投資資金が無い個人のインフレ対策は2つだけ【貧乏家庭の物価上昇対策】
「投資なんてお金持ちの話でしょ」
「NISAやビットコインなんて、余裕のある人がやることだ」
――そう思っていませんか?
インフレ対策として株式投資や不動産投資、金の購入などがよく推奨されます。前回記事ではインフレはもはや不可避であり、インフレ対策が必要である旨を述べました。
しかし、現実問題として、毎月の生活費を捻出するだけで精一杯という家庭も多いでしょう。
給料日前には財布の中身が寂しくなり、貯金もままならない。そんな状況で「投資をしましょう」と言われても、正直なところ無理な話です。
僕だって非正規雇用労働者なので、そんなにお金の余裕があるわけではないです。
でも、諦める必要はありません。
投資する資金がない個人でも、これから訪れるインフレの波から身を守る方法は存在します。それも、特別な才能や運を必要としない、誰でも今日から始められる確実な方法です。
その方法とは、たった2つです。
対策①「徹底的な節約」と対策②「自給自足スキルの習得」です。
この2つの対策は、一見地味で魅力的に見えないかもしれません。
しかし、これらは確実にあなたの生活を守り、インフレという嵐の中でも生き延びるための強力な武器となります。投資で資産を増やすことができなくても、支出を減らし、必要なものを自分で賄えるようになれば、実質的な購買力の低下を最小限に抑えることができるのです。
なぜこの2つの対策がインフレ時代に効果的なのか
インフレとは「購買力の低下」である
まず、インフレの本質を理解しましょう。インフレとは、単に物価が上がることではありません。より正確に言えば、「同じ金額で買えるものが減っていく現象」です。
例えば、今まで1,000円で買えていたパンが1,200円になったとします。これは、あなたの持っている1,000円の価値が下がったということです。給料が上がらないのに物価だけが上昇すれば、実質的な生活水準は確実に下がります。
日本は食料自給率が約4割、エネルギー自給率が約1割という輸入依存国です。つまり、生活に必要なもののほとんどを海外から購入しています。円安が進めば、輸入コストが上昇し、スーパーの棚に並ぶ商品の価格は次々と値上がりしていきます。
このような状況下で、「給料を上げてほしい」「政府が何とかしてくれるはず」と期待しても現実は厳しいものです。賃金上昇が物価上昇に追いつくことは稀ですし、政府も効果的な対策は取れないでしょう。
自分でコントロールできることに集中する
投資で資産を増やすには、まず投資する資金が必要です。しかし、その資金を作り出すことができない状況では、別のアプローチが必要になります。
そこで重要になるのが、「支出を減らすこと」と「自分でできることを増やすこと」です。
収入を増やすことは簡単ではありません。転職や副業を考えても、すぐに実現できるとは限りませんし、確実に収入が増える保証もありません。
さらにこれからは本格的なAI失業時代になります。「物価はどんどん上がるのに給料は上がらないどころか仕事がクビになった」などという事態になることも想像に容易いでしょう。
一方、支出を減らすことは、自分の意思と行動次第で今日からでも始められます。
また、今まで外部に依存していたサービスを自分で賄えるようになれば、それは実質的な「支出削減」であり、「収入増加」と同じ効果をもたらします。月に3万円分のサービスを自分で代替できるようになれば、それは月給が3万円上がったのと同じ経済効果があるのです。
インフレ時代には「サービス」が最も高騰する
もう一つ重要な理由があります。インフレが進行すると、物の値段だけでなく、サービスの値段も上がります。特に日本のように少子高齢化が進む社会では、人手不足が深刻化し、人的サービスのコストは急激に上昇します。
電気工事、配管修理、家電の修理、ちょっとした建設作業――これらすべてに専門業者を呼べば、出張費だけで数千円、作業費を含めれば数万円がかかります。今でもそうですが、インフレが進めば、この費用はさらに跳ね上がるでしょう。
しかし、もしあなた自身がこれらのスキルを持っていたらどうでしょうか?材料費だけで済むようになります。これは単なる節約ではなく、インフレという経済環境の変化に対する強力な適応戦略なのです。
