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警察県、毎週ショートショートnote、410字


神在月の出雲で神託が下った。

「この国で法を犯すものが増えている。もう少し規律が必要じゃ。島根県民は警察官となり犯罪を取り締まるのじゃ」

その日から県民総警察官制度ができて、警察県の歴史が始まった。

島根県民は、三歳から取り調べを学び、七歳で逮捕術を習得する。校庭にはミニ交番が建てられ、体育の授業には「職質走」が追加され、音楽では「正しい笛の吹き方」が重点指導項目になった。

それから数十年、島根県は完璧な秩序を保った。法を犯す者はことごとく検挙された。道にゴミを落とせば御神体の瞳が僅かに光った。

だが、再び神託が下った。
「警察県を廃止せよ」
あまりに真面目すぎたのだ。島根県人は。

問題が起きたのは、再び神在月が巡ってきたときだった。
出雲に集まる神々の中には、奔放な神も多い。

その夜、三十の神が取り調べを受け、うち十六柱が勾留された。出雲警察署が極秘裏に開発した神様専用結界式留置所にだ。
警察県は、神にとって都合が悪かったのだ。
(410文字)

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旧暦の10月──全国的には、神無月ですが、その月、全国の神様が出雲に集まるので、出雲では神在月と言います。

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