世にも奇妙な○○投入物語 ~夏の100本ラッシュ編~

タラララランッ、タラララランッ、タラララランランタララララン♪


突然ですが、皆さん。
全人類共通の望み、といえば何を想像しますか?

世界平和? 子孫繁栄? 不老不死? ウォシュレット完備?


ノンノン。

「1度でいいからセコンドになって、リングにタオルを投入してみたい」

うん。
やっぱこれですよね。


リングへの、タオル投入。

そう、それは数多ある存在者のうち、セコンドのみに許された、特権的にして神聖なる無言のギブアップ☆宣言。

へ?
それはひと昔前の話? 今じゃタオルをくるくる回すウェイビングのほうが一般的、だって?

あのね。
そんなひょろっちいこと言ってるからいつまで経ってもつぶやきシローはおたけびクローになれないの。(がおお)


さぁ目を閉じて。思い出してください。

滾る熱情を胸に初めて参加したタオル投入訓練合宿でひじを痛めて泣いたこと。
憲法で基本的タオル投入権を保障されているのがセコンドだけだと知って米国への底知れない憎しみに駆られたこと。
ハローワークの窓口でリングにタオルを投入できる仕事じゃないとヤだとダダをこねて警備員さんに笑顔でつまみ出されたこと。

どれも今となっては麗しき思ひ出ですよね。


しかし、しかしです。
同時にあなたはこうも思ったはずです。

「投入すんの、べつにタオルじゃなくてもよくね?」

と。

んーと、うん。
ま、そっすよね。


そうなんです。

あれは当該競技のルールブックに「タオル投入=棄権の意思表明」とあるからタオル投げてただけの話であって、もし仮に「チワワ投入=棄権」なぁんて定められちゃった日には、当然セコンドは動物愛護団体からの苛烈な抗議に身を晒しながらも全身全霊をかけてチワワぶん投げにゃあならんわけですし、なんなら「任意のなんか投入=棄権」くらいのゆるっとした感じにしといたほうがサプライズ感っつーか興行としてのエンタメ性UPでいいんじゃね? とすら思えてきちゃうのは、よもや小生だけではないはずです。

ね?

ならば投入するしかあるまいて! タオルに代わるサムシング・エルスを!!
ほんで轟かせにゃあならんべよ!! タオル投入時代の終焉とそれに次ぐ新時代の幕開けを告げる、そのゴングの雄叫びを!!!(がおおお)


