オリジナル漫画「scope」原作-14
【吹星姉妹篇】VS違法ドラッグ組織(橙)第3話
条 「 違法ドラッグだと? 今のところ興味はねぇが、場合によっては放っておけんな。 」
瞬斗 「 ”場合によって” じゃねぇんだなぁ。 今後あんたに協力するとしたら、マスト案件だよ。 」
条 「 あ? てめぇ、クソ生意気なヤローだぜ。 …分かったよ、話してみろ。 」
数カ月前、裏マッチングアプリにて、闇への情報提供依頼として、吹星姉妹の投稿を見つけた瞬斗。 姉妹のサムネの画像を見て、一瞬で協力申請をする。マッチングが成立した吹星姉妹と瞬斗は、正式パートナとなり、日々交流をしていたのだが、違法ドラッグ組織に関する情報を調べている内に、デュラ・チャイナでの有力情報に辿り着いた。現在、その情報を元に、姉妹が潜入調査をしているという流れを説明する。
条 「 なるほど、でお前はその姉妹の事を心配してるって事だな? なら、良い手があるぜ。 ニヤっ 」
闇組織へのコンタクトを より確実にするため、ある芝居を打つ事を提案する条。 あまりにリスクが高い戦略のため、瞬斗は反発するも、闇の怖さを体現する条の威圧に屈して、言う通りにする事にした。作戦はこうだ。
■ わざと足跡がバレるように、闇サイトへのハッキングを繰り返し、荒らしまくる
■ 闇組織に特定された事を敢えて知らないフリをして、相手の罠にわざと掛かる
■ “ここ”と“もも”にはこの事を伝えず、相手の罠にはまる、囮になってもらう
■ 確実にコンタクトをした事を確認し、カウンターにて討伐する
【 回想終わり 】
“もも”が捕らえられた ビデオメッセージをハッキングして、同タイミングで見ている2人。
条 「 …よしっ、行くか 」
瞬斗 「 よしっ じゃねーよ! お前なぁー、こんな危険な囮捜査なんてあってたまるかよ! “ももち”に何かあったら許さねぇからな!! 」
条 「 で、お前も行くよな? どうせネットサーフィンばっかで、運動不足なんだろ? 」
瞬斗 「 草野球の練習行くみたいに軽く言うな! 闇の連中が相手だぞ…チッ! わーったよ! 行けばいいんだろ? 」
条 「 まぁ 草野球みてーなもんだよ、“撃て”ばいいんだ、特大のをな! おしっ 行くぞ! 」

予め、古太郎に頼んでおいたパーカーコートを羽織る2人。何故かニヤニヤしている瞬斗。
条 「 何、ニヤニヤしてんだ? キモチ悪ぃ 」
瞬斗 「 このコート、“ここち”がデザインしてんだぜ? 知らなかっただろ? 未来の名デザイナーさ! 」
< 姿見で着こなしを見ながらニヤニヤしてる >
条 「 そうなのか? という事は姉妹もオレと同じ被害者って事だな。放っておく訳にはいかねーか。 …てか、“ここち”とか“ももち”ってのやめろ 」
ホテルに止めていた条の愛車に乗り込む2人。 「海景電波塔 第4倉庫」へと向かう。
ここ 「 こんな時に、何で既読にならないんだよ! ったくあいつはさ。 まさか元々闇の人間じゃないよね…? 」
条のスタントマンばりの荒い運転に、“ここ”からの連絡に気付かない瞬斗。 泡を吹いている。< アワワワワ >
ここ 「 …助っ人は諦めるか。 急ごう、ももが心配だし。 」
< ブロロロロぉ~>目的地に向け、バイクを走らせる”ここ”。
… 遠くから見ている人影が!?
