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魔法が遅れて届く日


​窓辺に腰かけ、消えゆく残光を眺めている。

ふと、雲の隙間に淡く光る星を見つけた。

それは、誰かが「空にしまい忘れたもの」のように

昼の光に紛れて、ずっとそこにあったのだ。

​かつて、がむしゃらに願ったいくつもの祈り。

すぐには叶わず、記憶の隅で埃をかぶっていたそれらが、

長い旅を経て、今ようやく私の元へ舞い降りる。

まるで「魔法が遅れて届く日」が、今日だったみたいに。

​冷たい風に身をすくませて、

誰もが自分のことで精一杯だと思っていたけれど。

すれ違う見知らぬ誰かの会釈や、

街灯の下で温かな湯気をあげるコーヒーの匂い。

​見上げれば、世界は

私が「思っていたより、やさしい世界」だった。



#片桐みかんさん
#3つのお題に空想のひらめきを
#第31回

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