【掌編】ブラのホックが留められない
ひやりとした空気に触れられ、肌が粟立つ。背中に手を回す。
鏡に写る、痛みに歪んだ顔。疼き。
たすけて。……誰か、とめて。
息を潜めその一点に集中する。
瞳は空を映し、内側へ向かってゆく。
指先の触れる感覚を探り、辿る。
僅かに手応えを感じた刹那、指先から滑り落ちた。
「……」
なんと無防備なんだろう。どき、としながら、もういちどホックを探した。
指先とゆびさきが触れ合えない。
苦しい。
©KYOKUYA
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