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BE MY VALENTINE ❷

イエスノー、潮と計

「国江田さん、何か俺の名前宛で荷物届いてんだけど」
「俺が頼んだやつ」
「中身は?」
「チョコ」
「箱でかすぎね? 俺そんなにいらねんだけど」
「お前にじゃねーよ、会社でばら撒く用」
「国江田さんが? チョコ配りおじさんになんの?」
「てめえ今何つった?……ホワイトデーにいちいち準備すんのだるすぎるから今年は先制する。会社で遭遇した全人民に渡しときゃ間違いねーだろ」
「あー、何かいまはそういう感じらしいな。感謝を伝えるとか何とか」
「そう。感謝される筋合いはあっても逆はねーけど」
「お前がする筋合いは俺だよな」
「は?」
「いやどう考えても」
「感謝を強要してくる男はもてねーぞ」
「俺がもてたら国江田さんが心配しちゃうだろ」
「黙れ。心配させんのはお前の努力不足。ほどほどにはもててろ、俺の千分の一でいいから。市場価値ゼロの男とか論外」
「言っとくけどお前、モテに国江田さんを算入すんなよ?」
「何で」
「ミッキーマウスに人が群がったからって、中の人が『自分もててんな〜』とか思ってたらそれは勘違いだろ。だからお前が俺以外でもてたのは実質皆川ひとり」
「絶望した」

「いやそんな落ち込む?」
「お前が言ったんだろが」
「ここまで効くとは思わなかったからさ。元気出せよ国江田さん、いいじゃん皆川いいやつだし。俺も一瞬でも皆川にもてたら嬉しいと思うし。うらやましいな〜」
「どの立場でもの言ってんだやめろ想像させんな」
「俺で千人分の熱量もててるよ。で、俺は計ひとりにもてたら釣り合い取れてんじゃん」
「そんなんで機嫌直るか……」
「塊の肉焼く?」
「焼く」
「もしかしなくても俺、肉の万分の一くらいしかもててなくね?」

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