濡れたランドセル
雨粒が世界の色を薄めていく
バス停の看板も遠くの街並みも
みんな水の中に沈んで
輪郭を失っていく
わたしの背中にある濡れたランドセルだけが
この淡い闇の中で痛いほど赤く光っている
明日になれば乾いてしまうのだろうか
破られた画用紙の絵
あの子に言われた棘のある言葉
水たまりに吸い込まれた
わたしの足元みたいに
全部なかったことにして
消えてしまえばいいのに
近づいてくるバスのライトが
降りしきる雨を
銀色の針のように照らし出す
その光はあたたかそうで
今のわたしには少しだけ眩しすぎる
帰らなきゃ、と思う
あたたかなスープがある明るい部屋へ
でも
この濡れたランドセルを背負ったまま
もう少しだけ
この冷たい雨の匂いに浸っていたい
「ただいま」を言った瞬間に
わたしがわたしでいられる時間は、終わってしまうから

#3つのお題に空想のひらめきを
#雨に濡れたランドセル
#片桐みかんさん企画
山根あきらさん、マガジン収録して下さりありがとうございますm(_ _)m🙏♥
片桐みかんさん、マガジン収録ありがとうございますm(_ _)m
山中サトシさん、マガジン収録ありがとうございますm(_ _)m
IKUMAMさん、わたしの記事をマガジン収録して下さりありがとうございました。
YasuhutoMorimotoさん、マガジン収録して下さりありがとうございますm(_ _)m
