地味系目立ちたがりの恋は?
「きっとね、あたしのこと好き」
無邪気な一言。傷付く。
親友の紗也は可愛いタイプ。真面目に見えるけれど、実はけっこう遊んでいる。私とは正反対。
男子の前だと5割、その声は甘くなる。
上手いんだよなぁ。その一言が
「きっとね、あたしとなら大丈夫」
「そう? でも俺、プレゼン授業苦手。ペアに迷惑かけそ」
「ううん、あたしとなら、だよ?」
「…分かったよ」
いつだって、紗也の言葉の前では、男子は屈する。
うちの大学の講堂は、広い。伝統は、ある。でも、先進的な造りなんだよね。以前、T大に遊びに行った時には驚いた。メインの講堂は古くて臭くて狭い。他に新しい講堂もあったけれど、やはり狭かったな。
そんなプラス。でも、私にはマイナス。広い講堂の中では輝けないから。
紗也みたいな子は、広い中で輝く。どこにいても目立つ。私みたいな地味カワ系は、狭い場所が良い。少人数の中で発揮出来るのは、地味だけどポイントをついた会話。見た目は悪くないのだもの、きっかけさえあれば、私も、そこそこアイドル。
そんな、バカみたいな可能性を捨てきれない、自分に笑える。
女の子は、いつだって男子の前では闘士。真っ赤な布を掲げて
「ほら、こっちにおいで」
そう、手招いている。でも、男子は気付かない。そんな戦略に。
…本当に、気付かない?
「紗也ちゃんは、真面目」
「でも、恋愛には積極的!」
聴こえてくる会話に、今日もウンザリ
「どこが、真面目よ? あの手のタイプはさ…」
やっと出会えた彼。すぐに私の意中の人に。必死の思いで仲良くなった。
と思ったら、ちょっと油断して名前を教えてしまったら、紗也の目の色は変わった
「きっとね、彼、あたしのこと好き」
「だから、ああいう態度」
紗也の言葉に、ドキドキする。
ここからは、ちょっとしたクロスロード。私の恋の分かれ道。行く先は、紗也との闘い? それとも…。
彼は本当は、紗也みたいな子がタイプだったらどうしよう?
「地味な、って自分を言う女の子ってさ、ムカつく。そんなんだったら、最初から自慢タイプの方が良いね」
彼の衝撃の一言。やっぱり紗也に負けた?
「でも、地味だから、地味系って言う」
「そう思っていないから言う」
悔しいけれど、紗也に負ける前に、彼に負けそう。私は弱いんだ。気付いてくれる誰かに。
本当は、目立ちたがりの私に、気付く貴方に。
恋の闘いは、面倒くさい、本当に。でも、戦っても良いかもしれない。目立つためには…
“Question”
地味系目立ちたがりの恋は?
①意中の彼に振り向いてもらえる
②親友の紗也に取られる
③ダークホースが現れる
④全員振られる
作者は④を取る。
読んで頂きありがとうございました!
