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10年前から何も変わらない。僕を僕のままでいさせてくれる、たった一人の『友達』のこと。

「私はしがないサラリーマンです
一方で 相方のヒロヤは
個人としての活動の幅を広げて活躍している
私には その姿がとても眩しく見える」

ステージの端でマイクを握るしょうりが
そんなことを話し始めたとき
僕はもうだめだった
30歳にもなって
顔を真っ赤にしながら
ステージの上で
決壊した涙を止められずにいた

5月16日の土曜日
僕のファンミーティングが開催された
朝から三部制という長丁場
遠方からわざわざ足を運んでくれたり
決して安くはない時間とコストを割いて
僕に会いに来てくれた人がいるという事実は
ただただ純粋に嬉しかったし
当たり前のことなんかじゃないと
心から思っている

ただ
1人でステージに立ち続けるのは寂しい
そんな僕のわがままで
Podcast番組「ひともの研究所」の相方である
しょうり君にMCをお願いした

彼は日本の伝統的な企業
いわゆるJTCで働く普通のサラリーマンだ
普段は人事として働き
表舞台に出るような仕事はしていない
それなのに 当日の彼は
驚くほど完璧に場を回していた
間違いなく
あの日のMVPは彼だったと思う

そんなイベントの第三部の最後
楽しく笑顔で終わらせるはずだったのに
しょうり君が最後に放った言葉が
僕の胸にまっすぐ刺さった

「ヒロヤとは10年来の仲です
まだ何者でもなかった当初から
彼にはカリスマ性がありました
絶対に大物になるだろうと
心の中でずっと思っていました」

「僕らのPodcastは4年ほど前からやっていますが
ヒロヤから誘ってくれて
少しでも力になれるならと思い
一緒に発信をしたり
近くで応援をしてきました」

「今こうして大きなイベントを開けていることが感慨深いですし
またヒロヤに声をかけてもらって
初めてのMCに挑戦している
私は何者でもありませんが
声をかけてもらえるうちは
僕も頑張って少しでも力になりたいと思っています」

この言葉を隣で聞いているうちに
目頭の奥が熱くなり
視界が歪んでいった
一度溢れた涙は
もうどうやっても止められなかった

気の利いたコメントのひとつも返せず
鼻をすすりながら泣きじゃくる僕を見て
会場にいたみんなは
「なぜ急に泣き出したのだろう」と
さぞかし困惑したことだと思う

あのとき言葉にできなかった本当の感情を
いまこうしてエッセイという形で
ゆっくりと言語化している

なぜ あんなに涙が出たのだろう
それはきっと
いちばん近くにいる友達が
僕の活動を純粋に
ただただ応援してくれているという
温かな支えに触れたからだと思う

しかも
何者でもなかったあの頃の僕の
「ラジオをやりたい」というエゴに
お金にもならないし
時間ばかりかかるそのわがままに
ずっと付き合ってくれている
そのことの有り難みが
一気に押し寄せてきたのだ

Netflixの番組に出演したことで
ありがたくも
多くの人の目に触れる機会が増えた
SNSでは(一見)楽しそうな姿を発信しているし
新しく出会う人も増えた

でも
その変化のなかで
これまでの地元の友人たちと
まったく同じ関係のままいられているかというと
きっとそれは違う

少しずつ変わっていく僕の環境や
発信する姿を見て
そっと距離を置く選択をした人も
きっとたくさんいるだろう

僕自身も仕事が忙しくなり
なかなか予定を合わせられず
これまでの友達と遊ぶ回数は減ってしまった

そんな自分の状況に
少しの寂しさを感じていたし
みんなには申し訳ないなとも思っていた

そんな中で しょうりは違った

彼は
僕がどれだけメディアに出ようが
ずっと斜に構えることもなく
応援の姿勢を見せ続けてくれる

ちなみに
彼は僕が出演した番組を
一切見ていないらしい
「他人の恋愛リアリティショーを長く見ていられない」
というのが彼の言い分だ

ラジオの相方がどんなふうに描かれているのか
僕なら少しは気になりそうなものだけど
彼にとっては本当にどうでもいいのだろう

しょうりは僕のことを
テレビの向こう側の人としてではなく
ただの「ヒロヤ」という
一人の人間として見ている

10年前の
まだ何も持っていなかった僕のことを認めてくれて
今の少しばかり忙しくなった僕の状況も
何の疑問もフィルターも通さず
ごく自然に受け入れてくれている

そんな人間は
世界中どこを探しても
彼のほかにいない
あの言葉を浴びた
イベント最後のたった5分間
僕の頭の中では
しょうりと過ごした10年間の記憶が
アインシュタインの言葉みたいに
一瞬に縮まったり
どこまでも引き伸ばされたりしながら
激しくフラッシュバックしていた

それは
ずっと引き出しの奥に眠っていたタイムカプセルが
ステージの上で
突然弾け飛んだような感覚だった

10年前から何も変わらない 僕の友達
僕の生き方に何の文句も言わず
ただそばにいてくれる
この関係性が
どれほどかけがえのないものか
僕はあのとき初めて
本当の意味で思い知らされたんだと思う

正直
彼のその優しさに甘えて
ときには強く当たってしまう自分もいた
それも
いまになって猛烈に反省している

僕たちのやっている「ひともの研究所」は
人事のしょうりと
デザイナーのヒロヤが
まったく違う視点から
社会のあれこれに物申す番組だ

性格も 趣味も 考え方も コミュニティも
何から何まで違う二人だからこそ
面白い話ができている

たまに
「なんでしょうり君と一緒に番組をやっているんですか?」と
悪気なく聞かれることがある

その答えはもう決まっている

彼の純粋さと
素直さと
そして
僕に対する態度を一切変えないその姿勢

それだけが
僕を僕のままでいさせてくれるからだ
これからも どうぞよろしくね

次は絶対に泣かないからな

来てくれたみんなも本当にありがとう

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ヒロヤ|HIROYA これからも一生懸命頑張ります