増居翔太の現在地――ヤクルト・ドラ4左腕は、ファームで何を積み上げているのか
開幕後、一軍で増居翔太の名前を見かけなくなったからといって、評価まで消えたわけではない。 いま増居翔太に必要なのは、出番を待つことではなく、呼ばれるだけの投球を自分でつくることだ。
いまは、現在地を見極める時期だ
増居投手は浦添で行われたヤクルトの一軍キャンプを、新人でただ一人完走した。首脳陣の評価も悪くなかったし、故障もなくオープン戦まで来た。ドラフト4位ルーキーとしては、まず順調な滑り出しだったと思う。
ただ、そこから先は別の話になる。オープン戦で「この投手はすぐに一軍で使える」と言い切らせるだけのものを示せたかといえば、まだ物足りなかった。実際、シーズンが始まると増居翔太の名前を見かける機会はぐっと減った。それは不思議でも何でもない。プロ野球は、一軍で結果を出している選手を中心に回るからだ。しかも今のヤクルトは、開幕から投手陣の流れがいい。先発、中継ぎ、抑えが踏ん張っている状況では、新人左腕がすぐに割って入れないのも自然だろう。
4月3日の戸田でのファーム戦先発も、私はそういう目で見ていた。結果だけを見れば悪くなかった。走者を背負いながらも、要所では踏みとどまり、試合を壊さなかった。ただ、本当に状態がいい時の増居なら、あそこまで出塁を許さずに済むはずだ。もっとテンポよく、自分の間合いで打者を追い込める。そう考えると、この日の投球は、まだマウンドの空気を支配するところまでは行っていなかった。 戸田でやるべきことが、まだ残っている。私はそのことを、むしろ自然に受け止めていた。
なぜなら、増居翔太という投手は、昔からこうやって上がってきたからだ。最初から完成形で登場する選手ではない。与えられた場所で、必要なものを増やしながら、次のステージへ進んでいく。高校でも、大学でも、社会人でもそうだった。だからいまも、見方は同じでいいと思っている。
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では、ファームで結果を残している増居に、まだ何が必要なのか。数字だけでは測れない「一軍で任せられる投手」になるための条件を考えてみたい。増居はいま、ただ昇格を待つのではなく、自分の力でその時を引き寄せる段階にいる。
© 2026 ibukiwriter|伊沢いぶき
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