「ITスキルがない」と悩むDX推進担当へ|現場を変えるために大切な2つの力
あまり知識がないのにDX推進担当になってしまった。
そんな方はいらっしゃるでしょうか。最近ますます企業で効率化やDXが進んでいるので、急に改善推進やDX推進の担当に任命されて、少々お困りの方がいらっしゃるかもしれません。
また、DX人材の育成施策が進む中、これからのキャリアとして、業務改善のスキルをどう習得したらよいかお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
もしそんな方がいたら、解決のヒントを提示したいと思います。
記事について
今回の記事は、業務改善がテーマです。
企業の中で、業務改善を推進する役になっている方、その組織を率いているリーダー職の方、そして自分のキャリアのために、業務改善に取り組みたい方向けに書いています。
ご自身が業務改善のできる人材となるための参考にしていただくことはもちろん、改善推進の方、組織のリーダーの方には、なにを意識して業務改善に関わる人材を選び、育てていけばいいのか、掴んでいただけると思います。
今回初めて、自分の本業の「業務改善」の話題をお伝えします。どのくらいニーズがあるのかはわかりませんが、企業の業務改善に取り組んでいる方であれば、役立つ内容だと思いますので、活用していただければ幸いです。
業務改善の経験
最初に、わたしの話が信用できるかどうか、ご不安もあると思いますので、本業でどのような仕事をしてきているか書いていきます。
まだ働いていますので、具体的な企業名などは書けませんが、日本の企業で、業務改善の推進担当をしています。
業務改善の旗振りから、「DXを推進する組織」の運営、各部門の改善施策の管理まで。そんな業務改善全般をリードする専門職を担当しています。
改善推進では、自分の会社や関連会社の支援、改善コンサル事業の立ち上げを経験しています。業務改善に関する発信をすることもあり、代表スピーカーとして登壇する機会も数回経験させていただきました。
人材育成では、社員のDX人材教育、社内研修講師、部門の推進担当に対するアドバイス。ツール関係では、各種業務改善ツールの開発や、業務改善ツールを開発する組織の管理をしてきました。
業務改善の現場で
近いイメージで、ITツールを開発されるエンジニアや、企業相手のコンサルタント、また工場の品質改善をされる方がいらっしゃいますが、わたしの経験は少し種類が異なります。
一般企業の中で、業務改善の専門的なスキルを持たない社員のみなさんへDXや改善文化を浸透させるのが役割。
DXの流れが始まった頃からその技術を学び、推進部門を管理しながら、複数の組織にまたがり、業務改善のプロジェクトを支援してきた経験をもつ人間というと、なかなか多くいないのではないかと思っています。
また立場上、現場で業務改善を進めるときには、逆風もあります。現場も葛藤があり、残業が多く疲弊している部門もあります。そんな中、会社の方針とはいえ、現場にやるべきことを伝えて業務改善を進めていく訳ですから、同じ社内でも敵を見る目が容赦なく向けられることもあります。
業務改善の経験は楽しいことばかりではありません。華やかなDX技術の進化といった最先端の知識も重要ですが、そんなに世間の企業は業務改善や先端技術が好きなひとばかりでもありません。
現場の負荷を考えながらもやるべきことを進めてきた、その泥臭い経験を積んでいるのは、こうした改善推進の人間です。
業務改善をリードする中で、何度も話し続けてきたロジックやノウハウは、きっといま業務改善に取り組んでいる方に意味のあるものと思っています。
業務改善とDXの関係
ここまで「DX推進」「DX人材」というDXを使った言葉を用いてきましたが、この章以降は「業務改善」というワードで統一します。
世間ではDXの方が通りが良いのですが、どうしても、DXを流行り言葉のように聞くと、本来の意味を指していない場合に気になってしまいます。
DXは本来、「ビジネスモデルの変革」を意味する言葉。組織の仕組みから変えて新しい価値を生む、という大きな変革を指します。だから、ツールで手元業務の改善をして、DXと言われるとすこし大げさな気がして気持ちが落ち着かないのです。
「業務改善」であれば、どんなことでも業務改善ですから、言葉が素直です。そんな理由でこの記事では、業務改善と言う言葉で進めていきます。
業務改善担当の不安
最近は、他の業務をやっていた方が、業務改善担当や、組織の改善推進になる。こんなケースが増えてきています。企業内では、リスキリングという言葉で表したりします。
従来の業務で十分な利益が稼げなくなった場合など、DXやAI分野へのリスキリングが多くの会社で検討されています。
もともとそういった業務が得意であればいいのですが、中には営業職から急に業務改善担当になる場合や、若手社員が急に抜擢されて改善推進に任命される場合もあります。
そういった皆さんが多く不安になっているのは、「自分にITスキルがない」ことです。
「こういうのはITに詳しい人がやるものだ」「自分は全然そのへんが疎いから難しい」といった声を実際によく聞きました。
もしいま、そんな不安をお持ちの方がいたら、それがすこしでも軽くなればと思い、業務改善を進める方に「本当に必要なスキル」についてこれから書いていこうと思います。
業務改善にITスキルが必要か?