【 --- 場面転換して、ダークサイド/違法ドラッグ系闇企業(橙) --- 】
「海景電波塔 第4倉庫」 にて、“ここ”の到着を待つ、闇企業(橙)たち。闇企業(橙)は、ネット上にこそ本拠地はあるものの、全てフェイクの住所で、実際に会社は存在しない。 必要に応じて、この倉庫を海外マフィアとの取引の場として、または集会場として活用している。
違法ドラッグ系闇企業(橙)代表 : ゴウラク
ゴウラク 「 さてさて、お姉ちゃんはちゃんと来てくれるのかねぇ? クックク お前の出番は無いかもな、ヤッキー。 」
もも 「 ……………………。」
後ろ手に縛られた状態で、ゴウラクを険しい表情で睨み付けている。
ヤッキー 「 そうですねぇ、社長。 暴力は好きですけど、面倒なので無い方がイイっすわ。 ハッハハ 」 用心棒のヤッキー・ドゥードルだ。
違法ドラッグ系闇企業(橙)…昨今、急速的に増加する闇サイトを介した違法ドラッグの取引。その犯罪性とは裏原に、誰でも気軽に取引が出来てしまう簡便性から、街のごろつきだけでなく、大人しそうなサラリーマンから大学生、さらには、主婦にまで購入層の裾野が広がって来ていた。手口としては、初回購入者には格安にてドラッグを販売し、まずはドラッグにハマらせる。徐々に価格を引き上げ、最終的に購入出来ないぐらいの高額に。どうしても購入したければ、犯罪を犯してでも金を作って来いと強要する。半奴隷化させ、永久的に金銭を搾取するのが闇組織の目的である。日々のストレスから解放されようと、出来心で購入してしまったら最後、自身では決して抜け出せない沼にハマってしまい、その沼底にはドロドロの死のジェットコースターが最善席を空けて、スタンバイしている。
違法ドラッグによる闇事業が順調のため、倉庫内では、ゴウラクを含めた幹部連中がシャンパンで乾杯をしている。テーブルには豪華な料理が並んでおり、差し詰め既得権益がのさばる、富裕層のホームパーティーのようだ。 倉庫の外では、見張りを兼ねて、闇企業(橙)の構成員が複数たむろしている。
幹部 「 それにしても、この前研究所から送られて来た実験用のドラッグですが、えげつ無かったですねぇ。 何に使うつもりなんだか… 」
ゴウラク 「 あいつらは何を考えてるのか、常人の頭では理解出来んよ。 世のため、人のためって感じは皆無だな。」
幹部 「 まぁ、ドラッグ漬けにした末期の人間を、実験用の“道具”として売り飛ばしてるウチらが言うのもナンセンスですけどね。 ガッハハ 」
ゴウラク 「 使い物にならなくなったモノは廃棄する、世の常ってやつじゃねーか。 むしろ再利用してやってるんだから、ECOだろ? クックク 」
「海景電波塔 第4倉庫」へと車を走らせる、条と瞬斗。4輪のタイヤは畳まれ、地上から1mぐらいの低空を飛んでいる。
条 「 それにしても、お前がおっさんの孫で、あの『ケツアゴデス』のメンバーだったとはな。 …おい、聞いてんのか? 」
瞬斗 「 アワワワワワワ 」
条のアクロバティックドライブに泡を吹いている、瞬斗。
条 「 …… お前、前世カニだろ? 情けねぇ。こいつが世界的に有名な天才ハッカーとはねぇ 」< 急ブレーキで一旦車を止める。キー! >
瞬斗 「 …てめぇー! なんで真っすぐ走らせねぇでグルグル横回転させてんだよ!!横Gがハンパねぇ …うぷっ 」
条 「 人の好意にいちゃもんつけやがって。楽しかったろ? ニヤっ ところで『ケツアゴデス』ってのは、お前の他にもいるのか?」<真っすぐ走り出す>
瞬斗 「 何が好意だ、故意の間違いだろ。え? 『ケツアゴデス』が何だって? 他のメンバーは存在するけど、互いの詳細は何も知らないよ。」
条 「 ほぅ~ 他から見ても謎の集団、メンバー本人からしても謎の集団とはな。 内外ともに謎か …なんとも不気味な奴等だぜ。」
瞬斗 「 実際、オレも良く分からんのよねぇ。 …オヤジが元メンバーだったとか、噂は聞くんだけど、ジィちゃんが頑なに教えてくんねぇし。 」
