KUONインタビュー 教育学研究科 佐野真由子 教授
2025年11月4日に配信した京都大学同窓生向けサービス「KUON」インタビューは、京都大学大学院教育学研究科(文化政策学)の佐野真由子 教授に登場いただいています。
佐野先生のもともとの専門分野は外交史・文化交流史。その一環として万国博覧会史を長く研究し、万博学という研究視座を提唱されています。2025年大阪・関西万博を機に、「万博とは何か? 万博学とはどんな学問?」に注目が集まりました。
本編では万博学という学問や来し方を語っていただいていますが、おさまりきらなかった話題をご紹介します。
——同じ大阪で開かれた1970年万博を今回の万博と比較してみると、興味深い違いがいくつもあります。
その一つは、万博がかつて禍々しい植民地展示を行っていたことと関係しています。万博の背後には国際博覧会条約という法的枠組みがあるのですが、それ自体のなかに「植民地の開発」というテーマ例を示し、事実上、植民地展示を促す条項があったんです。1960年代に植民地の独立が加速したのを受け、1972年に国際博覧会条約が改正され、植民地の存在を前提とする条文は削除されました。つまり、1970年の大阪万博が行われたときには、制度自体はオフィシャルに改正されていなかったのです。そんな中でも、大阪万博にはかつて植民地だった新興独立国が数多く参加しました。世界の構造が変わり始めたことを万博も反映したわけですが、そうした動きの非常に初期の事例と言えます。
2025年の万博ではさらなる文化多様性を表現することが意識されました。半世紀をまたいで、こうした国際環境の変化から万博を比較するのも非常におもしろいと思います。
——私は実務も研究も、両方できる人でありたいという気持ちを強く持っています。何度か転職をし、決して楽な道を進んできたわけではありませんが、自分がやりたいことを実現するためにはどんな立場がよいのか、常にオープンに考えてきました。
研究職に就いてからは、現場での仕事を通じて自分の中に溜まった問題意識をいろいろな角度から整理し、歴史的観点から論考を加え、国際会議を主催するなどして成果の発信にも努めてきました。今後も、もし大学よりもよいと思うステージがあれば動きますし、このままでいるほうが実現できることが多ければとどまるつもりです。
どんなポジションであれ、仕事をすることの意味は「世界をより良くしたい」ということです。そのために、さまざまな可能性と選択肢に自分を開いておきたいと考えています。

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