春の光に誘われて
── 毎年、目には映っていた。
儚く淡い薄桜も、
夕暮れに、はらはらと散りゆく姿も。
でも、レンズを向ける気にはなれなかった。
目の端に入れながら…
まるで、そこに無いかのように
通り過ぎる。
自分の心までも
見て見ぬ振りをするように。

でも、いつまでも
そうはしていられない。
そんなことわかってる。
いつだって
時薬はいつのまにか効いているのだから。
冬の雪が少しずつ解けていくように
わたしの心もまた時と共にほどけていく。
春の光のせいにして、
今年は、撮ってみようかな。

なんて、思いながら
春の光に誘われて外に出てみたけれど…
目に飛び込んできたのは
春椿。
…そうか、春の花って桜だけじゃなかったね。
わたしは、"春"そのものを
遠ざけていたのかもしれない。
春椿が
そっと教えてくれた。
── 私も居るよって。

ああ、きれい。
本当に…。
こんなに美しかったんだね。
うん。
桜も撮れそうな気がするよ。

まだ蕾ばかりだけど、
いまのわたしにはそれがいい。
ゆっくりでいい。
少しずつ咲かせていこう。

少しずつ。

時を重ねて
満開に。

── 止まっていた秒針が
カチッと時を刻み出す。
きっともう大丈夫。
こんにちは。
前に書いた記事『それでもまた桜は咲く』の完結編のつもりで書きました。
桜を撮ろうかな…と思って出たら、まさかの春椿。
それもまたなんだか素敵で、思わずシャッターを切りました。
でも、椿なのか山茶花なのかちょっと自信ないです😅
間違っていたらすみません。
よかったらこちらの記事も😊
#フォトエッセイ #小さなフォトエッセイ #桜 #写真と言葉 #春 #春椿
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