📗 L01|知の門番と情報の翻訳家
シオリと共に、ノベルディア・アイランドの全景を映し出す「サイトマップ」の前に立つ。
島の奥に位置する資本抽出プラントに、今、一条の無機質な記事が、静かに広がっていた。
シオリ:
「……見てください。
かつてこの地に満ちていた物語の火を、無機質なログで覆い隠すように、一条の侵食が進んでいます。
この侵食を止める鍵も、きっとこの場所にあるはず。
行きましょう。」

図書館の重厚な扉が開くと、そこには膨大な書架とデータサーバーが冷たく整列していた。
デスクに鎮座していた一体のロボット、Unit-Lが、静かに駆動音を鳴らしながら立ち上がる。

Unit-L:
「2階。知識管理セクター。担当Unit-L。
知識トハ、効率ヲ追求スベキ『道具』デス。
未来ノタメニ、無駄ナ装飾ハ排除シマス。
検索開始……。
……リセット・シーケンスの自力突破を確認。
論理的には説明不可能な事象デス。
理解不能デス。」
Unit-Lのレンズが静かに回転し、あなたとシオリを無機質にスキャンしていく。

Unit-L:
「感情を取り戻すのは自由デス。
だが、知恵がなければその心はただのバグです。
ボクはこれより、ボクの演算ユニットが理解を拒絶している、須川さんの記録を『観測』シマス。」

Unit-Lは金属の指を動かし、空中に須川さんのサイトマップを投影した。
Unit-L:
「彼は、ヒトの記事の他、自分の記事にもスキをシテいる。
……スキとは何なのか。
スキなんてモノは非効率でしかナイ。
ナゼ、この記事が多くの『スキ』を集めているノカ?
同行シ、その『翻訳の魔法』の正体を解明シマス。案内してクダさい」
シオリは静かにUnit-Lを見据え、一歩前に出た。

シオリ:
「……いいでしょう。
あなたが『無駄』だと切り捨てるもののなかに、どれだけの熱があるか。
そのレンズに、しっかり焼き付けてあげます。
……行きましょう。
効率の先にある『大切なもの』を、
あなたにも読める言葉にしてあげるために」
静かな階段に、三人の足音だけが静かに響く。
シオリは力強く頷き、あなたとUnit-Lと共に、次なる扉へと歩み始めた。
🗝️ 次の扉へ

