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オルガノイド研究基盤フォーラムを開催 ―医学研究の高度化と社会実装を見据えた分野横断連携を推進―

 京都大学は、AMED「医学系研究支援プログラム」に採択された「京都大学研究力向上計画」のもと、医学研究の国際競争力強化に向けた研究推進や研究支援体制の強化を進めています。本計画では、研究コーディネーター機能の強化や専門人材の育成を通じて、世界トップレベルの医学研究の創出をめざす基盤整備に取り組んでいます。

 こうした取り組みの中核となる、分野横断的な基盤技術として、オルガノイド技術の重要性が高まっています。多能性幹細胞などから構築される三次元生体モデルであるオルガノイドは、疾患メカニズムの解明や創薬、再生医療への応用など、医学研究の革新を支える重要な技術領域として期待されています。

 このたび本プログラムの一貫として、2026年3月9日、医学研究科医学系研究支援プログラム、「医学領域」産学連携推進機構(KUMBL)、医学部附属病院先端医療研究開発機構(iACT)、徳島大学との共催により、「オルガノイド研究基盤フォーラム」を開催しました。成長戦略本部統括事業部イノベーション領域も参画し、研究基盤の高度化と社会実装の加速に向けた議論の場を創出しました。

 当日はアカデミア、企業、行政など多様なセクターから352名(オンライン含む。申込365名)が参加し、オルガノイド研究に対する高い関心がうかがえました。講演に加え、ポスターセッションやワークショップなどの双方向型のプログラムを通じて、分野や組織を越えた活発な交流が行われました。

 第1部シンポジウムでは、オルガノイド研究基盤の将来展望やiPS細胞由来オルガノイドを用いた再生医療研究、マイクロ流体技術と融合した生体模倣システム(MPS)の開発などが紹介されました。これにより、オルガノイドが個別研究の枠を超え、医学研究全体を支える基盤技術へと進化しつつあることが明確に示されました。

第1部シンポジウムの様子
質疑応答も活発に行われた

 また、臓器別オルガノイドに関するショートトークでは、内耳、肺、心臓、腸、腎臓、がんなどの領域における研究の進展と応用可能性が共有され、創薬評価系や疾患モデルとしての実用化に向けた議論が深まりました。

ポスターセッションでは活発な交流が行われた

 第2部では、京都大学医生物学研究所の永樂元次 教授による基調講演において、オルガノイド研究の現状と課題が提示され、生体模倣性や再現性の向上、標準化の必要性に加え、AIや工学技術との融合の重要性が強調されました。
 続くワークショップでは、産官学の参加者が研究基盤の将来像について議論し、創薬応用、動物実験代替、データ連携など多角的な視点から、社会実装に向けた課題と方向性が共有されました。

 本フォーラムは、オルガノイド技術を核とした研究基盤の高度化と、産学官連携による社会実装の加速に向けた重要なマイルストーンとなりました。京都大学成長戦略本部は今後も、本学の研究シーズと社会ニーズを接続するハブとして、分野横断的な連携を推進し、イノベーション創出と社会還元のさらなる強化に取り組みたいと考えています。