パワーコードから始めた私の「F攻略記」
ネットや教則本でよく目にしますよね。「Fの攻略法」や「こうすれば一発で鳴る!」といった魔法のような言葉。
でも、あえて正直に言わせてください。Fの壁を、現実的に一発で乗り越える魔法のような方法はありません。「いきなり突き放すなよ」という声が聞こえてきそうですが、これが本当のところなんです。
やっぱり、それなりの練習は必要です
ただ、乗り越え方は一つではありません。私はよく紹介されている「省略コード」を通らず、「パワーコードの延長」としてFを攻略しました。
ネットには他にもたくさんの方法があふれていますが、あくまで「一人のギタリストの経験談」として、参考にしていただければ幸いです。
1.パワーコードを弾きまくろう
Fの押さえ方ばかり練習していても、正直つまらないですよね。基礎練習も大事ですが、できないことを延々と続けるのはテンションが持ちません。
だから、もう曲を弾いちゃいましょう! パワーコードがあれば、楽しく曲を演奏することは可能です。ガンガン弾いて、「俺ってギター弾けてるじゃん!」といい意味で自分を勘違いさせて、音楽に浸ってください。
まずは、基本の「人差し指と薬指」のパワーコードから。


これができるようになったら、小指を足してみましょう。これもれっきとした、厚みのある「指3本のパワーコード」です。


さらに余裕が出てきたら、人差し指の腹で、下の1〜3弦に軽く触れる練習も混ぜてみてください。最初は音が出なくて大丈夫。「触れているだけ」でいいんです。

大切なのは、少しずつ。でもメインはあくまで「パワーコードで楽しく曲を弾くこと」。楽しみながら、じわじわと指を慣らしていきましょう。
2.パワーコード練習の代表曲
パワーコードで弾く曲といえば、やっぱりMONGOL800さん(モンパチ)の「小さな恋のうた」です。この曲は、ほぼパワーコードだけで最後まで駆け抜けることができます。
少し余談になりますが、この曲は本当に名曲ですよね。
スピッツさんの「チェリー」などもそうですが、時代を超えて愛される名曲というのは、意外と複雑でひねったことはやっていないものです。シンプルだからこそ、心に真っ直ぐ響くのかもしれません。
まずは、この「小さな恋のうた」をじっくり聴いて、その疾走感を堪能してみてください。
タブ譜のリンクを下に貼り付けておきます。書店で初心者向けギターの楽譜でも多く取り上げられています。
Piascoreなどでオンライン購入するもの一つの手です。
実際のところ、この曲はテンポが速いです。真面目に取り組もうとすると、ブリッジミュートが必要だったりと、それなりに大変な部分もあります。
でも、今は細かいことは抜きにしましょう!
先ほど書いた通り、まずは「なりきって弾く」ことが一番。音が多少ラフでも、止まらずにジャカジャカ弾くだけで最高に気持ちいいはずですよ。
弾けるようになったら突き詰めていきましょう。
3.中指を足してみよう
さて、少しずつ人差し指の腹で弦に触れる感覚には慣れてきたでしょうか。
いよいよ本題の「F」に挑戦です。
人差し指を寝かせて弦に触れる形ができたら、そこに中指を足してみましょう。
その状態で、人差し指の腹に少し力を込め、上から下まで全ての弦を押さえてジャラーンと弾いてみてください。


……どうでしょう。全部の弦で綺麗な音が出たでしょうか?
おそらく、音が出ない人の方が圧倒的に多いはずです。でも、それでいいんです。当たり前です。今まで生きてきて、手や指をそんな形に使ったことなんて一度もなかったはずですから。
ここは、少しだけ「我慢」の時間です。毎日少しずつ押さえて、指をフォームに慣らしていきましょう。もし嫌になったら、すぐに「小さな恋のうた」に戻ってテンションを上げてくださいね。
私も、ここが一番時間がかかりました。でもこの方法を続けるうちに、少しずつ、本当に少しずつですが「あ、あともうちょっとで鳴りそう……!」という感覚がつかめるようになっていきました。
よく「力を抜いて押さえるのがコツ」と言われますが、最初は力いっぱいになってしまっても仕方ありません。
ギター講師や教則本の言う通りに全てができるなら、9割の人は挫折なんてしません。
焦らなくて大丈夫。一歩ずつ、あなたの手と指をギターに馴染ませていきましょう。
4.Fの壁を乗り越えろ!!
私が全ての弦を綺麗に鳴らせるようになるまで、どれくらいかかったか……。正確には覚えていませんが、少なくとも2週間以上はかかったと思います。そこから曲に合わせてスムーズにコードチェンジできるようになるまでは、さらに長い時間が必要でした。
でも、苦労して「Fの形」を覚えると、その後の世界がガラッと変わります。
Fの形のままフレットを横にずらすだけで、GやAといった他のコードも弾けるようになるからです。いちいち新しい形を覚える必要がなくなります。
さらに、押さえる位置を1つ下の弦にずらせば、BmやCmといったコードも同じ感覚で押さえられるようになります。


実は私の場合、基本の「Cコード」を綺麗に鳴らす方が時間がかかりました。さらに言えば、Gのローコードは今でもパッと押さえられません(笑)。ほとんどFの形をずらして弾いています。
正解は一つではありません。「自分が楽に、楽しく弾ける形」を見つけることが、壁を乗り越える一番の近道です。
5.最後に……
不器用な私でも、なんとか壁を乗り越えることができました。
もちろん、最初から力を抜いてきっちり基礎を固める練習もあります。ベテランの方は、そちらを勧めることが多いかもしれません。
でも、何度も言うように、ギターは最初からヒーローのようにかっこよく弾ける楽器ではありません。ならば、とにかく楽しんでギターに触れ、弾いているうちに「あれっ、いつの間にか弾けてる!」という瞬間を待つ。そんなスタイルがあってもいいと思うのです。
「一音一画」、一歩ずつ積み上げていけば、必ず弾ける日が来ます。
焦らず、あなたのペースで。エンジョイ・ギターライフ!
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