【ちび創作大賞】山奥AI研究所さんのテーマ「自然」より 日本昔々よりは少し昔の話。私は自然が好きなインドア派。
むかーしむかし……よりは、少しだけむかしのお話です。
あるところに、一人のおなごがおりました。
おなごは、自然豊かな村で生まれ育ちました。
朝は鳥の声で目を覚まし、
土の匂いを吸い込み、
風の温度で季節の移ろいを知る。
道端に咲く小さな花を見つけては微笑み、
空を見上げれば、雲が今日の形を教えてくれる。
そんな暮らしが、当たり前でした。
でも、おなごには憧れがありました。
「都会で暮らしてみたい」
キラキラした街。
たくさんの人。
便利で刺激的な毎日。
そして、おなごは都会へ引っ越しました。
夢に見た都会らしい暮らし。
おなごは都会を満喫していました。
ある日、おなごは仲間たちとビルの屋上へ上がりました。
高い場所から見渡す街。
仲間たちは楽しそうに笑っています。
けれど、おなごは周りを見渡して、ふと気づきました。
そこには緑がありました。
でも、それは誰かが綺麗に整えた緑でした。
管理された木。
作られた景色。
おなごが知っている、
自由に伸びる木々や、
風に揺れる草むらとは違いました。
仲間たちは楽しそうにはしゃいでいます。
おなごも一緒にはしゃいでるフリをしました。
でも、おなごの心の奥では、
小さな声が悲鳴をあげていました。
「なんだか、息ができない」
その夜、おなごは理由もわからず泣きました。
都会が嫌だったわけではありません。
便利な暮らしが嫌だったわけでもありません。

ただ、自分の中にある大切な何かが、
少しずつ乾いていたことに気づいたのです。
自然って、ただの景色じゃない。
人によって、心が落ち着く場所は違います。
海が好きな人もいる。
山が好きな人もいる。
街の灯りに安心する人もいる。
そして、おなごにとって自然は、
心が呼吸するために必要なものだったのです。
だから、おなごは気づきました。
自然が好きというのは、
毎日森へ行くことでも、
外で活発に過ごすことでもない。
ただ、そこに自然があるだけで、
心が少し軽くなる。
空を見上げた時。
風を感じた時。
小さな草花を見つけた時。
「ああ、私はここにいていいんだ」
そう思える瞬間がある。
自然とは、
自分の中にある大切なものを思い出させてくれるものだったのです。
人は同じことをしていても、
どこにいるかで、心の景色は変わる。
人は自然を守ると言うけれど、
本当は自然が、私たちの心を守ってくれているのかもしれません。
おなごは今日も、ゆっくり過ごしながら、
窓の外の空や風を感じています。
私は自然が好き。
でも、インドア派。
一見、矛盾しているようで、
おなごにとっては、どちらも本当の自分でした。

こちらの企画に参加しています。
今回のテーマ「自然」山奥AI研究所さん↓
応募概要はカワムラさんのページで↓
カルケンさんの、テーマ「こころの在処」↓
あかねちゃんのテーマ「あなたにとっての"自由"」↓
天野雫さんのテーマ「風」↓
VOID_404アニキさんのテーマ「あの日の選択」↓
7/20までです✨
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