こんな本を読んだ 『門』
比較的最近読んだ本の感想を、書下ろしで投稿しています。古い本が多いです。『安っさんのこんな本を読んだ』というマガジンにまとめます。
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『門』
昨年初めから始めた「漱石ぜんぶ読む」。主要小説を順に読んでいます。これまで読んだ本は、
吾輩は猫である、倫敦島、坊ちゃん、草枕、二百十日、野分、虞美人草、坑夫、文鳥、夢十夜、三四郎、それから、門
さて、以前投稿した『それから』に続き、今回は『門』を読んだ感想です。
前回では、主人公をボロクソに書きましたが、今回も主人公には共感できない。なんとも煮え切らない男です。
構造としては、友人の妻を奪い取ったという『それから』の続きのような物語です。もちろん登場人物や状況は違っています。それに、主人公は官吏という職業に就いていて、人目につかないように暮らしている。
その主人公が、妻の不調や、妻の前夫である友人との因縁で苦境におちいり、禅寺へ行くも悟りを開くこともできずという、情けない状態。それでもなんとなく破綻を迎えることもなく、平穏な日常に戻ってしまう。
しらべてみると、このとき漱石は大病をわずらっており、厳しい物語を続けることができなかったらしい。そりゃ、あんなつらい物語を書いていたら、胃も悪くなるわね。
が、しかし、この物語がなんとなくあたたかい雰囲気をもっているのは、奥さんの存在だと思う。登場回数も口数も多くないのに、やわらかい空気をまとっている。この物語のキーは、妻、または夫婦というものかもしれない。
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