地域を舞台にビジネスをして結構儲けていいのか?
こんにちは。
株式会社HYAKUSHOの湯川でございます。
最近、トップ画像にある「UDOCAL〜地球視点でローカルを面白くする!」というイベントでファシリテーターとトーカーをやってきました。多種多様な登壇者と参加者のおかげでとても実りある時間になりました。
今回は、そのイベントの中での第二部「THEME SESSION Vol.1 地域・環境課題をビジネスで解決」で参加者の方から出た質問を掘り下げてみようと思います。

地域を舞台にして結構儲けることはいいのか?
参加者の方から出た質問を引用しておくと下記の通りです。
地域では儲けることへの忌避感が強いと感じています。儲けてはいけないような空気があるような。そういった空気感をどのように乗り越えていくべきか?
この問いは、地方でビジネスする上で、本質的な課題だと思いました。チャレンジしているからこそ出てくる問いだと思いました。質問を簡略化すると、「地域を舞台にビジネスをして結構儲けることはいいのか?※」でしょうか。
実際、聞き及ぶ話では、弊社がある香川県は「うどん県」として有名でして、県内に600店舗程度のうどん屋があります。うどん屋で儲けている会社のオーナーが高級輸入車を乗り回していると陰口叩かれるような世界もあるとかないとか。
皆さんはどうお考えになりますか?
私なりの考えも整理しておこうと思います。
※そもそも儲けないと持続性はないので、ボロ儲けみたいなイメージです。
視点①:そのビジネスは何によって支えられているのか?は大事
まず、地域でビジネスをするということは、少なからず地域資源を活用しているという点を抑えたいです。そして、その地域資源は事業をやっている会社、もしくはその代表だけでつくられたものではなく、子々孫々、地域の方々が時間をかけて丁寧に育んできたものです。
そのため、いま時間を使ってビジネスをしているのは自分なのだから、その地域の資源の成り立ちや現状支えている仕組みに対して関心を払うことは非常に重要です。
例えば、宿泊業はその典型例だと思います。
オーバーツーリズムの問題として整理されることも多いですが、本質的には、その地域が長い年月をかけて育んできた風土、歴史、習慣、思想などに対して敬意を払ってビジネスをできているのかどうかが重要です。
単純に、宿泊税を取ればOKという話もなさそうです。上澄だけを取るようなかたちでは、持続性はなくなると思います。
視点②:事業を実施する会社だけではなく、地域全体が良くなる設計
視点①とほぼ同じことなのですが、この視点②が地域でビジネスをすることの難易度を上げていると思います。
私も小さいながらも2つの会社を経営していますが、会社を持続させるだけで素晴らしいですし、雇用しているだけで社会への責任は果たしていると思います。それに加えて、地域への貢献として、何かしらの経済的、社会的な提供を地域へ返していくことはより事業を難しくさせる気もします。
ただ、ポイントは、このぐらい儲けたからこのぐらい払うべきという税金のような思想ではなく、ビジネスモデルの中に地域も一緒に良くなるように設計していくことかと思います。重要なのは金銭の多寡ではなく、思想だと思います。
例えば、北海道下川町での循環型の森林ビジネスは参考になります。詳しくはまた別途記事化したいと思いますが、森林に関するバリューチェーン(伐採・育林・加工・利用)を地域内で一体運営している点です。利益の一部を森林整備費に充てることで、持続可能な森林保全とビジネスを成り立たせています。
↑こちらでも概要を見ることができます。
まとめ
最近、高松の一等地と直島に香港系ホテルチェーン「マンダリンオリエンタルホテル」が出店することが決まりました。
今回の事例は、こういう事例をどのように捉えるのか?とも似ていると思います。瀬戸内という自然環境、アート県という無形資産は一体誰のものなのでしょうか?いまこの時代に生きている自分たちだけなのか、それとも作ってきた人々、これから生まれてくる人々のものなのでしょうか。
大切な視点は、循環をつくることだと思っています。
これまでつくってきた人々への敬意を持ち、次世代に渡すために持続可能な仕組み(ビジネスや政策)をつくることが必須なのだと思います。このことを理解できずに、ただ地域の資源を搾取するようなモデルをつくろうものなら、地域から理解されず、早晩持続可能なモデルにはならないと思います。
そうしたことを最初からビジネスモデルに組み込んでおくことで、地域で儲けることへ忌避感や非共感感は薄まっていくのだと思います。地域でビジネスを高いレベルで実施するには、より高い社会への関心や想いが事業づくりにとって重要だと思います。
そして、そうしたことに関心を寄せるために、地域でビジネスをする我々には教養が求められるのだと思います。
