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「感想:レフト イズ ライト 令夫人の忘れもの あるいは 裏切られた世代 Betrayed Generation」の巻

色々と創作大賞に絡んだ作品を読んでいる今日この頃ですが、今回は読み終わった作品の一つ「レフト イズ ライト 令夫人の忘れもの あるいは 裏切られた世代 Betrayed Generation」の感想を書いてみようかなと思います。

上村楽園さんという方の「レフト イズ ライト 令夫人の忘れもの あるいは 裏切られた世代 Betrayed Generation」という作品を読みました。

少し長いタイトルですが、このタイトルを見てもなかなかその内容を想像しづらいですよね。

メインとなる舞台はザ レフト ホテル神山というホテル。

このザ レフト ホテル神山というホテル、実は”左利き専用ホテル”ということになっています。そのようなコンセプトのホテルが実際に存在するのかわかりませんが、もし実在するならなかなか攻めたコンセプトですよね。

つまりは、お客さんを左利きの人に限定しているということだと思うんですが、この要素はゆるーく物語の進行を限定しています。

あえて”ゆるーく”と表現しましたが、一見とても大きなこの要素は、作品の中では少し霞んでしまうほどその他の気になるエピソードが複数あるんですね。

実はこの作品、様々な裏テーマともいえるものが複数存在していて、それに対する作者の問題意識が強く感じられる作品とも思えるわけです。

上村楽園さんのプロフィールを見ると、ミステリーとともに純文学がジャンルとして挙げられていますが、この作品はそのどちらの雰囲気もあります。

作品自体はミステリー仕立てになってはいますが、後半の令夫人の語りの部分なんかは、いわゆる昭和の文豪たちの作品の登場人物の語り口を彷彿とさせますし、段落をあまり区切らずに繋げていく文体もそれらの文学作品を連想させます。

物語はある女性のホテルでの忘れ物が発端になっているわけですが、ストーリーを追っていくと作者のその着眼点が非常に独特であることに気が付きます。

左利き専用ホテルが一つの舞台になっているところもそうですし、就職氷河期、ホームレス、家族問題などなど、あるときはミステリーが、あるときは純文学要素がというように、作品の中で前面に出てくる要素が変化していくんですね。

ストーリー自体も、一体どうしたらこのような話を思いつくのか、と思ってしまうほど、ストーリー、語り口ともに独特のものがあります。

社会問題的な部分も大きな要素だと思うんですが、アプローチが純文学的とでもいうんでしょうか、とても独特の物語、作品だと思いました。

私としては、ちょっと小栗虫太郎なんて人を連想してしまいました。

作品は創作大賞2025に応募されているようです。気になった方はぜひ読んでみてくださいね。


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