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京都大学の「知的財産」成長戦略本部がその運用の要に!

成長戦略本部広報誌『IAC Newsletter vol.03』(2025年10月発行)の巻頭では、「知的財産」を特集しています。
大学における「知的財産」とは? 企業との違いや、成長戦略本部が担う役割について、記事の一部をご紹介します。
全文は以下よりご覧ください。
https://iac.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2025/10/iac_newsletter_vol03.pdf

そもそも「知的財産」や「知的財産権」とは?

 人間の知的活動によって生み出されるアイデアや創作物といった、 有形・無形の財産的な価値を持つものを総称して「知的財産」と呼びます。 知的財産の中に「特許権」や「著作権」など、 法律でその権利が保護されるものがあり、それを「知的財産権」と呼びます。
 例えば「特許権」は「発明」と呼ばれる新しいアイデアを保護するものであり、発明の種類は「物」「方法」「物の生産方法」の3 つがあり、「特許法」のもとで出願から20 年の保護期間が設けられています。
 「著作権」は文芸、学術、美術、音楽の範囲で、作者の思想や感情が創作的に表現された著作物あるいはコンピュータプログラムを保護するもので、「著作権法」により著作者の死後70 年間保護されます。
 「知的財産権」を獲得しておく意味は、本来の権利所有者の利益逸失を防ぐことにあり、企業においても個人においても、競合他者との競争において優位性を確保する手段になるのです。

大学における「知的財産」とはどういうものか?

 では、営利が第一義的目的ではない「大学」が「知的財産権」を有することに、どういう意味があるでしょうか。
 まず前提として、大学における成果(創作)は社会の共有財産であり、社会実装をめざすべきであるという認識が、世の中全体に存在しています。知的財産基本法では、大学の責務の一つとして成果普及に努めるものとされています。
 ただこの目的だけならば、学会発表や論文などで公にしていくだけで十分なのですが、それでは国内や海外で無償で利用されるだけになってしまいます。特許という権利とすることで、研究成果をどのように活用するか、決定権を研究者や大学が持つこと、研究成果の普及を促進すること、さらにその権利活用から得た利益を次の研究の原資とすること、これらが、大学が特許を出願する理由です。
 企業における特許の価値が、市場における競争での優位性を確保することに一義的意義を置いていることとは少々違います。
 さらに、特許の元になる「発明」へのモチベーションの持ち方にも、顕著な違いがあります。大学の発明は、発明者(研究者)の研究対象や興味・関心に基づくものが多く、対して企業の場合は、ユーザーニーズつまり市場における需要をリサーチした結果に基づくものが一般的です。
 こうした違いにより、「知的財産権」の意味合いも異なってきます。
 権利の解釈は登録請求項に基づいて判断され、特許の価値は登録請求項に基づくことが通常ですが、大学では、登録前(権利範囲確定前)からライセンス活動が行われることも多く、そのライセンスは当該技術分野における技術指導的な色合いが濃い場合もあります。また、イノベーション度合いの強い発明は大学では歓迎されますが、企業では敬遠されがちです。なぜなら、その発明が有益な技術であるほど、従来のビジネスモデルの破壊を伴うことが多いためです。つまり企業では、従来のビジネスモデルの完全刷新を伴うような方向での研究開発環境を持つことは難しいのです。

成長戦略本部の役割とは?

 産官学連携本部、オープンイノベーション機構、渉外部基金室、医学領域産学連携推進機構などを統合して立ち上がった成長戦略本部は、かねてより大学の知的財産に関する業務を行ってきた「知的財産部門」を含んでいます。ファンドレイジング、イノベーション戦略策定、スタートアップ支援などの機能を持つ複数部門のノウハウと蓄積も、知的財産に関する取り組みに活かせるものがたくさんあります。まずはそうした「組織の力」を発揮すること、そして、知的財産に関する専門のスタッフをさらに強化したことで、ますます高度なサポートと運用ができるようにしています。特に、大学発の知財を実用化するには、スタートアップが重要な役割を担うことが多いと考えられるため、その支援は重要です。
 さらに、著作権や特許といった既存の知的財産制度では把握しきれないような価値が、おそらく京都大学の中にはたくさん眠っており、企業もそういったものを求めて共同研究等さまざまな連携を希望されることが増えています。そうした時に、「大学の利益」として京都大学の知的財産を形成し活用していくこと、そして社会貢献事例をさらに増やしていくことが求められています。