毒吐く南瓜(410字、毎週ショートショートnote裏お題)
「あきら、今年はちゃんと言えんのか?去年は、声がちっこくって聞こえなかったぞ」
「Trick or Treatだろ」
「ちっこいぞ。明日はもっと大きな声を出せよ」
そう言って友達は先に帰った。
振り向くと子猫が鳴いている。
「にゃあ」
あきらが近づくと猫は人間の言葉を喋った。
「おい、俺を飼えよ。俺は喋れるから色々と役に立つぜ」
「一人で大丈夫だよ」
「強がり」
次の日、あきらが南瓜を顔の形にくりぬくと子猫が中にするりと入った。
「さあ、行こうか」
あきらは友達と近所をまわる。
「おい、この家はあきらが行け」
あきらが南瓜を持って民家を訪れる。
「Trick or Treat?早くお菓子を出した方が身のためだぜ」南瓜の中の猫が喋った。
「ダメよ、毒を吐いたら。もっと上品に喋りなさい」その家の女性の足元の猫が言った。南瓜の口のところから顔を出していた子猫がつぶやいた。
「ママ」
お菓子をもらった帰り道。
「俺のおかげだぞ」
「強がり。もっと上品にね」