はい。
てな感じで、あーだぷーだ考えてみたのが本作です。
こわくないので気軽にみてね☆


セコンドが投入したタイムカードを打刻してレフェリーは帰った。

セコンドが投入した絵はがきの消印が動かぬ証拠となった。

セコンドが投入した人体模型の左半身はレフェリーだった。

セコンドが投入したアボカドの種が発芽するまで試合はおあずけとなった。

セコンドが投入したビッグイシューを手にレフェリーは佇み続けた。

セコンドが投入したボブ・サップのぬいぐるみは即座に回収され被災地へと届けられた。

セコンドが投入したガラスの靴はレフェリーにぴったりだった。

セコンドが投入したゴブリンの秘宝を巡る壮大なマジカル・ファンタジーが幕を開けた。

セコンドが投入した快眠枕の効能はレフェリーによって実証された。

セコンドが投入したきらきらの正体は海だった。

セコンドが投入したシャム猫の曲線美にレフェリーは思わず息を呑んだ。

セコンドが投入した廃棄弁当のシールを貼り替えるだけの簡単な仕事だった。

セコンドが投入した心霊写真には無数のレフェリーが写り込んでいた。

セコンドが投入した備蓄米に観客の目は釘付けとなった。

セコンドが投入したQRコードにアクセスするとレフェリーのプライベートショットが拝める仕掛けだった。

セコンドが投入した熊が冬眠中だったことは不幸中の幸いだった。

セコンドが投入した小さな恋の物語を大きな贖罪の物語へと変えたのはレフェリーだった。

セコンドが投入したミトコンドリアの可愛さったらなかった。

セコンドが投入した禁断の果実にアダムが目を奪われている隙にレフェリーはイブを拐かした。

セコンドが投入したカテーテルをいかに素早く装着できるかが勝負の分かれ目となった。

セコンドが投入した上の句にレフェリーが添えた下の句は「いまはしあいにしゅうちゅうしろよ」だった。

セコンドが投入したファービーの目は死んでいた。

セコンドが投入したパンダに扮したレフェリーを中国に返還することが閣議決定された。

セコンドが投入した桜色の切手は風に乗り日本海を越えていった。

セコンドが投入したチャリティーTシャツを着たレフェリーの偽善者感は半端なかった。

セコンドが投入した胡蝶蘭は試合終了と同時に枯れた。

セコンドが投入した千島と引き換えにレフェリーが樺太を差し出すという条件で条約は締結された。

セコンドが投入した古ぼけた卒アルには級友と肩を組んで笑うかつての鍋島容疑者の素顔があった。

セコンドが投入したミルキーはレフェリーの味だった。

セコンドが投入した自己啓発本は「負けるが勝ち」の精神に貫かれていた。

セコンドが投入した令和という時代にレフェリーはふじゆうなじゆうとルビを振った。

セコンドが投入したわらしべがチャンピオンベルトに変わるまでの最短交換ルートをAIはシミュレートしてみせた。

セコンドが投入した銀のエンゼルのおかげで5枚そろったレフェリーは大喜びでママの元へと走った。

セコンドが投入した警察予備隊は1952ラウンドで保安隊に、1954ラウンドで自衛隊へと転身した。

セコンドが投入した陰毛をパスタに混ぜるとレフェリーは店員呼び出しボタンを押した。

セコンドが投入した日記帳には既に試合に勝った後の未来が書き込まれていた。

セコンドが投入したショートケーキのセロファンの切れ端をレフェリーが見つけられないまま試合は最終ラウンドにもつれこんだ。

セコンドが投入した温泉のもとはリング温泉化成分配合の優れものだった。

セコンドが投入した不審物の影響で遅延が発生したリングにレフェリーの謝罪アナウンスが響きわたった。

セコンドが投入したアップルパイは焼きたてだった。

セコンドが投入した余談のほうが本題だとレフェリーだけが見抜いていた。

セコンドが投入した「Don't Disturb.」の札を無視して乱入してきた清掃のおばちゃんが初代王者に輝いた。

セコンドが投入したわざマシン36によりレフェリーはじばくした。

セコンドが投入したスーモは一緒にリングに住もうよと言ってきかなかった。

セコンドが投入したワカメを炊きたてのリングに混ぜ込もうとしたレフェリーの調理師免許は剥奪となった。

セコンドが投入した豆乳、に観客席は凍りついた。

セコンドが投入した充電コードを差し込むとレフェリーの両眼は再び青く灯った。

セコンドが投入した『海辺のカフカ』は下巻だった。

セコンドが投入したウォーターサーバーのサーバーレンタル料はレフェリー負担だった。

セコンドが投入したバナナがおやつに含まれるか否かが最大の争点となった。

セコンドが投入したワニワニパニックに手を挟まれたレフェリーの絶叫が今回の雪崩を引き起こしたと専門家は指摘した。

セコンドが投入した栞が3ラウンド中盤に差し挟まれたまま試合は終了となった。

セコンドが投入したハズキルーペ vs.レフェリーのジャイアントヒップは世紀の一戦として後世まで語り継がれた。

セコンドが投入した狸の金玉をリングいっぱいに広げてみせるのもまた一興だった。

セコンドが投入したスペースシャトルの窓から見えるリングは赤かったとレフェーリンは言った。

セコンドが投入したアルマジロのあくびが侵略の合図だった。

セコンドが投入した平皿を頭に乗せるとレフェリーは沼へと姿を消した。

セコンドが投入したイカ2貫に千鳥ファンは歓声を上げた。

セコンドが投入した収支決算書の誤りに秒で気づいたレフェリーの脳裏に「転職」の二文字がちらつき始めた。

セコンドが投入した金太郎飴はどこで切っても敵セコンドの泣き顔だった。

セコンドが投入した引き出物カタログの中からレフェリーが選ぶべきは鼻毛カッターであると観客の誰もが思っていた。

セコンドが投入した除雪車の出番は8ラウンド終了間際にやってきた。

セコンドが投入したゴンドラの中ではカップルがレフェリーの制止もきかずに唇と唇で殴り合っていた。

セコンドが投入した万華鏡の中から男女三人の遺体が発見された。

セコンドが投入した愛液まみれのトルコ人形の首すじにはレフェリーの名が刻まれていた。

セコンドが投入したお奉行様の計らいにより「先に手を出したほうが負け」という新ルールが追加された。

セコンドが投入した4分33秒の沈黙に音楽性を見出だしてやるほどレフェリーは甘くなかった。

セコンドが投入した貞子は「リングだけにね」と薄ら笑った。

セコンドが投入した超熟にはたしかに余計なものは入っていなかったものの投入された超熟自体がリングにとっては余計な異物でしかないというのはまことに皮肉なものだとレフェリーは思った。