業務改善担当や、組織の改善推進をされる方は、ITスキルがないとできないかと言われると、それは必ずしもそうではありません。
ITスキル自体は、業務改善をするうえであったほうが良いものですが、重要度はあまり高くないと考えています。その理由は、業務改善を進めるうえで、ITスキルより「もっと重要なことがある」からです。
ITツールに無関心になるのはいけませんが、後から必要に応じて、覚えていく程度の感覚で構わないと思っています。先ほど触れた、もっと重要なことは、これから詳しく紹介していきます。
まとめると、業務改善をリードされる方に、必ずしもITスキルが必要なわけではないと思いますので、あまり過度に心配しないでいただければと思います。
業務改善を進めるうえで重要なこと
その業務改善を進めるうえで重要なことは、大きく言ってしまうと、「問題解決能力」になります。
理由は、業務改善にはそのまま「問題解決の手法」が当てはまるから。
業務改善は、その現場で起きている状況を正しくつかみ、そこにある問題を探り、分析を進める。その材料を元に、どういった解決方法を実行するか決定し、計画を立てて進行します。
問題解決能力は、分野を問わない一般的な能力を指す言葉ですが、現場業務に対する問題解決能力が、業務改善力と言っても差し支えないと思います。
こちらが業務改善担当や、組織の改善推進をされる方に、最も意識して学習してもらいたいことになります。ただこの問題解決能力は、いろんな要素の総合力なので、習得することはなかなか難しいものです。
問題解決能力とは
問題解決能力というのは、状況を把握し、最適な解決策を考えること。そして実行に移す力を言います。
この通り、3つの要素があります。補足も入れてみるとこうなります。
1️⃣ 状況の把握(情報収集力・問題認識力)
2️⃣ 最適な解決策(分析力・立案力)
3️⃣ 実行に移す力(計画力・実行力)

難しくなってきましたが、その全部をここで書くわけではないのでご安心ください。
ここでは、問題解決能力というものが、意味が広くて学習範囲も広い、これらの「総合力」であることを理解してもらえれば大丈夫です。
立場の違い
ここからは、業務改善担当や、組織の改善推進をされる方をあわせて「業務改善をリードする方」という言葉で書いていきます。イメージとしては、業務改善を担当される方や、推進する方。また今後のために、業務改善のスペシャリストを目指す方と考えてください。
また、その対照的な意味で、業務改善を集中してやらず、現場業務や作業を中心に対応される社員を「業務改善に参加される方」という言葉で表します。
業務改善をリードする方と、一般的に業務改善に参加される方の学習は、分けて考えたほうが良いと思います。業務改善は、通常業務と同時に動きますので、できるだけ負荷を配慮し、立場の違いで必要な学習を進めるとスムーズです。
まず、業務改善に参加される方は、「その方の価値を高める」ようなことに絞って学習されると良いと思います。ITが好きならツールを、分析が好きなら統計手法を、チームをまとめるのが好きならプロジェクト推進を、とポイントで活躍できる直接的なスキルを身につけるイメージです。
一方、業務改善をリードする方は、業務改善の本質的な部分である「問題解決能力」に先に目を向けて学習して欲しいと思います。業務改善をリードしていくことを考えると、どのような役割になるにせよ、この問題解決能力が重要になってくるからです。
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ここまでで、わたしのキャリアと、業務改善を進めるうえで重要なことは、問題解決能力であることを伝えられたと思います。
業務改善を推進する「しんどさ」はよく知っています。現場担当者からの反発もあると思います。
それでも、わたしは現場を変えていける楽しさがある仕事だとも思っています。より本質的なことに目を向けていただき、現場とよく会話をしながら、よりよい業務に変えていけるように頑張ってください。応援しています。
この後は、わたしの経験と分析で導き出した、問題解決能力の中でも特に大切と考えている2つの力についてご紹介していこうと思います。これから問題解決能力を育てようと思う場合は、こちらを優先して取り組むと良いという内容になります。
わたしの出している結論なので、世間の知識でも、所属している会社の知識でもありません。完全にオリジナルですが、それを現場や推進者に言い続けて、人を育て、業務改善を進めてきました。
誰になにを言われても、変わらないわたしの中の判断軸。それをこの後わかりやすく解説していきます。
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