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合戦バー、毎週ショートショートnote、410字
川中島の陣で上杉謙信の軍は、塩が尽きかけていた。暑さで汗が出て、消費量が激しかったことも災いした。
奇妙な荷が届いた。
木の棒に白い氷がついた、ひんやりとした菓子。包には合戦バーと書かれていた。
「毒が入っているやもしれぬ!」
「いいえ、銀皿に溶かしても変色なし!」
「毒見役がすでに三本食べ申した!」
謙信は、一番豪華に包装された一本を手に取った。
氷は甘く、冷たく、舌にじんと染みた。
しかし、食べ終えた棒を見た瞬間、謙信の目が細まった。棒には焼印で、当たり。
家臣が付属の紙を広げる。
「当たり景品は塩。当たりが出たら取りにこられよ」
甲斐国・武田信玄
謙信はしばし沈黙し、やがて笑った。
「面白い。施しではない、我が勝ち取ったものだと言っておる」
家臣が当たり棒を携えて武田陣へ走ると、信玄は大げさに驚いたふりをしてみせた。
「当たりか! それは珍しい! 塩を持て!」
このパラレルワールドの信玄は、めっちゃ粋だった。
