悪党の流儀 -女性には、女性にしか分からない悪党がいる…ちょっとしたホラー-
例えば、普通の平凡な女達が行く道を、外れた。
そんな生き方は楽しい。
「君は、人を人とも思わない、そんな行為ばかりを繰り返している」
浅い言葉。その瞬間、彼はどうだって良い男に変化した。
人を人とも思わない? 確かにそうかもしれないわ。
だって、私にとっては私以外の人気のある女は、ゴミ箱に捨ててしまえるゴミ同然だもの。
もちろん、そんな性質は上手く隠す。私は周りから見たらパーフェクトウーマン。
ある女は私を、そう言う
「悪党!!!」
そうね、悪党かもしれない。でも、そんな言い方、ちっともセンスが無い。私は、ただパーフェクトなだけ。
どんな風に、悪党かって?
そうね…。
周りを固めるのは大得意。先ずは嘘で追い落とす、今どきインターネットを使えば簡単よ。もちろん、自ら書き込みはしない。使うわ、クズ達を。そして思いつめたところに潜むの(どうやって潜むかはシークレット)。
次は大切な絆を奪う、恋人なんかは簡単よ? “あの技”さえあれば、すぐに手に入るの、男なんて。
最後は、その女の関係性から最高権力者を割り出す。母親かもしれないし、信頼する会社の上司かもしれないわね。既に出来上がっているルートを使って、頼んで蹴落としてもらうの。自殺ルートを、そりゃあ綺麗につくってあげられるのよ、私は。
楽しんでいたの、ずっと。
欲しいものは、全て手に入れてきたわ。
ある日神様は言った
“お前は、悪党では、無いな”
その一言で私は終わった。全ての悪事が世間にバレた。取り巻きのくだらなさと言ったら無いわ。私が嫌われたと分かったら、一斉に私の悪口を始めた。バカみたいね。みんな、バカ。
一体、何がいけなかったの? 世の中、悪党なんて沢山いるじゃない。私なんてまだ、かわいい方よ、きっと。
仲間内だった男が、最後に一言、言い放った
「世の中は、結局の所、等価=等価」
「意味が分からないわ」
「そうだろうね、しかし、それが流儀」
