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缶コーヒーと、朝倉駅

JR土讃線の朝倉駅は、かわいらしいログハウス風の駅舎だった。
高知大学の最寄り駅と聞くと、それなりに人の行き来がありそうだが、昼間の駅前は驚くほど静かだ。大学生の姿も見えない。

駅舎のすぐ近くには、不動産屋が一軒あるだけ。
目の前の通りはきれいに整備されているが、どこか昔の面影が残っている。
時間が止まったわけではない。ただ、急いで更新されなかっただけ、という感じがする。

駅舎の中には、以前パン屋があった気がする。
ウイリーウインキーだったのか。
赤い色のロゴだけは、何となく思い出される。
今はもう閉店していて、駅舎だけが残っているらしい。

駅前を少し歩くと、焼鳥大吉がある。
昼間は営業しているのかどうか分からない佇まいで、夜になると本当に開くのか、昔からよく分からないままだ。
それでも、時間の経過を感じさせず、そこに残っている。

路面電車の朝倉駅前の電停も近くにある。
電停と言っても、アスファルトの地面に線が引いてあるだけだ。
それでも、電車はちゃんと来る。

自動販売機で缶のコーヒーを一本買った。
ベンチに座って飲む。
味は、特別どうということもない。
ただ、缶を持っていると、ここに来た理由が少しだけ形になる気がした。

便利でもなく、賑やかでもない。
けれど、何もないわけでもない。
消えたものと、残っているものが、静かに同居している。

ここから先のことは、
きっと、歩いた人にしか分からない。

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