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日10ドラマ マイダイアリー

なんだかんだ、この秋ドラマで一番楽しみにしているのが本作だ。
キラキラした話題作や豪華キャストの作品も多い中で、このドラマは控えめな佇まいながら、静かに、確かに、心に引っかかってくる。

若手俳優たちの演技は実に瑞々しく、等身大のまなざしで登場人物たちの揺れ動く感情をすくいあげている。
特別な事件は起こらない。でも、登場人物たちの中では確かに「何か」が動いていて、それが丁寧に映し出されている。
一人ひとりの呼吸や沈黙、ふとした視線の動きさえも、このドラマでは語りの一部だ。

そして何より感心するのは、毎話使われるモチーフのセンスだ。
「ポップコーン」「絆創膏」「あくび」など、日常の片隅にあるような小さなものが、登場人物の関係性や感情の象徴として効いている。
まるで、坂元裕二のドラマで繰り返し語られる“さりげないけど心に残る会話”のように、それらが視聴者の記憶に残っていく。

脚本を手がける兵藤るりは、まだ新人に近い存在だが、坂元作品に関わってきた経験もあるという。
その経歴に頷けるほど、人物の内側に寄り添う視点が丁寧で、セリフ一つ、沈黙一つに深い意味が宿っている。
派手な展開やドラマチックな演出ではなく、人と人の“間”を描こうとするその真摯な姿勢は、確実に次へとつながっていくだろう。

新人作家には、予算も知名度も武器にならないかもしれない。
けれど、人物と日常をきちんと描ける力があれば、それだけでドラマは成立する。
この作品はその好例だと思う。そして何より、こうした作品が世に出ること自体が、少しだけ希望になる。

一歩ずつでもいい。
こういう丁寧な物語が、着実に信頼を得ていく未来を、心から期待している。