NHK俳句「香水」
随分遅くなってしまいましたけど、とても面白い回でしたので。
久しぶりの平常回、庄司さんのピンクの上着の中のTシャツが何描いてあるのか気になるな…と思いつつ、堀田季何先生のブラウスが華やかで目が行きました。先生はいつもおしゃれですよね。
歳時記ごとに季語が違う問題。季語はそもそもどう生まれるのか。
パイナップルやハイビスカスのようにそもそも日本になかったものが日常に定着して、じゃあ入れようか?という流れになる…というか俳壇の権威たちが「載せよう」と決めれば載る。
あと、名句が生まれて定着する。
「万緑の中や吾子の歯生え初むる」中村草田男のこの句があまりにも素晴らしくて、俳人たちがこぞってこの言葉を使って「万緑」が季語になったそうで意外にシンプルな理由ですね。
「吾子」の句は我が子可愛さに目が眩んで名句が生まれにくいそうで。6月に4回続けて放送された俳句の全国大会のほうでも確か言われてましたね、「吾子の句に名句なし」と。
特に母親が詠むとダメだそうで、確かにこの「万緑」の句も父親視点ですが、もう一つ思い出す句があります。
「天瓜粉しんじつ吾子は無一物」鷹羽狩行。
まっさらな赤ちゃんを描いたこれもおとうさん目線ですね。
あと、歴史的、衝撃的な出来事から生まれるパターン。「原爆忌」とか。時期も意味も明確に知られている出来事ですね。
「ボジョレー・ヌーボー」みたいに、流行や文化から生まれる季語もあったり。
生まれる一方で消えていく季語もあって、例えばもう冬のイメージではなくなった「マスク」。
本来は冬支度で、秋にまるまる太った野鳥を狩って丸焼きしていた「焼鳥」。
かつては季節感を持っていた季語が、生活の変化によってそのパワーを失ってしまう場合に、季語は消えていくそうです。
本来「冷蔵庫」は夏の季語でしたけど…と季何先生がご説明なさる時、BGMに「菊次郎の夏」の「Summer」が流れていましたね。いつも細やかに音楽をつけてくださるあたり、見えないところにいらっしゃる作り手の方も丁寧なんだろうなと思います。俳句の大会でも庄司さんの場内レポートのとき、「仮面ライダーガヴ」の歌が流れてましたよね。
今回のポイントは「季語は変質する」でした。
後半のお題は「香水」。
意外にも、香水が「権威」「権力」の側を象徴するような句が多かったですね。
日本人は体臭があまりない上に毎日お風呂に入るから、エチケットとしての香水ってそんなに欧米の人たちほど身近じゃないのでしょう。デオドラント製品というよりおしゃれにお金を使える人のもの、生活に余裕がある立場の表現、みたいな。「権力」「地位」を示すみたいな。
そういえば、亡き人を思い出すときにその人の香りを思うこと、少なくとも私はあまりないです。
いつもあげてたお線香の匂いとか、煙草の銘柄とか。ご飯や煮物の匂いで思い出すことはあっても、香水ではないてすね。
これは地域や年代の差かもしれません。昭和の田舎の漁師町の育ちなので、普段香水をつけてる人をほとんど知らなくて。
なんであれ、香水を嗅ぐと、都会の電車の匂い、デパートの匂い、東京から来た親戚の奥さんの匂い、を思い出します。
最近ではそれも全然違ってきてるとは思います。男性のメイクが普通のことになってるのだから、香水もみんな使いこなしてるんでしょうね。
