置換撲滅、毎週ショートショートnote、447字
自他共に認める絶世の美女。それが私。
私の悩みは、いつも同じだった。
お互いが好きになり、付き合いだす。最初は普通なのに、必ず途中で入れ替わる。
好きが、執着に。
連絡の頻度が増え、誰と会っているかを聞かれ、帰宅時間が遅いと不機嫌になる。
制限が、少しずつ生活を狭めていく。
他の男に取られまいとしているのだと、分かる。
耐えられなくなり、別れる。
それで終わらないのが、いつものパターン。
待ち伏せ、偶然を装った遭遇、SNSの監視。好きだった頃の面影は消え、残るのは所有欲だけ。
だから今回は、決めていた。
今度の彼では、失敗しない。好きが執着に置換されないようにする。置換撲滅。
私のことを好きすぎないクールな男を彼にした。
彼は穏やかで、距離を保ってくれた。監視もしないし、干渉もしない。お互いに独立した心。
成功だと思った。
しばらくして、彼が言った。
「君って、僕がいなくても、何も困らないよね」
その言葉で、ようやく気づいた。
私は、恋人を、友人に置換していた。
撲滅したはずの置換は、いつの間にか、私の側で起きていた。