条 「 ダセーな。 」
瞬斗 「 はぁ? 何がダセーんだ? お前みたいな変態ヤローにダセー呼ばわりされたく無いね。 」
条 「 その仮面。 」
瞬斗 「 !? …仮面かよ!世界的にレプリカが売られてる程の憧れの品になんて事を! これはなぁ、選ばれし者のみが被れる伝説の仮面だぞ!」
条 「 だってよー なんでアゴが割れてんの? 尻みたいじゃん。プッ ハッハハー 」
瞬斗 「 うっせー!勝手に被るな!返せ!!…お前には、このミステリアス且つ危険な匂いがする、仮面のセンスが分からねぇよ! 一生な! 」
わちゃわちゃと雑談をしている内に、中華街の中心地へとたどり着いた。到着するや否や、瞬斗のスマホがホワンホワンと音を立てて、点滅している。
瞬斗 「 おっと、近くに“ここち”がいるっぽいな。 GPSで居場所が分かる。 」
条 「 よしっ んじゃお前は観光でもして、ちょっと待ってろ。 ちょっぱやで色々探って来る。 」車を降り、廃ビルの屋上へと上がって行く、条。
瞬斗 「 待てってー! …言っても聞かねぇヤツってのは分かってるわ。 それにしても、深夜なのに普通に賑わってんなぁ。まさに、不夜城。」
廃ビルの屋上を飛び移りながら、街の様子を見て回る、条。 路地裏の端々に、ドラッグの売人と購入者らしき人影が見て取れる。煌びやかな表面とは違い、きっちりと裏面はドス黒い様子だ。 しばらく見回っていると、“ここ”らしき女の子がネットカフェから出て来るのを確認する。
条 「 ちゃんと治安が悪い街だなぁ …おっ あの娘じゃねーのか? ……ん!? 」
“ここ”らしき女性を、物陰から隠れるように見つめる人影が。
小石を拾って、怪しい人影に投げつける、条。< パチっ > 人影に当たり、こちらの屋上を見上げるような素振りを見せる人影、暗くて顔までは見えない。屋上から人影を見下ろし、とっさに黒豹型拳銃“ブラックパンサー961”を構える、条。 < !? >
<パンっ!>
条一狼の足元に被弾する弾丸。 弾は外れたが、尋常では無い冷や汗を掻いている。 < ブロロロロぉ~ > こちらに気付かず、バイクに乗り、この場を去って行く、“ここ”。
条 「 …おい! お前、何者だ!! ちょっと待ってろ! 」
“ブラックパンサー961” を下向きに構え、Jetの逆噴射を落下する重力に相殺させて、ビルの屋上から降りて来る、条。< シュボボボ > 飛び降りて来る
条を見るや否や、とっさに逃げる人影。< ドダダダダダっ > 土地勘があるのか、中華街の入り組んだ路地裏を巧みに逃げて行く人影。かなりの大柄な人影だが、スピードが異常に速い。中々追い付かない、条。
条 「 何だ ありゃ?? 図書館が服着て動いてるかのようにデカいのに、尋常じぇねぇ速さだ。 」
付かず離れずの距離感を保ちつつ、しばし追いかけっこは続き、次の路地裏を曲がったところで、捕まえた人影に拳銃を突きつける。 < ガバッ >
条 「 やっと捕まえたぞ! おい! ………あれっ 違ぇな。。 」
売人 「 ヒッ いきなりなんだよ… 勘弁してくれよ、オレはバイトなんだ。 」
条 「 お前じゃねーなー! まともに働け!クソがっ 」
< ズビッ >目潰しが炸裂する。痛みでのたうち回る売人。
裏SNSで闇バイトに登録している、下っ端の売人であった。 追っていた人影はと言うと、その大きさがまるで嘘だったかのように完全に姿を消してしまった。怪しい人影を完全に見失ってしまった条は、車へと戻り、瞬斗と合流する事に。
条 「 鬼ごっこで負けた記憶は、あんまねぇぞ。 チッ しかもあの巨体で… 本場のラガーマン? いやっラガーシャツを着せた図書館だな、ありゃ 」
そもそも、鬼ごっこのルールに勝ち負けがあるのか正直微妙ではあるが、条の中では完全敗北だったようだ。
瞬斗 「 おぉ 随分遅かったな。ところで“ここち”には会えたんだろうな? どこどこ? 」
