今週の振り返り 3/23-27
①政治面
1. エネルギー安全保障の緊迫化
米ヒューストンで開催された国際会議では、仏トタルCEOが今夏以降のエネルギー価格高騰を警告し、市場の不安心理が一段と強まった。背景には中東地域での石油関連設備の被害拡大があり、復旧に数年を要するケースも指摘されている。これにより短期的な供給不足だけでなく、中長期的な供給制約リスクも意識され始めた。各国政府は価格抑制と供給確保の両立を迫られ、エネルギー安全保障が再び最重要の政策課題として浮上している。
2. G7による中東対応の足並み
パリ近郊で開かれたG7外相会合では、中東情勢の緊迫化を受けてホルムズ海峡の安全確保が主要議題となった。エネルギー輸送の要衝である同海峡の通航停滞は世界経済に直結するため、各国は通航再開の必要性で一致。軍事的関与の範囲には温度差を残しつつも、外交的圧力と協調による安定化を重視する姿勢が確認された。エネルギー問題が安全保障と直結する構図が改めて鮮明となった。
3. 通商ルールの分断
カメルーンでの世界貿易機関閣僚会議では、電子データへの関税を課さないルールについて日本やEUなど有志国が合意した。デジタル経済の拡大を踏まえた前向きな枠組みだが、米国が参加しなかったことで国際的なルール形成の足並みの乱れが露呈した。保護主義や自国優先の動きが強まる中、従来の多国間協調の枠組みは揺らいでおり、今後は有志国連携による「部分的秩序」が主流となる可能性も示唆される。
②経済面
1. インフレ圧力の継続
日本では2月の消費者物価指数や企業向けサービス価格指数がいずれも上昇し、インフレ圧力の根強さが確認された。特に円安の進行が輸入物価を押し上げ、エネルギーやサービス価格を通じて広範に波及している点が特徴である。日銀も金融政策決定会合の議事要旨で、円安の物価への影響を従来以上に重視する姿勢を示した。需要の強さではなくコスト増による物価上昇であるため、金融政策の舵取りは一層難しさを増している。
2. 個人消費の弱さ
2月の百貨店売上高は前年比でわずかな増加にとどまり、個人消費の力強さを欠く状況が続いている。特に訪日客による免税売上は減少し、春節需要の効果も限定的だったことから、インバウンド回復の鈍さが浮き彫りとなった。物価上昇に対して実質所得の伸びが追いついていないことも、消費マインドを抑制している要因である。結果として、国内需要は緩やかな回復にとどまり、景気全体の牽引役としては力不足が続いている。
3. 企業・エネルギー不安
原油供給不安の高まりを背景にガソリン価格の上昇圧力が強まり、日本では補助金など財政支出の拡大が議論されている。これは短期的な家計支援には有効だが、財政負担の増加という課題も伴う。また海外ではEV大手のBYDが減益となり、価格競争の激化と需要鈍化の兆しが示された。エネルギーコストの上昇と需要の不確実性が重なり、企業収益環境は世界的に厳しさを増しつつある。
■23日(月)
◦エネルギー業界の国際会議「CERAウイーク」(米ヒューストン、27日まで)
仏トタルCEO「夏からエネルギー価格高騰」 原油供給巡り警鐘:日本経済新聞
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米欧石油メジャー、中東で設備に被害甚大 再稼働に3〜5年のケースも:日本経済新聞
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■24日(火)
◦筒井経団連会長会見
ガソリン「節約より値下げ」予備費8000億円追加 IEAは需要抑制提言:日本経済新聞
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◦2月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会)
2月の百貨店売上高1.6%増 免税は春節効果薄く15.5%減:日本経済新聞
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◦2月の消費者物価指数(総務省)
円安スタグフレーションの影 原油高より怖い高市政権の積極財政:日本経済新聞
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■25日(水)
◦日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月22〜23日分)
日銀、円安の物価への影響「従来以上に重視」 1月会合要旨:日本経済新聞
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◦天皇ご一家が岩手・宮城両県を訪問(26日まで)
天皇ご一家の岩手・宮城訪問延期 東日本大震災15年、両陛下が風邪:日本経済新聞
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■26日(木)
◦2月の企業向けサービス価格指数(日銀)
2月の企業向けサービス価格2.7%上昇 伸び率は前月から拡大:日本経済新聞
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◦世界貿易機関(WTO)閣僚会議(カメルーン、29日まで)
電子データ関税禁止、日本・EUなどWTO有志国が合意 米は不参加:日本経済新聞
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◦主要7カ国(G7)外相会合(パリ近郊、27日まで)
G7外相会合が開幕、中東情勢やウクライナ支援を議論 27日まで:日本経済新聞
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茂木外相、ホルムズ海峡の安全確保「G7で齟齬なし」 外相会合:日本経済新聞
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G7外相会合、ホルムズ海峡通航再開を要請 ルビオ氏「地上部隊は不要」:日本経済新聞
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■27日(金)
◦プロ野球のセ・パ両リーグ公式戦開幕
25年日本一のソフトバンク、日本ハムに逆転勝ち プロ野球開幕:日本経済新聞
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◦12月期決算=中国・比亜迪(BYD)
4期ぶり減益のBYD、車単価は3年で2割低下 EV次世代技術で出遅れ:日本経済新聞
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