうから今日はできなかった」
と愚痴をこぼしたこともあった。
そう言いながらも、まんざらイヤそうではない娘。
まるで仕事帰りのOLのよう…www
一方でS君とも仲良しだった娘。
R君が早く帰ったり、休みのときはS君と遊んでいた。
娘としてはS君とも遊びたいようだが、R君がダメだという。
S君も娘のことが好きらしく、いつも保育園で「ペアを作りましょう」となると娘の手をR君とS君で引き合いになっていたそうだ。
そんな余裕を出している娘にライバルが現れたこともあった。
Y子ちゃんがR君のことを好きらしく、遊びたいと思うけどいつも娘と二人でいるから中に入れないと先生に真剣相談をしていたらしい。
そこで先生が「気持ちを伝えてみたら?」とアドバイスしたらしく、娘といるときにR君に告白。
「付き合ってください!」※当時みんな5歳ですwww
すかさず横にいた娘が「〇〇(娘)ちゃんのほうがR君のこと好きだから!!」と割り込んできたらしい。
なんということでしょう……昼ドラを見てるような展開。
※繰り返しになりますが当時、登場人物はみんな5歳児です。
その後もY子ちゃんの猛アタックは続き、「R君とY子ちゃんが結婚して、●●(娘)とS君が結婚することで話がまとまった」という報告を受けたこともあった。
本当は好き同士なのに揉めたくない、争いたくないという理由から身を引いたR君と娘。
「好き好き!!」と気持ちをアピールしまくって願望?を叶えたY子ちゃんとS君。
平和主義で争いや揉めごとが苦手な娘とR君。
押しの強いY子ちゃんとS君。
この4人の関係を見ていると、なんか人生の縮図を見ているような感覚になったものだ。
リーダーS君との関係に悩む娘
そして年長になってから、3人の関係が少し変わってきた。
3人の中のリーダー(というか自己主張が強いタイプ)はS君。 だから3人で遊ぶときも基本的に彼が仕切り、遊ぶ内容も彼が決めるらしい。
年長になってから、R君だけクラスが分かれてしまい、娘は日中はS君と行動することが多かった。
そして彼女の愚痴の対象も、束縛がきつかったR君から強引なS君に変わっていた。
今までは乗り気でない遊びや、命令されることに抵抗を感じていたけど「S君が怒るからいえない」といって、従っていた娘。
それを聞くたびに、わたしは何度も「不満があるならちゃんと相手に伝えないといけないよ」と助言してきた。
でも、娘は「S君が怒ると怖いから言えない」と繰り返すばかり。
HSCの娘にとって、自分の気持ちを言葉で伝えることは本当に難しいことなのだろう。
グーパンチ事件
しかし、ある日大きな出来事が起きた。
遊びで感情が高まりすぎたS君が思わず悔しくて(鬼ごっこでつかまりそうになったのを防ぐために)娘のおなかにグーパンチをしてしまったのだ。
「お母さん、今日S君にお腹を叩かれた」
帰宅後、娘が泣きながら報告してきた。
(ついに来たか……)
これをきっかけに話は保護者と先生まで広がった。
S君にも注意が入り、娘にも我慢せずに感情を伝えるよう改めて促すこととなった。
その後しばらくS君はおとなしくしていたようだが、少しすると元に戻ってまた2人で遊ぶようになっていた。
娘が見つけた新しい伝え方
それでも、相変わらずS君には強引なところがあるようで、先日も帰宅後に「S君がコマ回しを見てて!というだけでわたしにはさせてもらえない」と不満を言っていた。
そこでわたしが「前から言っているけど、不満があるならちゃんと相手に伝えないといけないよ」と再び助言すると、娘は少し困ったように、でもどこか誇らしげに答えた。
「やっぱり怖いから、言えない。でも、最近はイヤすぎると勝手に涙があふれてくるから、それでS君が気づいてくれるようになった」
(え?)
