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ありがたいことだらけ-同居親と別居親それぞれの思い

同居親と別居親という言葉がある。

子どもがいて離婚した場合、ほとんどの子どもは、どちらかの親と暮らす。

子どもと一緒に暮らしているのが「同居親」
子どもと一緒に暮らしていないのが「別居親」

親権の有無と一緒に暮らすのとは(基本的には)別の話。

ちなみに。

私は「同居親」で、恋人は「別居親」だ。


もうすぐ元夫からの長女の養育費の支払いが終わる。
調停の取り決めで「養育費は二十歳になった月まで支払う」ことに決めてある。

私の雇ったポンコツ弁護士が思い至らなかったのと、精神的に不健康だった私の脳みそが死んでいたせいで、長女が大学に進学した場合のことまで視野に入れずに取り決めをしたからだ。

もちろん書面で決まったことであるし、元夫は「決まったこと以上に費用負担はしない」と言っているので、それ以上のことは望まない。

ちなみに恋人は協議離婚(当人同士の話し合いで決まる離婚)であるが、離婚にあたっての取り決め文書は自ら作成したそうだ。

子どもが学生のうちは養育費を支払う。
学費やその他の費用については別途協議。
と、してあるとのこと。

ちなみに彼は、お子さんたちの学費や教習所の費用まで、元妻に要求されるままに払っているそうだ。
一応は「別途協議」ではあるが「子どものためだから、親が出すのは当たり前」と言っている。
元妻からの要求を断ったことはないそうだ。

素敵…。←のろけです。笑


大学生である長女が二十歳になっても、そこから二年半以上、学生である期間が続く。
養育費の支払いが終わってからは(金銭面に限れば)長女は私が100%養育することになる。

心の底で元夫への意地の悪い考えが思い浮かんでは消える。
長女が二十歳になったその月に、元夫に嫌味のひとつも言ってやりたい。
「これから先は私がひとりで長女を育てることになります。」とか、ね。

久しぶりに再会したとき「俺に出来ることは、なんでもする。なんでも言ってくれ。頼ってくれ。」とか言ったくせに、長女が私大の四年制に入るから、進学費用いくらか出したい?と聞いたところ「一人暮らしで都会の私大の四年制なんて、一番金がかかる進学先を自分勝手に決めたヤツに、なんで俺が金出さなきゃなんないの?」と言われたことをまだ根に持っている私である…。

素直に期待しちゃう辺りが浅はかなんだよな、自分。笑
あれだけさんざん嫌な思いをした相手に、素直に期待して勝手に絶望するとは…。

はー。
未熟…。

そして、黒い、黒い。
自分の心の黒さに嫌気がさすわ…。


ある時、恋人と養育費の話をしていた。

私「うちは養育費は二十歳までって決めてあるから、もうすぐ長女の養育費は支払われなくなるんだ~」

彼「そうか、そうか。養育費の支払いが終われば一区切りだよね。元夫さんも、肩の荷がひとつおりるね。」

私「肩の荷?」

彼「あ、ごめん…。言い方が悪かった。でも、正直な話、一緒に暮らしていないし、会ってもないから、お金のこと以外では、子どもを育ててる感覚はないよ。申し訳ないけど。養育費の支払いが終われば一区切り。ここまで支払い続けられて良かったって安心するのは本当の気持ち。途中で支払えなくなっちゃう人もいるでしょう?だから最後まで役目を果たせて良かったって達成感はあるよ。」

…。
なるほど。
達成感、か。
別居親には、そういう側面もあるんだなぁ。

正直に気持ちを伝えてくれた恋人の言葉が、素直に私の心に入ってくる。

元夫から言われたら憤怒!だろうけどさ。笑

私「そう思うと、そうだね。最後まで養育費を支払ってくれて、ありがたいね。」

彼「もちろん、お金だけじゃ子どもは育たない。だから、さくらも含めて、ひとりで、子どもを育ててる親は、すごく頑張ってるし、偉いって思う。尊敬する。」

私「うーん…。でもさあ?」

彼「でも?」

私「子どもと一緒に生きるっていう貴重な体験は、お金なんかでは買えないよね。そりゃあ大変なことは、たくさんある。辛いことも、たくさんある。だけど、それ以上に喜びも幸せも成長もある。そう思うと、一緒に暮らしていない親の方たちは、たくさんのものを失ったんだなって思う。」

彼「まあ、そうだね。一緒に暮らしてなくても、大きくなれば子どもだけでも会いに来てくれるけど、小さいうちは、なかなか会えないし、成長にもかかわれないよね。残念だけど。」

私「そう思うとさ」

彼「うん?」

私「ありがたいことだらけ、だね!笑」

彼「うん、そうだね。」

私「嫌いな相手に離婚してもらえてさ。別々に暮らしてもらえてさ。お金は払ってもらえるしさ。子どもと一緒に生きる幸せを一人占めさせてもらえてさ。ありがたいことだらけ。」

彼「僕も元奥さんに対しては、そう思ってる。ありがたいことだらけだって。仲が悪いのに仮面夫婦で暮らしていても辛いだけ。離婚してもらえてさ。子どもを大切に育ててもらえてさ。僕なんて、お金払ってるだけ。子どもたちがちゃんと成長してるのは、元奥さんのおかげ。ありがたいことだらけだよ。」

なるほどな。

そうやって考えるの、良いなぁ。

元夫は、子どもたちの父親とはいえ、私とは、もう他人になった人。
嫌味のひとつでも、とか。
そんなつまらないこと、しなくても良い。

元夫のおかげで子どもがこの世に存在してくれている。
近くにいたら嫌な感情ばかりが生まれるけれど、ちゃんと離れていてくれる。
取り決めとはいえ毎月、決まった金額を振り込んでくれる。
途中で支払えなくなる人もいるなか、最後まで役目を全うしてくれる。

ありがたいことだらけ。

ありがたいことだらけなのだ。

そう思えるようになったのは、正直な気持ちを話してくれた、恋人のおかげ。

ありがたいなぁ。

この世は、ありがたいことだらけ。