助手席にて、両手に持ったフカヒレまんを頬張っている。
条 「 “ここ”らしき女は見かけたが、それを見つめる怪しい人影がいてな。…そいつを取り逃した。 」
瞬斗 「 はぁ? どう言う事だ!!“ここち”は無事なんだろうな?…怪しい人影って、闇の組織の人間か!? 」
条 「 うるせぇー! 誰だか知らねぇが、バカデカい図体であのスピード… あなどれねぇぞ、あの走る図書館。 」
瞬斗 「 図書館が何だって? …なんだか良く分かんないけど、この件、オレらも知らない得体の知れない怪しいヤツが絡んでるって事ね。」
条 「 そうだな。 新たな敵が増えるかもしれん。 お前も警戒しておけ。 …1個よこせっ 」
瞬斗の持つ、フカヒレまんを奪う、条。激高する瞬斗。
フカヒレまんを巡ったケンカをしながら、改めて 「海景電波塔 第4倉庫」へと車を走らせる、条と瞬斗。
――― ひとり、バイクにて 「海景電波塔 第4倉庫」へと向かう、“ここ”。急ぎつつも、おもむろにコンビニに立寄った。 < ウィーン >
ここ 「 助っ人がいないなら、何か使えそうなもの調達しとかなきゃね。 ん~ これで行くか。 」いつもの如く、棒付きキャンディーを咥えながら出て来た。
しばらく進むと、 道路標識に「海景電波塔 第4倉庫」の看板が出て来る。 まもなく指定された目的地が迫って来た。 湧き出る緊張感を置き去りにするため、さらにスピードを上げる、“ここ”。< ブロロロロぉー!! >ぶり返す恐怖心や少しの心配事も、夜風と共に体に沿って後方へと流れ去って行く。
ここ 「 さっきの倉庫と似てるなぁ。 あそこか。」
目的地周辺に到着する。 倉庫の外にて、見張りを兼ねてたむろしている、闇企業(橙)の構成員を確認すると、 バイクに積んでいる秘密兵器に被せてる布をバサッっと取り去る。

ここ 「 さっきは丸腰だったけどぉ 今度はちゃんと連れてくね! …容赦無く、ぶっ放したる 」
身の丈程はある白熊を模した、特大のバズーカを構えた。
白熊型拳銃 「 SHIROKUUMA-BZ 」
ここ 「 …って言っときながら、いきなりぶっ放したら気付かれるから、まずはこそっとね。ヒッヒヒ 」
“スキャナーマガジン”を親指で操作し、特殊弾丸を選択する 【 結氷弾(Frazil) 】
ここ 「 ゆっくり、ゆっくり、窓ガラスを曇らすような、吐息を吐くようにっと。」
地面に向けて、咆哮(Roaring)を力を抑えて放つ。< コーホー >銃口の白熊の口部分から出る凍える吐息が、徐々に地面をじっとりと凍らせて行く。
構成員たち 「 ん? なんだか寒くなって来ないか? 背筋がゾッとする感じ。 」ざわつく見張りの構成員たち。
ここ 「 よしよし、この辺は暗いし、まだバレて無いっしょ。 お次はこれいっちゃうよー 」
先程立寄ったコンビニで買った、数台のプリペイドスマホをガサっと取り出す。自分が持っているスマホをマスター機として他のスマホを遠隔で同時に操作する。
ここ 「 これこれ まだ開発中だから、あんま世に出回って無いんだよねぇ。ヒッヒヒ 」
ハロウィン用に開発途中のアプリ 「リアル・ゴースト」をインストールする、ここ。スマホの画面上6m66cmまで、3Dに浮き出る幽霊を投影できるエンタメアプリだ。液晶画面を上向きにして地面に置き、アプリを起動させる。次にそれぞれ適当な幽霊を選択し「出現」ボタンを押す。
< ボワン、ボワン、ボワン >
次々と浮き出て来る、死神や古来の幽霊、ゾンビたち。即席の幽霊軍団結成だ。
ここ 「 おっほ~ 出た、出た! 怖わっ エグっ 」
幽霊を出現させた複数のプリペイドスマホを、凍らせた地面に置き、スーっと構成員たちの方に向けて滑らせた。合わせてマスター機である自身のスマホをコントローラーとして使用し、プリペイドスマホを巧みに操作する。構成員の後ろから近づく、3Dの亡霊たち。
( つづく )