投資資金が無い個人のインフレ対策
〇対策①「徹底的な節約」:投資の原資を無理やりにでも絞り出す
節約と聞くと、「すでにやっている」「これ以上削れない」と思うかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?多くの人は、実は無駄な支出に気づいていないだけなのです。
固定費の見直しが最優先
節約の基本は、固定費の削減です。固定費とは、毎月必ず発生する支出のことで、家賃、通信費、保険料、サブスクリプションサービスなどが含まれます。
通信費の削減
大手キャリアから格安SIMに乗り換えるだけで、月額7,000円が2,000円になることもあります。これだけで年間6万円の節約です。「面倒くさい」「よく分からない」という理由で先延ばしにしている人は多いですが、実際にやってみれば手続きは意外と簡単です。
保険の見直し
必要以上の保険に入っていませんか?特に貯蓄型保険や不要な特約は、見直しの余地が大きい分野です。独身なのに高額な死亡保障をかけている、すでに十分な貯蓄があるのに医療保険に複数加入している――こういったケースは珍しくありません。保険料を月5,000円削減できれば、年間6万円の節約になります。
サブスクリプションの整理
動画配信サービス、音楽配信サービス、オンラインストレージ、会員制サービス――これらを合計すると、月に数千円から1万円以上になっていることもあります。本当に使っているものだけに絞りましょう。使用頻度が月に数回程度なら、解約して必要なときだけレンタルする方が経済的です。
変動費の削減も重要
固定費の次は、変動費です。食費、光熱費、交際費、娯楽費など、月によって金額が変わる支出です。
食費の最適化
外食を減らし、自炊を増やすことは基本ですが、さらに踏み込んだ工夫も可能です。業務用スーパーを活用する、旬の食材を選ぶ、まとめ買いで割引を狙う、食材を無駄なく使い切るレシピを学ぶなど、創意工夫の余地は大きいです。
週に2回だった外食を月に1回にするだけで、月に数千円から1万円程度の節約になります。年間では10万円以上の差になることもあります。
光熱費の削減
電力会社を見直す、不要な照明をこまめに消す、エアコンの設定温度を見直す、待機電力をカットする――小さな積み重ねが大きな差を生みます。
特に効果的なのは、電力会社の切り替えです。電力自由化以降、多くの新電力会社が参入しており、条件次第では月に1,000円以上安くなることもあります。
娯楽費の再考
娯楽を完全にゼロにする必要はありませんが、「本当に価値があるか」を自問することは重要です。毎週末に映画を見に行く習慣があるなら、月に1回に減らしてはどうでしょうか。その代わりに図書館で本を借りる、無料の公園を散歩するなど、お金をかけない楽しみ方もあります。
「無理やりにでも」投資の原資を作る覚悟
ここまでの節約を徹底すれば、月に2万円から5万円程度の余剰資金を生み出すことは十分可能です。年間では24万円から60万円になります。
この資金があれば、つみたてNISAで月に3万円を投資に回すことができます。残りは緊急時の貯蓄や、次に説明する「自給自足スキル」の習得費用に充てることができます。
「それでもお金が足りない」という場合は、さらに踏み込んだ節約が必要かもしれません。例えば、車を手放す、家賃の安い場所に引っ越す、趣味の道具を売却するなど、大きな決断が必要になることもあります。
しかし、インフレの嵐が来たとき、準備していなかった人は確実に苦しみます。
〇対策②「自給自足スキル」:生き残りの武器を手に入れる
節約で支出を減らすことも重要ですが、それだけでは不十分です。なぜなら、インフレが進めば、節約しても追いつかないほど物価が上昇する可能性があるからです。
そこで必要になるのが、「自分でできることを増やす」という戦略です。生活に必要なモノやサービスを買わずに全て自分で賄えれば貧乏人でもインフレ時代に生き残れます。
電気工事スキル:第二種電気工事士の資格
電気工事士2種合格したーーー!
— Q | 限界集落での田舎暮らし (@yamashitasan_Q) January 22, 2021
これでコンセント増設出来まくる!
