【財務・会計】回収期間法(PP)
回収期間法(PP)
今回は、” 回収期間法(PP) ”についてです。
回収期間法(PP:Payback Period)とは、投資した資本を回収するまでにかかる期間を計算することで、投資の効率性を評価する指標の一つです。
回収期間法は、投資によって得られるキャッシュフロー(現金収入)が、初期投資額を回収するまでの期間を測ります。回収期間が短いほど、投資効率が良いと判断されます。計算が簡単で分かりやすいというメリットがある一方、回収期間以降の収益を考慮しない、貨幣の時間価値を考慮しないなどのデメリットも存在します。
回収期間の計算方法
回収期間は、以下の式で計算します。
回収期間 = 初期投資額 / 毎年のキャッシュフロー※ただし、毎年のキャッシュフローが一定でない場合は、キャッシュフローを累積していき、初期投資額に達するまでの期間を計算します。
例1:毎年のキャッシュフローが一定の場合
初期投資額:1000万円
毎年のキャッシュフロー:200万円
回収期間 = 1000万円 / 200万円 = 5年
この場合、投資回収期間は5年となります。
例2:毎年のキャッシュフローが一定でない場合

初期投資額が1000万円の場合、3年後には800万円、4年後には1100万円と、3年と4年の間に回収が完了することが分かります。より正確な回収期間を求めるには、以下の計算を行います。
回収期間 = 3年 + (1000万円 - 800万円) / 300万円 = 3年 + 0.67年 = 約3.67年
3年目までの累積キャッシュフローを初期投資額から引いて、残りの投資額と4年目のキャッシュフローから4年目の回収期間を求めています。
回収期間法のメリット
計算が簡単: 複雑な計算が不要で、誰でも簡単に理解できます。
分かりやすい: 投資回収までの期間が明確に示されるため、直感的に理解しやすいです。
リスク管理に役立つ: 短期間で回収できる投資は、リスクが比較的低いと判断できます。
回収期間法のデメリット
回収期間以降の収益を考慮しない: 回収期間が同じ投資案件でも、回収期間後の収益が大きく異なる場合がありますが、回収期間法ではその違いが考慮されません。
貨幣の時間価値を考慮しない: 現在の1万円と将来の1万円は価値が異なりますが、回収期間法ではその差(時間価値)が考慮されません。例えば、同じ回収期間の投資案件でも、早い時期にキャッシュフローが多く発生する方が実際には有利ですが、回収期間法では区別できません。
投資の収益性を総合的に評価できない: 回収期間は投資の効率性の一部を示すに過ぎず、収益性全体を評価するには、他の指標(正味現在価値、内部収益率など)と併用する必要があります。
まとめ
回収期間法は、投資の効率性を手軽に評価できる有用な指標です。しかし、その限界を理解し、他の指標と組み合わせて使用することで、より適切な投資判断を行うことができます。特に、長期的な投資や収益性を重視する場合には、正味現在価値法(NPV)や内部収益率法(IRR)などの他の評価指標と併用する必要があります。
復習問題(計算問題)
問題1
ある企業が新しい機械の導入を検討しています。この機械の導入には初期投資として5000万円が必要で、以下のキャッシュフローが予測されています。
1年目:1500万円
2年目:2000万円
3年目:1000万円
4年目:1500万円
この機械の投資回収期間を計算してください。
解答
問題1
回収期間を計算するためには、キャッシュフローを累積していき、初期投資額に達するまでの期間を求めます。
1年後:1500万円(累積:1500万円)
2年後:1500万円 + 2000万円 = 3500万円(累積:3500万円)
3年後:3500万円 + 1000万円 = 4500万円(累積:4500万円)
4年後:4500万円 + 1500万円 = 6000万円(累積:6000万円)
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