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透明人間になっても、透が一番楽しんでた

「もしさ、透明人間になれたらどうする!?」
「透明人間?」
「体は透明で服が動いてるように見えるんだろうな」
「じゃあ裸になればいい!」
「え!?裸になるの!?」
「ちょっとそれは…」
「誰にも見えてないから問題なくね?」
「いや、ねー」
「ねー」
「じゃあ服着ててもいいけど、何やるよ?」
「私?うーん、何だろう?灯は何かある?」
「え!?透明人間にならなくてもいいんだけど」
「私も、見えないってなんか寂しいかな」
「せっかく透明人間になれたらなんかしないと面白くないだろ!?」
「いや、今が面白いから別にいいかな」
「ねー」
「蓮は?」
「透明人間になってやりたいのとねぇ、限定のケーキが買えなかったから買えるところに割り込もうかな!」
「それ、店員さんに見えないから買えないんじゃない?」
「へ?」
「バーカバーカ!」
「いや、朔が一緒に並ぶから問題なし!」
「じゃあ割り込みできなくない?」
「へ?」
「バーカバーカ!」
「いや、私が別で注意を惹きつけるからその時に朔がそっと割り込んで」
「注意惹きつけるって裸で?」
「蓮ちゃんはやることが過激ですなぁ」
「透明人間だったらでしょ!」
「ぐっ」
「朔の鳩尾にクリーンヒット」
「もし蓮が透明人間だったら朔、生き残れないね」
「り、り…」
「言えてないよ」
「理不尽すぎる…」
「何で透明人間になってまで朔を殴らないといけないのか!」
「まったくだ!俺はこいつに殴られるようなことはしてないぞ!?」
「『バーカバーカ!』って言ってた時に蓮が手を出さなかったのが不思議なくらいだったけど」
「近くにいたらやってた」
「物理的距離の問題だったんだ」
「透明人間になったら距離の問題無くなるよ」
「誰得なのよ」
「ところで、透は何やる?」
「は?俺?」
「また面白みのないこと言うぞ?」
「透明人間…だよな」
「うん」
「珍しく考えてる」
「うーん、どっちがいいんだろう」
「何で悩んでるの?」
「よし、蓮の部屋にいよう!」
「は!?」
「いや、『よし、蓮の部屋にいよう!』じゃないわ!私に何する気!?」
「まさか透、蓮をそんな目で」
「あ、それはない」
「それは喜んだらいいの?傷ついたらいいの?」
「ははは、ところで何で悩んでたの?」
「いや、蓮と灯だったらどっちが面白いんだろうと思って」
「私の部屋に来るつもりだったの!?」
「何するんだ?」
「ペンを落とす」
「は?」
「へ?」
「何それ?」
「それ、透明人間関係なくない?」
「いや、想像してみろよ。蓮が部屋でくつろいでたらペンがポトリと落ちるんだ」
「うん」
「蓮、お前なら落ちたペン、どうする?」
「いや、普通に戻すけど」
「だよな?」
「何がしたいんだ笑」
「そして忘れた頃くらいにまた落とす。ポトリと。」
「うん」
「一回二回じゃ何も変わらないかもだけど、続いたら蓮の顔、どうなると思う?」
「どうなるかな?」
「ポトリ」
「ん?ペンが落ちた?よいしょっと」
「数分後にまたポトリ」
「あれ?また?よいしょっと」
「数分後にまたポトリ」
「…何で?ムギ?何か感じる?」
「不安になってきてる笑」
「そしてまたポトリ」
「も、もう落としたままにしとこうか」
「そしたら本がボトッ!」
「ふぇ!?…え!?何で!?」
「そしてまた時間置いてボトッ」
「え!?え!?おお、お母さん!?お母さん!」
「怖がる蓮に注目がいくんだろうけど」
「これを全裸の透がやってるっていう」
「見えてたらそっちの方が怖いよね」
「乗っかってみたけど誰もこっちを見ていない件について」
「裸で蓮の部屋にいるって最初に聞いてるとそっちに意識がいっちゃうよね」
「何も知らせてなかったら蓮も灯もパニックになると思う。その様を見たい」
「私が部屋に居られなくなったら?」
「さあ?リビングでムギに抱きついてるんじゃね?」
「これ、灯だったら?」
「私だったら部屋に居られないかも」
「そしたら家においでよ」
「ありがとう、澪!」
「当然だけど俺もついていく」
「な゛!?」
「飽きたら元に戻る。特にこれやりたい!ってないし。」
「1番楽しんでたと思うけど」
「朔は?」
「ふふふ、透の怖がる顔、見たくね?」
「朔は透に何かやるのね」
「透が他のやつをびびらせに行くとは思わなかったけどな」
「私驚かされてばっかり嫌だし、朔と一緒に驚かせに行こうかな」
「何で見てくるの?」
「いや、何もやってなかったでしょ?」
「あ…、私も一緒に驚かせに行こうかな」
「はぁ、私も一緒に驚かせに行こうかな」
「全員で来た笑」
「覚悟!」
「みんな透明人間だからお互い見えてないよな?」
「へ?そうなの?」
「いや、たぶん見えてないでしょうね」
「で?どう来るの?」
「まずは幽霊なんとかみたいに本を落としたり部屋を荒らす!」
「ポルターガイスト現象な」
「これで透をびびらせる!」
「たぶんこれで1番ビビってるのは灯。次で澪」
『ガタガタガタガタ』
「戦力にならないすぎ」
「蓮もパニクってると思う」
「なんにょきょ、ごほん。なんのこちょだか」
「な?」
「実質俺1人かよ!?」
「騒がしいから部屋出るか」
「当然ついていく」
「気配感じるかな?」
「さあ?」
「公園までジョギング」
「ほう?」
「水分補給」
「公園に水飲み場あるもんね」
「水を周囲に噴射!」
「ぎゃ!」
「濡れて輪郭見えるから砂を浴びせる」
「いや、目痛いって!」
「これでおおよそ誰か見当がつく。背が高かったら朔。大体2人で行動してるから2人いたら澪と灯。背が低くて1人行動なら蓮」
「誰か分かったところでどうしようも」
「いいのか?お前、裸なんだぜ?」
「あ、水と砂浴びて輪郭も見えてる」
「女性陣はここですぐリタイアすると思う。しなかったら社会的に死ぬだけだ。お前は、どうする?」
「ぐぬぬ」
「蓮はどうする?」
「私は…」
「ちなみに朔は今全身濡れて砂まみれ。油で揚げる前の唐揚げ状態で全裸。もう、透けてるようで透けてないんだけど蓮もそうなる?」
「…いや、無理」
「勝ち」


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