雪溶けたら、ソーラー発電しよー
先走って買ったソーラーパネルがさっき届いて、あとは設置するだけ。
早く雪溶けろ〜
ps
無くして探し回っていた受験票は、ピザマシーンの下から発見されました。
整理整頓大事#電気工事士2種 pic.twitter.com/0liLrvVkFO
電気のトラブルは、家庭で頻繁に発生します。コンセントが使えなくなった、照明器具を交換したい、スイッチが壊れた――こういった問題が起きたとき、通常は電気工事士を呼ぶことになります。
しかし、出張費と作業費を合わせると、簡単な作業でも1万円から2万円かかることが多いです。インフレが進めば、この費用はさらに高額になるでしょう。
第二種電気工事士の資格を取得すれば、家庭内の電気工事を自分で行うことができるようになります。コンセントの増設、照明器具の交換、スイッチの修理など、基本的な電気工事は自分で対応可能になります。
この資格は、独学でも取得可能です。テキスト代と受験料を合わせても2万円程度、勉強期間は3ヶ月から6ヶ月程度です。一度取得すれば一生使えるスキルですから、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
また、この資格があれば、副業として電気工事を請け負うこともできます。友人や知人から依頼を受けて小遣い稼ぎをすることも可能です。AIが家庭の工事をできるようになるまで進歩するにはまだしばらく時間がかかるででしょう。
AI時代&インフレ時代には、こういった実用的なスキルの価値は非常に高くなります。
建設・修繕スキル:モルタル工事や簡単な大工仕事
実は費用節約の為10月から定休日は全て2人で解体から設計、産廃運搬までやりました。完全スケルトンの状態から業者さんに厨房、壁、床モルタル、耐震補強、カウンター製作、エアコン取付までお願いしその後塗装含む仕上げは自分たちで!DIYで店作りたい人相談乗ります! pic.twitter.com/g9820jxLCV
— 中華そばことぶきや (@kotobukiya_mito) August 18, 2024
家の外壁にひびが入った、ちょっとした補修が必要になった、トイレが水漏れで壊れたので直したい、棚を作りたい――こういった場面で、業者に依頼すれば数万円から数十万円の費用がかかります。
しかし、基本的な建設スキルがあれば、多くのことを自分でできるようになります。
モルタル工事は、外壁の補修やちょっとした段差の修正などに使えます。材料費は数千円程度ですが、業者に頼めば数万円かかることもあります。YouTubeや書籍で基本を学び、実際に小さなプロジェクトから始めてみましょう。
大工仕事も同様です。棚の作成、簡単な家具の修理、ドアの調整など、基本的な工具の使い方を覚えれば、多くのことが自分でできるようになります。ホームセンターでは、初心者向けのDIY教室が開催されていることもあるので、積極的に参加してみましょう。
農業スキル:家庭菜園で食費を削減
インフレの影響を最も受けやすいのが食料品です。輸入に依存している日本では、円安になれば食品価格は確実に上昇します。
家庭菜園を始めることで、この影響を少しでも緩和できます。
「庭がないから無理」と思うかもしれませんが、ベランダでもプランター栽培は可能です。トマト、キュウリ、ナス、ハーブ類など、比較的簡単に育てられる野菜は多くあります。
本格的に取り組むなら、市民農園を借りるという選択肢もあります。年間数千円から1万円程度で、数十平方メートルの畑を借りることができる自治体も多いです。
週末に畑仕事をすることで、ストレス解消にもなりますし、採れたての新鮮な野菜を食べられる喜びもあります。そして何より、食費の削減に直結します。
家庭菜園で月に5,000円分の野菜を収穫できれば、年間で6万円の節約になります。これは、非課税の「収入」と同じ価値があります。
修理スキル:家電や日用品や水回りなどを自分で直す
家電が壊れたとき、多くの人はすぐに新しいものを買うか、メーカーに修理を依頼します。しかし、修理費用は高額で、場合によっては新品を買うのとあまり変わらない金額になることもあります。
基本的な修理スキルがあれば、自分で直せるケースは意外と多いものです。
掃除機の吸引力が落ちた場合、フィルターの清掃やホースの詰まり除去で解決することがあります。洗濯機が動かない場合、排水ホースの詰まりや電源コードの接続不良が原因のこともあります。
インターネットで検索すれば、多くの家電の修理方法が見つかります。必要な工具も、基本的なドライバーセットやペンチがあれば対応できることが多いです。
トイレの水漏れや流れが悪くなるトラブルも、実は自分で修理できることが多いのをご存知でしょうか。業者に依頼すれば出張費と作業費で最低でも1万円以上かかりますが、自分で直せば部品代の数百円から数千円で済みます。
タンク内部の構造は意外とシンプルです。フタを開けて中を見れば、フロートやボールタップ、排水弁といったパーツが確認できます。水が止まらない場合は、ボールタップの不良や排水弁の劣化が原因であることが多く、これらは交換用の部品がホームセンターで売っています。構造を理解していれば自分で修理できるのです。
インフレが進めば、こうした修理費用も確実に高騰します。現在1万円の作業が2万円、3万円になる未来は決して遠くありません。しかし、自分で修理できるスキルがあれば、物価がどれだけ上がっても部品代だけで対応できます。これは実質的な「収入増加」と同じ効果があるのです。水回りの基本的な修理技術を身につけることは、インフレ時代を生き抜くための重要な自衛手段なのです。
スキル習得は「投資」である
これらのスキルを習得するには、時間と労力がかかります。しかし、これは将来への「投資」です。
株式投資や不動産投資には資金が必要ですが、スキル投資に必要なのは時間と意欲だけです。そして一度習得したスキルは、誰にも奪われることのない財産になります。
インフレが進めば進むほど、専門業者に依頼する費用は高騰します。そのとき、自分でできることが多ければ多いほど、実質的な支出を抑えられます。これは、投資で資産を増やすのと同じくらい、いや、場合によってはそれ以上に価値のあることなのです。
全てが同時崩壊する時代に必要なのは「自給自足スキル」と「健康な体」
これから日本で起きることを、シンプルに説明しましょう。
インフレで物やサービスの値段が上がります。AI失業で仕事が減ります。少子化で公共サービスが劣化します。
この三つが、同時に進行します。
想像してみてください。スーパーの商品は値上がりし、修理業者を呼べば出張費だけで1万円以上。でも、あなたの給料は上がらない。いや、AIに仕事を奪われて収入が減っているかもしれません。道路は穴だらけで補修されず、ゴミ収集の頻度も減り、公共施設は閉鎖されていく。
これは、絶望的な未来でしょうか?