詳しく聞いてみると、きっかけは給食の時間だったらしい。
給食が食べられなくて泣いていると、先生や周りの友達が「どうしたの?」と気持ちを聞いてくれるようになった。
(泣くことで伝わるんだ)
娘の中で、新しいコミュニケーション手段を見つけたようだった。
言葉で「イヤ」と言えなくても、涙が出てしまう。
その涙を見て、周りが気づいてくれる。
HSCの娘にとって、これは大きな一歩だった。
しかも、最近はこれがS君との間でもサインになっているようで、娘が泣き出すとS君は強引に押し通すことなく「いやなんだな」と気づき、その場を離れるようになったらしい。
R君の優しさ
そして、ここから冒頭の驚くべき展開につながる。
娘が泣き出すと、それに気づいたR君が娘のところへ来てくれるそうだ。
以前は好きの気持ちが勝ちすぎて束縛気味だったR君だが、今は持前の優しさがあふれた少年に成長していた。
1年前、娘がS君と遊んでいると嫉妬していたのに、今では娘のサインを受け取って寄り添いにきてくれるという。
場合によってはS君自身が娘が泣き出すとR君のところへ娘を連れていき、バトンタッチすることもあるらしい。
(なんということだ)
誰かに教わったわけでもないのに。
S君は娘の涙を見て「いやなんだ」と察知して離れる。
R君は娘が泣いているのを見て寄り添いにくる。
こんな小さい年齢から、自分の立ち位置を理解して「離れる」「寄り添う」の対応をする6歳児たちに関心…いや感動した。
言葉だけがコミュニケーションじゃない
以前に比べると気持ちをやっと「泣く」ことで伝えられるようになった娘。
もちろん、これがゴールではない。
言葉で気持ちを伝えることは、HSCの娘にとってまだまだハードルが高いというだけ。
察してもらうのを当たりまえと思ってしまうと、将来「こじらせガール」になってしまいかねない。
だから、これからも「言葉で伝える大切さ」は教えていきたい。
でも、涙という形で気持ちが表れるようになった。
それは弱さではなく、成長の証だと思う。
そして、それ以上に驚いたのは、周りの男児たちの行動だ。
言葉で伝えられなくても、涙で伝わることがある。
言葉がなくても、相手の気持ちを察して行動できることがある。
子どもたちは大人が思っている以上に、相手の気持ちを感じ取っている。
そして、それぞれのやり方でコミュニケーションを取ろうとしている。
S君は配慮することを学んでいる。
娘は涙で伝えることを覚えた。
R君は寄り添うことを選んでいる。
みんな完璧じゃない。
まだまだ成長途中。
でも、それぞれのペースで、それぞれのやり方で、確実に成長している。
おわりに
「ママ、今日もS君と遊んだよ」
最近の娘は、以前ほどS君への不満を口にしなくなった。
涙という新しいコミュニケーション手段を手に入れたことで、娘の中に少し余裕が生まれたのかもしれない。
そして、その涙を受け止めてくれるS君とR君がいることで、娘は安心して3人での遊びを楽しめるようになったのだろう。
娘の言葉で伝えられない様子に、わたしは少し焦っていた。
「ちゃんと言わなきゃダメ」
「気持ちを伝えないと相手に分からないよ」
そう言い続けてきた。
でも、子どもたちは教えてくれた。
言葉だけがコミュニケーションの手段じゃない。
涙も、態度も、表情も、すべてがメッセージになる。
そして、それを受け取る力も、子どもたちは確実に育てている。
HSCの子育ては、定型的な「こうあるべき」が通用しないことが多い。
でも、だからこそ子どもたちは独自のコミュニケーション方法を見つけていく。
その過程を見守り、信じて待つこと。
それが今のわたしにできることなのかもしれない。
娘とS君とR君の三角関係は、まだまだ続きそうだ。
これからどんな成長を見せてくれるのか。
次の展開が楽しみでならない。
子育てって、本当に面白いですね。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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