「たぶん、これでいい。」
昨日は朝からいつものように散歩に出かけた。
体を動かしながら阿曽の空気を感じ、家へ帰る。
途中、お寺の前を通ると住職さんとご家族に会い、「おはようございます」と朝の挨拶を交わした。
こういう何気ないやり取りが、なんだか一日の始まりを整えてくれる気がする。
午後からはCAPRI LAB.を開ける予定だったので、それまではのんびり過ごした。
CAPRI LAB.では、前回に引き続きルイボスティーの抽出実験。
今回は4分抽出で試してみた。
色の違いは正直よく分からない。
それでも実際にやってみないと分からないこともある。
1リットルほど作りながら、
「さて、どうしようかな」
と考えていた。
ふと、ひろしくんでも呼んでみようかと思い連絡を入れる。
すると、ひろしくんだけではなく別のお客さんも来てくれた。
結局、その日はCAPRI LAB.に3人のお客さんが来てくれた。
研究所のような小さな場所だけれど、人が来てくれて、コーヒーやお茶の話をしながら過ごす時間はなかなか楽しい。
ふらっと立ち寄ってもらえる場所として、CAPRI LAB.は今日ものんびり開いている。
そんな昨日だった。
そして今日。
昨日、お客さんとの会話の中で、
「散歩は朝ごはんを食べてからの方がいいですよ」
という話になった。
なるほどと思い、今日は少し順番を変えてみることにした。
朝ドラを見て、朝パンを食べてから散歩へ出発。
歩いていると、あちこちで声をかけてもらう。
こういう何気ない会話が嬉しい。
最終的にはたかゆきくんのところでカルピスまでごちそうになった。
散歩というより、地域のみなさんとの交流会みたいなものだ。
家へ帰ってからはハンドドリップでコーヒーを淹れた。
今日は休みのASO BASEを呼んで、一緒にコーヒーでも飲もうかと思ったが、なかなか連絡がつかない。
しばらくすると電話がかかってきた。
「今、歯医者なんさ」
とのこと。
なんや、そうやったんか。
思わず笑ってしまった。
昼になると妹がやって来た。
「お兄ちゃん、これ」
そう言って渡してくれたのは伊賀焼のコーヒーカップだった。
CAPRI LAB.とCapriccioで使えるようにと、りえと僕の分を買ってきてくれたらしい。
思いがけない贈り物だった。
コーヒーカップひとつなのに、なんだか嬉しい。
こういう気持ちはいくつになっても変わらないものだ。
そして今、僕はCAPRI LAB.にいる。
新しく仲間入りした伊賀焼のカップを並べ、お湯が沸くのを待ちながらのんびり過ごしている。
今日も特別な予定はない。
だけど、それも悪くない。
お湯が沸いたので、今度はルイボスティーを5分抽出で試してみることにした。
4分と5分でどれだけ違うのか。
実験というほど大げさなものではないが、こういう小さな違いを確かめるのが最近は楽しい。
やがて、アレクサがやさしく5分の経過を知らせてくれた。
では、と出来立てを一口。
──熱い。
とにかく熱い。
味がどうこう言う前に熱い。
何となく濃くなったような気もする。
香りも少し強くなったような気もする。
しかし正直なところ、まだよく分からない。
なにせ熱すぎるのである。
少し冷ましてから改めて飲んでみる。
そして今回の結論。
4分抽出と5分抽出の違いは、正直よく分からない。
なぜなら昨日の味を覚えていないからだ(笑)。
もし4分抽出と5分抽出を同時に並べて飲み比べれば違いが分かるかもしれない。
でも、一日違いで別々に飲んで比較するのはなかなか難しい。
たぶん研究者でも難しいんじゃないだろうか。
少なくとも僕には無理だ。
ただ、今日飲んだ限りでは少し濃くなったような気がする。
気のせいかもしれない。
でも、そう感じたのだからそれでいい。
数字やデータも大切だけれど、最後は自分がどう感じるか。
CAPRI LAB.らしい、ゆるい実験である。
これでいいのか?
まあ、これでいい。
何か大きなことをしたわけではない。
散歩をして、人と話して、コーヒーを淹れて、お茶を試して、新しいカップを眺める。
そんな何気ない一日だった。
でも、こういう日が案外好きだ。
今日もまた、ゆっくりと時間が流れていく。