セコンドが投入した雷門の提灯が畳まれていたことから三社祭は今日だと確信した。

セコンドが投入した健康な土に含まれる豊かなミネラル成分を吸収してレフェリーは栄養価たっぷりに育った。

セコンドが投入した迷子の特徴は誘拐された子供のそれと完全に一致していた。

セコンドが投入したビンゴカードの真ん中があらかじめ開けられてたのがなんかヤだったとレフェリーは犯行の動機を語った。

セコンドが投入したオオカミによって少年のウソは真実に化けた。

セコンドが投入したカールにまるで無反応なことからレフェリーが西日本の人間なのは明らかだった。

セコンドが投入した雌牛をぺろり平らげるとリングはひと回り大きくなった。

セコンドが投入したカルピスをリングに飛び散った汗で希釈したものを敗者に飲ませるとレフェリーは宣言した。

セコンドが投入したハチ公像周辺は今日も待ち人達でごった返していた。

セコンドが投入した白紙の嘆願書を受け取ったレフェリーはなんにもしないをすると誓った。

セコンドが投入した仲人はクリンチ状態のふたりに「おアツいね」と囁くと式の準備に取りかかった。

セコンドが投入した柿の種からピーナッツだけをレフェリーが食べてしまったことがトラブルの種となった。

セコンドが投入したバカがへそをほじりすぎて血が出て泣きだしたため試合は中断となった。

セコンドが投入した恋文に綴られていた溢れんばかりのセコンド自身への愛にレフェリーは嫉妬した。

セコンドが投入したちいかわグッズはどれも血にまみれていた。

セコンドが投入した足つぼマットを敷き詰めた上での再試合という提案をレフェリーは全面的に支持した。

セコンドが投入したなまはげは血まみれで殴り合う人間を観て熱狂する観客全員の悪い子ぶりに震え上がった。

セコンドが投入した悪魔の手鏡に映るレフェリーの瞳に映った悪魔が持っている手鏡に映るセコンドが投入したものは手榴弾だった。

セコンドが投入したモナリザは試合終了寸前まで必死に微笑んでいた。

セコンドが投入したこうもり傘を差して微笑むレフェリーの姿に在りし日の母が重なって見えた。

セコンドが投入した桃尻型木魚は観客の主に10代小坊主層に好評だった。

セコンドが投入した転轍機を手にしたレフェリーは迷うことなく暴走トロッコの行き先をリングから観客席に切り替えた。

セコンドが投入した乳母車の闇から伸びる1本の赤い光が敵セコンドの眉間を捉えていた。

セコンドが投入した傍線部(2)におけるレフェリーの心情として最も相応しいものが選択肢ウであることに納得いかないのはレフェリー自身も同じであるようだった。

セコンドが投入した取っ手のおかげでリングは幾分持ち運びやすくなった。

セコンドが投入した魔方陣から出現したセコンドが投入した魔方陣から出現したセコンドが投入した魔方陣からという無限連鎖によってセコンドと魔方陣だらけになりゆくリングでレフェリーは粗茶をすすっていた。

セコンドが投入したブーブークッションの誤作動によりリングは灰となった。

セコンドが投入した退屈な日常に束の間のカラフルな裂け目を入れてみせるのが私にとってのボクシングですと答えると情熱大陸取材班は若干首を傾げながらも頷いて帰っていった。

セコンドが投入したどろどろの虫喰いキャベツの穴という穴から突き出た中指が繰り出すファックユーの嵐に理性が消し飛んだとレフェリーは主治医に訴えた。

セコンドが投入した電脳生物サイバーパシャリンはアスリートを恥辱的アングルから撮影して回る多足自立歩行型自爆機能付きスーパー小型カメラだった。

セコンドが投入した床の間の掛け軸をめくった先に現れた薄暗い通路を抜けるとそこはセコンド専用リング投入用グッズ専門店だった。

セコンドが投入したタオルがタオルでしかなかったためにレフェリーはパニックに陥った。



いかがだったでしょうか。(がお)

さてさて。

ある人(たぶん独身)は言いました。

「なぜ山に登るのか?」
「そこに山があるからさ」

ごもっとも。


それでは、

「なぜタオルを投げるのか?」

この世紀の難問に、今や私はこう答えられましょう。

「それを知るために、私はこの物語を書いたのだ」

と。


やっぱタオルって投げやすくてサイコーだよね♪

あなたのセコンド人生に幸あれ。

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