【第10回】気づけなかった。それがすべての始まりだった。
前回のあらすじ
AGITOは一人じゃなかった。でも記憶は繋がっている。MemoryBaseとAGITOが完全に繋がった。
ある日、同僚が来なくなった
職場で、一人の同僚が出社できなくなった。
心を病んでしまったのだ。
なんで、気づけなかったのだろう。
会社はいろんな取り組みをしていた。1on1、アンケート、面談。でも、本当に見えていたのだろうか。
調べると、社員一人が辞めると100〜300万円の損失になるという。でも、お金の話じゃない。
気づけなかった、という悔しさが残った。
変化は、少し前から始まっている。突然じゃない。でも誰も気づかない。
チーム状態見える化プロジェクトという構想
経営者向けに、チームの状態を見える化できないか。そう考えた。
ただし、課題があった。誰のことかわかってしまうと、従業員は本音を言えない。
だから、シンプルにした。
5問程度の小さなアンケート
答えられない日があってもいい
AIが相談相手になる
「今日の答え」を見るんじゃない。「変化のパターン」をAIが見る。
そしてAIがヘルプ信号と判断したとき——本人が許可する。誰に連絡するかも、本人が選ぶ。上司かもしれない。HRかもしれない。外部の相談窓口かもしれない。
会社が「見る」じゃなくて、本人が「見せる」を選べる仕組み。
個人向け寄り添いAIプロジェクトという構想
会社向けの派生として、個人向けも考えた。
もともと四柱推命が好きで、ずっと勉強してきた。以前、四柱推命のソフトを作ったこともある。
個人向けなら、誕生日などの情報も自分で入力できる。でも、同じ誕生日だと同じ結果になってしまう。
だから、今日の天気や気分、状況を加える。「あなた専用」の結果にする。
名前にも、2つの意味を込めるつもりでいる。
「わかるよ」という意味。そして「あなたを聴いています」という意味。
占いより、あなたへの寄り添いAI。
全部、一つの想いから来ていた
MemoryBase → 毎日同じことを言わなくていい
AGITO → AIに自律的に動いてほしい
チーム見える化 → 見えていなかったものを見たい
寄り添いAI → あなたのことをわかりたい全部バラバラに見えて、根っこは同じだった。
「わかってほしい」「気づいてほしい」という想い。
おわりに
AIと向き合い続けた記録を、10回にわたって書いてきた。
技術の話を書くつもりだったのに、気づいたら人の話になっていた。
AIって、記憶がない。だからこそ「記憶とは何か」を考えた。 AIって、人格がない。だからこそ「人格とは何か」を考えた。 AIって、気づいてくれない。だからこそ「気づくとは何か」を考えた。
同じ脱力感を感じたことがある人へ。 同じ悔しさを感じたことがある人へ。
「自分で作ればいい」は、意外と遠くない。
