無人島生活福袋、毎週ショートショートnote、410字
会社の忘年会
幹事はビンゴゲームを始めた。
6番目に当たった。
「ビンゴ!」と叫んで、前に出る。商品の受け渡しを新入社員の木下若葉さんがやっている。人事部で採用か不採用かで揉めた子だ。
「これです」
満面の笑顔の木下さんから差し出されたものを受け取るために手を出す。
「うわ、バカ!他のに変えろ」
男性社員が割って入る。
「でも、先輩、6番はこれですよ」
間違っているのは先輩です、私は間違っていませんと言わんばかりに商品をさらに私の方へと差し出した。
その男性社員が司会に向かって腕をバツの形にしてアピールした。司会は気付かず、今までの当選者と同じ対応をする。
「では、箱を開けてみてください!」
箱を開けると、中には無人島生活福袋と書かれたリュックと紙が入っていた。
「辞令 無人島支店への左遷を命じる」
そして、わざわざ、社長である私の名前と正式な印まである。
木下さんが耳打ちする。
「やっていい事とダメな事の区別がつかない社員がいるようです」
(410字)
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