いいえ、準備した人にとっては違います。むしろチャンスとさえ言えます。なぜなら、ほとんどの人が何も準備していないからです。準備した少数の人だけが、圧倒的に有利な立場に立てるのです。
その準備とは、「自給自足スキルの向上」と「健康な体の維持」です。この二つがあれば、どんな時代でも生き抜けます。
〇インフレの本質:給料の価値が下がり、物とサービスの価値が上がる
インフレとは何でしょうか?あなたの給料の価値が下がり、物やサービスの価値が相対的に上がることです。
今まで1時間働いて稼いだお金で買えていたパンが、同じ1時間働いても半分しか買えなくなる。これがインフレの正体です。
つまり、あなたの労働の価値が目減りし、物やサービスの価値が高騰するということです。電気工事を業者に頼めば3万円、家電の修理に2万円、ちょっとした大工仕事に5万円――インフレが進めば、これらはさらに高額になります。
では、どうすればいいのか?
答えは明確です。物やサービスを買わずに、全て自分で賄えるようになればいいのです。
買わなければ、値上がりの影響を受けません。業者を呼ばなければ、高額な費用を払わずに済みます。自分でできることが多ければ多いほど、インフレの影響を最小限に抑えられるのです。
〇AI失業の脅威:あなたの仕事は本当に安全ですか?
次に来るのはAI失業です。これは、もはや避けられない現実です。
事務作業、データ入力、簡単な設計、カスタマーサポート、記事作成、画像編集――これらの仕事は、すでにAIで代替可能になっています。そして、この範囲は日々拡大しています。
「自分の仕事は専門的だから大丈夫」と思っていませんか?しかし、AIの進化速度は想像以上です。数年前には「AIには無理」と言われていた仕事が、今ではAIの方が速く正確にこなせるようになっています。
収入が減る、あるいは完全に失う可能性があるとき、何が必要でしょうか?
それは、お金に依存しない生活力です。収入がゼロになっても、自分で食べ物を作り、自分で家を修理し、自分で必要なものを生み出せる能力があれば、生き延びることができます。
〇少子化の現実:公共サービスは確実に崩壊する
さらに、少子化による公共サービスの劣化も避けられません。
働く人が減れば、税収も減ります。インフラの維持管理にかかるコストは変わらないのに、それを支える人手と資金が不足する。結果として、道路は補修されず、公共施設は閉鎖され、行政サービスは縮小していきます。
ゴミ収集が週2回から週1回に減る。水道管が破裂しても修理されない。街灯が壊れても誰も直さない。
こんな状況になったとき、誰かが助けてくれると思いますか?
いいえ、自分で何とかするしかありません。だからこそ、自分でできることを増やしておく必要があるのです。
そして、これらすべてのスキルを活かすために絶対に必要なのが、健康な体です。
体が資本とはよく言ったもので、どんなにスキルがあっても、体が動かなければ意味がありません。特にこれからの時代、医療費も高騰し、医療サービスも縮小していく可能性が高いです。
だからこそ、病気にならない体作りが最優先事項なのです。
適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠――基本的なことですが、これらを継続することが最も重要です。体力があれば、自給自足の作業もこなせます。農作業、DIY、修理作業――これらはすべて体力を使います。
また、健康な体があれば、医療費を削減できます。インフレで医療費が高騰しても、そもそも病院に行く必要がなければ影響を受けません。
結論:貧乏人が生き残りたければ国や公共に依存するな
インフレ、AI失業、少子化――これら三つの波が同時に押し寄せる時代に、僕たちは生きています。
多くの人は、この現実から目を背け、「誰かが何とかしてくれる」と期待しています。しかし、現実は厳しいものです。誰も助けてくれません。
一方、自給自足スキルを身につけ、健康な体を維持している人は、この時代を生き抜くことができます。物価が上がっても、自分で作れば影響を受けません。仕事が減っても、生活コストが低ければ生き延びられます。公共サービスが劣化しても、自分でできれば問題ありません。
依存しない者だけが、真に自由になれるのです。
さあ、今日から始めましょう。最初の一歩は小さくても構いません。ベランダにプランターを置くことから、YouTubeで修理動画を見ることから、毎日30分歩くことから――どんな小さな一歩でも、それは確実に未来への投資になります。
準備した者だけが生き残る時代が、すぐそこまで来ています。
