幻灯恋歌
蒼く沈んだ 水底の
星の欠片を 踏みしめて
貴方は 凛と そこに立つ
腰に差したる 守り刀は
過ぎ去りし日の
もののふの誇りか
私は 薄紅の 夢を纏い
桜の香を 夜風に 散らし
貴方の 掌へと 指を寄せる
重なる熱は 幻か うつつか
空には 氷の刃のような 三日月
足元には 砕け散った 星の飛沫
私たちは
時の外側へ 流された
淡い 光を纏う 迷い子
「行かないで」と 瞳で問えば
貴方は 憂いを含んだ 微笑みを返し
ただ 強く 握り返すだけ
夜が明ければ 貴方は 影に消え
私は 光の渦に 飲み込まれる
けれど この一瞬の 静寂こそが
二人の 永遠の すみか
さあ 波に揺れる 星々を数えましょう
夜と朝の 狭間で
この 銀河の渚が 消えてしまう前に

