こんな本を読んだ 『行人』 夏目漱石
比較的最近読んだ本の感想を投稿しています。古い本が多いです。『安っさんのこんな本を読んだ』というマガジンにまとめます。
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夏目漱石の『行人』を読みました。
昨年1月から始めた「漱石全部読む」。主要小説を順番に読んでいます。今回は『行人』を読了しました。
いつもの漱石らしく、ちょっと「変な」小説だが読ませる作品でした。漱石の中ではあまりメジャーではありませんが、ネットにはあらすじや解説もたくさん出てきますので、興味がある人はそちらをご覧ください。
なので、ここではあらすじは書きません。いくつかのエピソードの感想を書きます。
主人公(たぶん)次郎が、兄一郎の依頼で、嫂(兄嫁、一郎の奥さん)と一夜をともにするシーン。何もなかったのですが、「たいていの男は意気地なしね、いざとなると」といわれてしまいます。
これって、三四郎が上京するときと同じじゃない? 漱石って、このパターンが好きなのかな(私も好き)。漱石には数少ない色っぽいシーンのひとつです。
兄一郎が苦しんでいる原因は何か。いまの人には理解しにくい、あるいはありえない悩みなのかもしれない。精神状態としては、うつ病に近いのかもしれないが、ちょっと違う。
相当生きづらそうだが、最後には、生きつづけるのだろうという希望をいだかせる。
一朗の親友、Hがいいのですね。一郎との距離感がいい。小説の最終章では、一郎を旅行に連れていってくれる。最後に次郎に手紙を寄せてくる。
その手紙には、一郎の様子と悩みの詳細が書いてある。Hの一郎への近づきすぎない理解と共感、思いやりが一郎を救うことになると思う。
ところで、漱石のいままでの小説を通じてそうだが、女性の心理があまり描かれていない。兄嫁を代表として、その言動からおおよそは伺い知れるが、内なる声としての表現がない。逆に、謎めいていて、神秘的なところが魅力となるとは思うんだが、どうなんだろう。
この小説の明示されないキーワードが「こころ」であると思う。次の長編小説「こころ」につながるテーマであろうか。
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すみません。今、体力がなくてお返しのスキができておりません。ご了承くださいませ。
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